デス・オア・グローリー ディープダイブ -1-戦士(ファイター)とは
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町外れ。約束の場所に現れたのは、見るからに怪しげな細身の男だった。君の姿を認めると、ひょこひょこと片足を引きずりながら向かってくる。彼のまとう薄汚れた外套からほのかに漂う血の匂い。この男はだいぶ危険な種類の人間だ。宿屋の主人に言われた通り、相手の顔を見ないように、君は男に近づいた。
「へえ。あんたがそうかい。ビルデさんから聞いてるよ。あんたの名前は言わないでいいぜ。金も受け取ったから心配いらねえ。俺のことは“手配師のサム”と呼んでくれ。またあんたが顔を見せたら、別の名前を教えるかもしれねえが、初めてのお客には、俺をサムと呼んでもらってるんだ。しかし、こんな所に呼び出して悪いね。店が今ちょっと散らかっているもんでな」
「手配師ってのは、冒険者同士を引き合わせたり、従者を用立てたりして、ほんの少しの手間賃をいただく仕事よ。よそ者同士じゃ、友達になるまでだって大変だろう? それに仲間選びは見る目が肝心よ。見てくれは強そうでも、オークを見たらクソを漏らして泣きわめく野郎だっていらあ。報酬だけ巻き上げて、ろくに仕事をしねえような連中もウヨウヨしてる。だから俺みてえな手配師が間に入って、あんたが後悔しないような仲間集めや従者選びを手伝うのさ」
「俺の事は信用してもらっていい。ビルデさんから紹介されたお客に、俺のせいで死なれちゃあ困るからな。真面目にやらせてもらうぜ。手配師も信用が第一ってわけだ。おっと、それ以上は近づかないでもらおう。この距離でも話はできる…」
「それで? あんたの聞きたい事を教えてもらおうか。なに、気恥ずかしがることはねえさ。格好つけて知ったかぶりをかます御仁はな、大抵すぐに死体にならあ。あんたはそうじゃねえだろう? さあ、言いな」
『 DEEP DIVE(深掘り)』と題されたこのシリーズ記事では、ゲームルールや世界観、あるいはTIPSなど、デス・オア・グローリーをより深く楽しむための様々な記事を不定期で連載してゆく。第1回となる今回は、冒険者の称号から、「戦士」について紹介しよう。
戦士(ファイター)
冒険において一行の前衛を務めるのは、戦士と相場が決まっている。彼らが戦闘を得意としていることは当然だが、他の者と比べ体力や頑健さに優れており、突然の敵襲や不穏な出来事にもすぐ対処できるような装備をしているからだ。
戦士は様々な武器の扱いに精通し、鎧や盾を身につけての行軍や戦闘をやすやすとこなす体力と筋力を持つ。盗賊のような器用さもなく、魔法を使うこともできないが、直接戦闘においては戦士こそが花形だ。行軍においては前衛に立ち、仲間を守りつつ敵に肉迫する。
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