シーナリービースト:ダンジョンをつくろう1(情景づくりの基礎とスチレンボードのケガき方、床の石畳製作)
情景野獣
よくぞ来た。ペイント大全ではしばしば、ジオラマ的な情景要素を取り扱うことがある。ミニチュアのベースデコレートもまた、広義の意味では情景づくりと言えるだろう。
『シーナリービースト』は、この情景づくりにスポットを当てたシリーズだ。君がジオラマを作るのであれ、ミニチュアゲームやRPG用の情景モデルを作るのであれ、撮影用の情景であれ、あるいはベースデコレートの表現幅を拡げるためであれ、きっと役に立つはずだ!
ミニチュアと情景要素には、実のところ密接な関係がある。その歴史やシーンの移り変わりなどについては、下のカウンシル記事を読んでくれ。
今回のシリーズ記事では、情景製作の基礎から始まり、実際にダンジョンを自作するための材料と道具、製作方法を紹介しよう。
はじめに:情景づくりの心構え
情景を製作する時、まず決めておかねばならない大前提がある。それは「何を作るか」ではない。「何のために作るか」だ。
上図は、俺自身が長年の情景製作の結果行き着いた「情景モデル四大要素」である。情景製作においては、これらの要素のどれを重視するかの心構えをハッキリ決めた上で製作することが大切だ。要素を順番に説明しよう。
ヨコの要素である「頑丈さ」と「精密さ」は相反するので、かなりの経験とテクニック、適した材料と道具がなければ同時に実現できない。タテの要素である「写実性」と「機能性」も相反するものだ。例えば「頑丈かつ機能的」「精密で写実的」なものは作りやすいけど、「頑丈かつ精密」とか「機能性が高く写実的」なものは作るのが難しいってことね。
ナナメ要素の同居は、場合による。「頑丈で機能性も高い」もの、「写実的で精密な」ものは作りやすい。一方で、「頑丈で写実的」なもの、「精密で機能性も高い」ものは作りにくいと言えるだろう。
どう言うことか? 極端な具体例を出して説明しよう。
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