新製品情報:スターターブラシXSサイズとハーミットインのホビーサプライ紹介
やあ! 以前近況でも言及した「スターターブラシ(XSサイズ)」のリリース準備が整ったので早速リリースだ。それと、ハーミットイン商店ならではの独自ホビーサプライ品の数々もあらためて紹介しよう。
筆の話
筆には、伝統的に動物の毛が用いられてきた。中でも絵筆として最高級と呼ばれるのがセーブル筆(イタチあるいはテン毛)で、赤テン(レッドセーブル)は特に珍重される。最高級の赤テン毛筆には、凍てつくロシアや中国東北部にだけ生息する「シベリア・コリンスキー」が用いられてきた。
だが近年、動物愛護意識の広がりに加え、近年ますます顕在化したカントリー・リスクにより、天然毛の調達は難しくなる一方だ。絵筆の世界では天然毛筆の品薄と素材高騰が切迫した課題となっており、代替となる人工毛開発が進んでいる。
そこでハーミットインでは、信頼のおけるドイツのブランドと手を結び、高品質ナイロン筆の輸入販売を今年1月から始めた。それがハーミットイン商店の「スターターブラシ」レンジだ。ナイロン筆にも色々あるが、使うなら、君にはいいものを使って欲しいからである。
スターターブラシの筆毛は、セーブル毛の組成を人工的に合成したナイロン繊維だ。メーカーによっては「シンセティック(合成繊維)」と呼ばれているものだね。
ナイロン筆は、天然毛に比べ安価で、筆のコシが非常に強いのが特徴だ。天然毛ほどのデリケートな扱いは要らず、手入れも楽なので、ホビーを始めたての君にオススメしやすい。「スターターブラシ」と銘打ってはいるが、初心の友限定というわけではなく、ナイロン筆ならではのコシの強さと形状保持力が好きで愛用する趣味人もいる。筆の全てがそうであるように、全ては個人の好み次第ってわけだ!
俺自身、普段はウィンザー&ニュートンのシリーズ7とシリーズ7:ミニチュアを愛用しているけど、スターターブラシでも充実したペイント体験ができる。自分自身で使い、納得したからこそ商店で扱うんだ。どのくらいペイントできるかは、下のツイートを見てくれ。
それでは、スターターブラシの新サイズを紹介しよう。
🔰スターターブラシ(XSサイズ)
スターターブラシ(XSサイズ)は筆の号数「000番」の筆(3/0と表記される)。穂の長さは6mm程度で、Sよりもさらに小さく短い。普通にペイントする時ではなく、エッジングの仕上げハイライトや極細の描き込み、瞳のキャッチライト入れなどに使う。筆が小さい分、カラーの含みがXSよりさらに劣るので、こまめにカラーを補充しつつペイントしよう。
他のスターターブラシ同様、軸が三角形のエルゴノミックデザインになっているのも特徴。持ちやすく疲れにくいんだ。ドイツの老舗筆メーカー、レオンハルディが製造するナイロン筆で、コートデアームズの名入れもされている。
スターターブラシにはSとLもあるよ!
スターターブラシには、普段使いのL(3番)と、細かい場所用のS(1番)もある。ペイントをこれから始める人、あるいはコートデアームズを試してみたい人のための「コートデアームズ・スターターセット(11色+スターターブラシL1本付き)」もあるよ。詳しくは以下のレビューを見てね!
ハーミットインのホビーサプライ
ハーミットイン商店では、国内で簡単に入手できるホビーツールや情景キットのたぐいは原則置いていない。それは、国内の色々なお店で売っているし、ぜひそういったお店を利用してほしいからだ。
一方で、国内にたくさん流通していても品質に良し悪しがあるものや、それこそ国内に存在していないものについては、俺自身が吟味し、愛用しているのと同じものを商店で独自に販売することもある。それがハーミットインのホビーサプライたちだ。
現在のように新製品情報のレビューがなかった頃に発売したものばかりなので、この機会にあらためて紹介しよう! いずれも絶賛発売中だ。
メタルミニチュア用真鍮ブラシ
メタルミニチュアは、離型剤としてタルクが使われている。また、鉛が含有されているメタルミニチュアだと、表面が酸化し、古くなった鉛が粉状になって表面を覆ったりもしている。ここで君の強い助っ人を紹介しよう。真鍮ブラシだ。金物屋やDIY店で各種売っているが、とにかく品質がバラバラで、粗悪品も多く出回っているのが現状だ。そこで俺は贔屓の金物業者と話をつけ、商店で俺が長年愛用するのと同じ品物を扱っている。
使い方は歯ブラシと同じだ。だが、削りカスを取るだけではなく、全体を磨いてやることで細かな段差やキズをキレイにしてくれる。ペイント大全で毎度のように登場してくるのと同じ真鍮ブラシだ。
テクスチャーサンド(ノーマル)と(ファイン)
鉄道模型用、ミニチュア用として日本で売られているサンドは非常に細かく均一だ。俺はこれに思うところがあったので、全国各地の砂利業者から集めた石と砂を俺が選別・調合し、ハーミットイン商店で販売している。
テクスチャーサンドには、大小の砂と砕石を混ぜた「ノーマル」と、1mm以下の砂だけを混ぜた「ファイン」がある。両方混ぜて使うこともできるよ。
ノーマルにせよファインにせよ、サンドの製造には手間がかかっている。選別した砂を一度専用の鉄鍋で高熱にかけて消毒と焼き入れを行い、徹底的に水分を抜く。そのまま火から外して冷ました後に混ぜ合わせ、パックに詰めた後に外装を洗浄した後で在庫されているんだ。
ロック&ストーン
サンドは地面の表現に用いるけれど、ベースデコレートに「岩」を配する趣味人は多い。そうすることで自然の地形らしい臨場感が出るし、ベースに変化がついていいアクセントにもなるからだ。砂や石は、ジオラマ素材を販売している店や園芸コーナーなどでも手に入るが、俺が使っているものを販売して欲しいという声に応え、ハーミットイン商店で独自製品を販売している。
ロック&ストーンは、ミニチュアのベースデコレートに使いやすいサイズの石を3種類詰め合わせたもの。時期によって採石の種類に変更があるため、ハーミットインでは再生産ごとに写真を撮影し直し、常に「その時入っているもの」がわかるようになっているよ。
現在は上の3サイズが入ってくる。細かな採石なので、1mmに満たない微細片(砂のように見えるもの)も含まれることに注意してくれ。採石と微細片の分別を製品製造時にやるのは難しい(専用の防塵施設が必要になる)。君がソノ気なら、購入後に茶コシを使ってよりわけて、微細片はサンドに混ぜて使うといい。
フェニックス・アッシュ
ペイント大全でもおなじみのマジカルアイテム。それがフェニックスアッシュだ。瞬間接着剤の効果促進と保持力強化に超役立つ。真鍮線の軸うちでも、いいセメントになる。
フェニックス・アッシュは、ペイント大全の組み立て関連記事で出てこなかった試しがない。毎度使う。それだけ俺にとっては必須のツール。どこにも売っていないので、ハーミットイン商店で独自に製造、販売しているんだ。
タバコの灰をただ詰めているのではない。まず、タバコのフィルター部分を取り除き、タバコ葉が完全に灰燼と化すまでガスバーナーで燃やす。その後冷ました灰を3段階に分けてコシ取った後にパッキングし、容器を洗浄してから在庫されているんだ。
元はタバコの灰ではあるけど、完全に燃えつきているのでタバコの匂いは一切しない。ただ、灰なので吸い込んだりしないように気をつけてね。
リリース予定
「スターターブラシ(XS)」は、今この時からハーミットイン商店で販売開始されている。他のスターターブラシや各種ホビーサプライともども、ぜひ君のホビーライフに役立ててくれ!
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