角兜の狂戦士パート3:肌、毛皮、皮面の仕上げ
よくぞ来た。前回のショウケースで毛皮のペイントが終わり、肌のベースコートまで済ませた角兜の狂戦士(下写真)。
今回のショウケースでは、彼が履いている腰の毛皮に、筋骨隆々たる鋼の肉体、そしてイエティ毛皮の皮面を仕上げよう。さっそく行ってみようか!
腰の毛皮のべースコート(フラットペイント)
腰に身につけている毛皮のベースコートで俺が選んだのは、暗い革色を意味するコートデアームズ534【ダークレザー】。革だけじゃなくて、毛並や木材のペイントなんかでも使える、深みのあるいい茶色さ。
ベースコートはフラットペイント。毛皮は凹凸が激しい。横着せずに、凹部の奥にもしっかりとカラーを差し込んでムラなく仕上げること。ムラがあるとこの後のペイントが不自然になる。それと、毎度ながら濃すぎるカラーでの厚塗りはNG。かえって色ムラが出やすくなるし、表面がボタついたり、ディティールを埋めたりしてロクなことがない。薄塗りでその都度乾かしながら2回(ムラが残ったら3回)重ねることが、ムラなくキレイに発色させるコツだぜ。
腰の毛皮:ハイライト1段目(ピックアウト)
最近よくショウケースで出てくるピックアウトとは、筆先を寝かせ、クシを当てるような要領で生え際から毛先に向かって筆の腹でなぞっていくペイント法のこと。こうすることで、凸部分にだけカラーをつけ、凹部にカラーを入り込まさせずにすむのだ。凹部を避けつつのフラットペイントだね。カラーを均一に塗るフラットペイント(=筆先のコントロールがラク)と、凹部を避けつつしっかりとカラーを載せるウェットブラシ(=ドライブラシと同様、筆先のコントロールは難しい)の合わせ技だ。
使うカラーは120【ヘアリーブラウン】。赤にも青にもよっていない、ニュートラルな茶色だ。上写真左くらいに水道水で伸ばしたら、筆先に含ませる。パレットの裏側に筆先を走らせたら少しカスれるくらいが適量だ(トロールの髪の毛をペイントした時に、ピックアウトでのカラー適正量がわかる画像を載せてあるから見てくれ)。
凹部にはさっきのダークレザーが残り、凸部にはヘアリーブラウンが載る。モモにヘアリーブラウンがはみ出ちゃったので、あとで塗り直すとしよう。今は腰の毛皮に集中だ。
腰の毛皮:ハイライト2段目(ピックアウトでレイヤリング)
さて、引き続きハイライトをかけていくけど、今回はドライブラシではなく、ピックアウトでのレイヤリングで仕上げてみよう。つまり、先ほどピックアウトで塗ったヘアリーブラウンを半分残すような気持ちで、手並の凸部をピックアウトでレイヤリングするのだ。ドライブラシするには少し狭すぎる面積だし、全体に毛並が寝ている感じなので、ピックアウトを活用してのレイヤリングがいいと思ったんだよね。
使うのは緑みのある黄土色501【ブリティッシュカーキ】。レイヤリングなのでカラーはかなり薄くする(上写真左)。
ブリティッシュカーキでのピックアウト・レイヤリングを終えたところ。全体に明るくなった印象だね。ここからさらにハイライトをかけていこう。
腰の毛皮:ハイライト3段目(ピックアウトでのレイヤリング)
続いては暗めの乳白色522【ペールサンド】で、さらにピックアウトでのレイヤリングをする。ブリティッシュカーキをほんの少しだけ残す気持ちで、派手にレイヤリングしてくれ。
ダークサンドでのピックアウトを終えたところ。全体的にかなり白っぽい印象で、このままだとちょっと浮いているけど大丈夫。ここから陰影をつけてカラートーンを落とすから、わざと派手にハイライトをかけたんだ。
腰の毛皮:陰影づけと色味調整(シェイディング)
では、毛皮の凹部に暗い色を差して引き立てつつ、全体のカラートーンを調整しよう。シェイディングだ。使うのは最近お気に入りのナゾ色、234【ダークアース】。ボトルの中にある時は茶色なのに、パレットに出すとほのかな茶色みを持つくすんだ緑に変化する。こいつを上写真左くらいのシャバシャバに薄め、腰の毛皮全体をシェイディングしよう。
肌と毛皮の境目も含め、凹部に少しカラーをため込むようにシェイディングしていく。ダークアースが上にかぶさることで、先ほどまでは白すぎたダークサンドが、いい具合に落ち着いてくれるよ。これで腰の毛皮もひと段落。
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