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種族解説:ドワーフ
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ドワーフ。彼らの言葉にならえば「富み栄えしもの」は、丘陵や山をくりぬいた岩屋に住む種族だ。彼らは自身の岩屋を砦町と呼びならわしめており、往時の栄光はないにせよ、大陸の至るところにドワーフの砦町が残っている。砦町にはそれぞれ王がおり、砦町の同郷意識は、人間やエルフのそれとは比較にならないほど強い。
ドワーフの背は人間より低いが、がっしりとした体型で、体力もあり頑健だ。男は豊かな髭をたくわえ、女は髪を長く伸ばす。彼らは優れた採掘者であり、建築家であり、並ぶものなき鍛冶職人にして勇猛な武人である。
ドワーフは金、銀、鉄から宝石や石にいたるまで、地中のあらゆる恵みを掘り出しては、素晴しい出来ばえの武具や細工物、堅牢極まる砦をも作り出す。それだけにドワーフは宝物...特に貴金属に対して異常なまでの執着を抱くし、それらを手にすることに執念を燃やすのだ。金勘定に聡く商覚にすぐれた者も多いため、彼らの砦町は巨万の富を蓄えてきたし、それゆえに、様々な敵を引き寄せもしてきたのである。
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上古の時代が曙を迎えたころ。ドワーフは大陸のあらゆる山並みを征し栄えていた。忌まわしき白夜戦争まではエルフたちとの友情もあつく、両種族は共に栄え、数多の敵と戦い勝利を重ねてきたのだ。白夜戦争の後、エルフとドワーフはそれぞれ種族としての衰退を始め、代わりに人間が勃興するが、人の子らに鋼鉄を伝えたのもまた、いにしえのドワーフたちである。
ドワーフがハルクウーベンにおける最初の砦町であるヘイン=ラグス=アインを築いたのは太古のこと。ドワーフの年代記を紐解けば、フーデ山に造られたかの岩屋から世界各地へ旅立った十六人のドワーフ王がいたことがわかる。これは『十六王の岩屋びろめ』として伝わる伝承であり、あらゆるドワーフの王族は、十六人のドワーフ王のうち誰かの血を受け継いでいる(ことになっている)のだ。
ドワーフは確かに繁栄を謳歌した。だが、幾星霜へるなかで、ドワーフの謳歌した栄光は確かに翳りつつある。多くの砦町は無数の敵により陥ち、種族としての繁栄は下り坂にあるのだ。新たな砦町が造られることはもはやなく、奪われた砦町の奪還すら、遅々として進んでいない。
砦町を喪った王は多くの場合自死するが、縁者のもとへ身を寄せ、やがて復讐を果たすことが美徳とされている。王たる者、たとえ生き恥を晒してでも生き延び、故郷を取り戻すべきとされているようだ。だが、敵の数は多く、ドワーフの数は減る一方だ。ゆえに、多くの場合それは悲壮な結末を迎えてしまう。
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