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【「使える英語」を身につける】 効率重視!リスニング力の鍛え方 Part 2
今回は、前回に続き、リスニング力を効率よく上げていくための方法についてまとめます。
前回は、リスニングに必要な 2 つの力のうち「音をとらえて単語を認識する力」に焦点をあてましたので、今回は「聞いたものを理解する力」の方がメインです。
今回も、「理屈はいい、やり方だけ知りたい!」という方は、目次から「「まとめ:聞きとった英文の内容を理解する力の鍛え方」の項目にジャンプするのをおすすめします。
また、今回の内容はすでにある程度(中学レベルくらい)の基礎がある方向け。
全く自信がない方は、先に自販機方式でベースを作ってからチャレンジすると効果的ですよ。
リスニングに必要な 2 つの力
前回も書いたとおり、「英語リスニング」を分解すると、この 3 段階に分けることができます。
音が耳に入る
音を意味のある単語またはフレーズとして認識する
1 と 2 を行いながら文の意味を理解していく
この内最初の 2 つは「音をとらえて単語を認識する力」、残りが今回のトピック、「聞いたものを理解する力」。
リスニング力が課題となっているケースを分析すると、音の聞き取りよりもこの「聞いたものを理解する力」のほうが壁になっていることがけっこう多いです。
シャドウイングやディクテーションはそこそこできるのに、会話になるとついていけなくなるタイプの方は、ここがネックになっているかもしれません。
こういう方については、リスニング力に特化して学習するより、総合力、特に単語やフレーズの知識強化に目を向けたほうが、リスニング力があがりやすいです。
聞いた英文の意味を理解する力
聞き取った英文の内容理解に必要な力は次の通り。
英語の単語、フレーズを意味のない音ではなく、単語・フレーズとして認識する力
英文を聞いたとおりの語順のまま理解していく力
1 については別記事にまとめたので、ご興味ある方はご一読ください。
この記事では 2 に集中します。
英語の語順のまま理解するには → ふりがな方式
「英語を訳さず頭から理解しろ」というアドバイス、聞いたことがあるのではないでしょうか?
これ、言うは易し行うは難し…で、「理屈はわかるけど、そのためにどういう学習をしたらいいの??」という方が多いです。
そんな方におすすめなのがふりがな方式!。
これは英文のわからない部分にその意味を説明するふりがなをふり、それを使って英語の語順で文を理解できるよう脳を訓練する方法です。
ちなみにこのふりがな方式は、自分の英語力が一番飛躍的に向上した時期(日本での大学時代)に編み出したやり方。
大学は日本だったんですが、「日本の研究はアメリカに 10 年くらい遅れをとっているから」という理由で、数人の教授がアメリカの大学の教科書をそのまま採用していたんです。
当時は英語力は受験英語レベルだったため完全キャパオーバーになり、「もうちゃんとわかんなくていい、大枠だけつかめれば!」と苦し紛れに編み出したのがこれ。
そもそも英語の勉強のためではなかったのですが、思わぬ副産物として英語力が無茶苦茶伸びた、という。
ちなみに、ふりがな方式、後に他言語でも試してみました。
特に英語と共通点が多い言語だと、英語意味ふりがなでふりがな方式すると、ストンストン頭に入ってすごいはかどる!!!
第三言語以降の習得にも超おすすめです。
ふりがな方式のやり方
さて、ふりがな方式のやり方は超簡単。
英文を読み、わからない単語、またはフレーズの上に日本語で意味を書く(これが「ふりがな」)
意味に集中しながら英文を音読する
これだけです。
幸い、日本語は語順に厳しい英語と違って、語や文の区分を入れ替えても意味が通じることが多い言語。
従って、日本語話者はそもそも、語順を入れ替えた文を正しく理解する能力に長けています。
しかも、「ふりがな」にも慣れています(ふりがなは他の言語にはまず存在しないので、これを当たり前に使えるのはすごいレアスキルなのです)。
実際、この方式で練習してもらって様子を見ると、比較的短時間で英文の語順に慣れることができる人が多いです!
ふりがな方式ステップ 1: 英文に日本語の意味ふりがなをふる
ステップ 1 では、まずある程度まとまった量の英文を準備して、ふりがなを振っていきます。
ここでの注意点は次の通り。
ツール選び(紙ベースでいくか、デジタルでいくか)
英文のレベルと分量
1 のツールはどちらでもいいんですが、ポイントとしては…
英文の上にふりがなを書き込める余裕がある
英文があまりギュッと詰まっておらず、ふりがなが長くなっても書ききれる
この 2 点が重要です。
これさえクリアしたら、あとは自分の環境や好み次第で何を使ってもいけます。
ただ、英語力を総合的に伸ばしたいのであれば、より多くの感覚を刺激すると学習効率が上がるのを利用し、いっそノートに 2 行空白行、1 行英文で書き写していくと最強なのではないかと。
そうすると、読み、書き、話す(音読)、聞く(音読した声を自分で聞く)4 スキルを総動員できるので記憶に残りやすいです。
ふりがな式ステップ 1 の例はこんな感じ。
![](https://assets.st-note.com/img/1644909795555-JKz8BcSffr.png?width=1200)
「俺、来たのよ。ここ。仕事で」「俺さー、あれよ。計画してんのよ。滞在。10 日。」
…ナチュラルにこういう口調で話せる方は、英語の語順のまま英文を理解するスキル、すでにほぼ完成していますね(たぶん。笑)
ちなみに、赤は主語となる名詞、青は述語となる動詞です。
これも音読のときについでにしっかり意識すると、より脳での学習効果アップが期待できます。
また、ふりがなは全ての語にふる必要は全くありません。
わからないところだけ、最低限に絞り込むほうがむしろよいです。
ふりがな方式ステップ 2: 意味に集中しながら英文を音読する
続いて、音読です。
音読する際は、音や発音よりも、意味にフォーカスするのがここでの最重要ポイント。
ふりがな方式は、単純に文を理解する目的で使っても役には立ちますが、意味がわかったところで止まってしまうと、語順に慣れる効果が下がります。
英文の語順のまま、意味を理解した状態で、それを口に出す行動を繰り返すと、脳の英文回路を鍛えることができます。
脳の中に日本語と結びつく形で存在している概念と、脳内の英語回路がつながっていくイメージですね。
ふりがな方式では、わからない部分に意味ふりがなを日本語でふってある状態なので、そのままでは脳は「 I am planning 滞在する for 10 days」と、日本語優先で理解してしまいます。
そこで強制的に英語の音を口から出し、耳から聞くことで、「滞在する」と「to stay」のつながりを脳に学習させるのです。
自分が意識的に学習する、覚えるのではなくて、脳のトレーニングなので、あまりガッチリわかった感じがしなくても大丈夫。
分量をこなせば脳はついてきます。
そして、この学習方法に脳が慣れてくると、いちいちふりがなを振らなくても、辞書で調べた意味を意識しながらの音読だけで、同じような効果が得られるようになってきて更に楽。
なお、音読が入ってくると発音も気になってきますよね。
ひとまずここでは「発音記号を使う」または「オンライン英語辞書などを使って音を確認する」ですすめると手軽です。
発音についてはまた別記事をまとめる予定なのでお楽しみに。
ふりがな方式に使う英文のレベルと分量
ふりがな方式には、自分が目指すレベルの最高地点にあたるレベルの英文を選んで使うのが最も効率よいです。
分量は、できれば短編 1 つ分、教科書 1 章分くらいはある方がいいです。
「え、ハードル高すぎ!」と思うかもしれないですが、無理を承知で、これほんとオススメしたい。
「多忙すぎてその量無理」であれば、せめて固めのニュースメディアの長文記事くらいの量で。
なぜ最高レベルから始めるかというと、簡単レベルから積んだとしても、大人レベルの英語は、いずれどこかで時間をとって学習しないといけないからです。
逆に大人レベルから始めた場合、大人には学生の言葉遣いを身につける必要性がほぼないので、単純に、勉強する量をだいぶ圧縮できます。
なお、現時点と目標とのレベルが乖離していると、最初のうちは全面的にふりがなだらけで嫌になると思います。
でもそこをこらえて、まずは短編 1 つ、教科書 1 章くらい取り組むと、相当力つきます。
以前書いた自販機方式と合わせるとなお効率良いと思うので、「内容がギュッと詰まって濃いから大変だけど、効率よく力がつく = 延々英語の勉強し続けないといけない地獄にはまらなくていい」と割り切って頑張ってみてください。
教材選びのポイント
レベル、分量は上に書いた通りですが、その他にもいくつかポイントがあります。
特に重要なのはこのあたり。
自分にとって確実に役に立つ内容、または楽しめる内容である
書かれた時期が古すぎない(※言葉遣いが古臭くなってしまうのを避けるため)
造語が多そうな内容は避けた方が無難(※ファンタジーは鬼門)
短い会話が主体の内容は避けた方が無難
ちなみに個人的におすすめなのは英語のマナー本。
仕事の内容によらず、ある程度理解していた方がよい内容だし、日本語メディアの「海外ではこれがグッドマナー!」系の記事は、申し訳ないけれども根拠に欠けたり、偏っていたり、古かったりすることが多いです。
英語圏で英語圏の人が見るものを使う方が確実ですし、役に立ちます。
比較的汎用性、実用性が高く、新しめの内容のものとしてはこんなところ。
難しすぎてやる気にならない時は、ティーンエイジャー向けのこのあたりから着手するのもあり。
大人向けではないものの、「大人の準備段階にある子どもにこんなマナーが期待されてるんだー」というイメージから大人レベルを類推できるし、単純に文化の違いがはっきり見えて面白いです。
そして、会社で交渉事を担当することがある方や、企画や事業計画を立てたりする方、そして GMAT 受験を予定されている方などは英語圏の理屈の組み立て方を理解する必要があるのでこのあたり。
このあたりは、英語で学んだほうが理屈がわかりやすい気がするので、身につくと日本語での議論力・交渉力・論理力アップにもつながってお得です。
そしてこういった本、意外とお高いので、この他だと…
オンライン学習プラットフォームで、講義内容をテキストで入手できるものを使う
O'Reilly Learning など、定額で大量の教科書を読むことができるメンバーシップに加入する
海外のきちんとしたニュースメディアや雑誌などを活用する
このあたりもおすすめです。
まとめ:聞きとった英文の内容を理解する力の鍛え方
リスニングには次の 2 つの力が必要。
英語の単語、フレーズを意味のない音ではなく、単語・フレーズとして認識する力
英文を聞いたとおりの語順のまま理解していく力
1 の方はこちらを参照。
2 については「ふりがな方式」を使って脳を鍛える。
ふりがな方式とは、英文のわからない箇所の上に日本語の意味を書き、意味ふりがなとして使って脳を英文の語順に慣らす方式。
やり方は…
英文を読み、わからない単語、またはフレーズの上に日本語で意味を書く(これが「ふりがな」)
意味に集中しながら英文を音読する
ふりがな方式で脳を鍛える時のポイントは以下の通り。
自分が最終的にめざしたいレベルの英文を教材に使う。
日本語ふりがなは最低限、わからない部分だけにふる。
意味を目で見つつしっかり音読し、意味と英語のつながりを脳に学習させる。
今の英語力と目指す英語力の乖離が激しいと最初はすごく辛いが、脳の仕組み上の効率はいいので全体の勉強時間が少なくて済む(ことを励みに頑張る)。