コロナ禍で実際に融資手続きしてみた
“日本政策金融公庫”と“民間銀行”の2つに融資申請手続きを試みた。これは後者、金融機関と融資実行に至るまでの実際の経緯を記したものである。
3月13日(金)
・アポ無しで当社が創業時から取引する某メガバンクの現在居住地の最寄り支店訪問。(創業地は都内の為、所有口座は都内であるが、現在居住地は地方(政令指定都市)の為、訪問した支店は地方所在)
・法人担当者及び融資担当者と初対面
・訪問趣旨を説明、融資に必要な各種書類を携行していたので全て提出
・融資担当者から「1週間以内に当行の意向をお返事します」と同時に、「政策金融公庫さんへの申し込みも併せて行った方がいいかと思います」と助言
3月18日(水)
・法人担当者から「お約束通り、当行としての回答をさせていただきたいので、お会いできますか?」のアポ取り電話
3月24日(火)
・小生が支店訪問し面談。「当行としては〇円をご融資させていただく考えです。保証協会さん付きで」との回答
・小生から「承知しました、それで結構ですので手続きを進めてください」と返答
・法人担当者から「では、保証協会さんに正式に申し込みますので、書類準備など、少しお時間いただき、再度、ご足労いただくことになりますが、よろしくお願いします」
3月25日(金)
・法人担当者から「当行としての取引はありますが、当支店としての取引が無く、今回初めてとなりますので、手続き上のルールもあって御社にお伺いしたい」との連絡
4月1日(水)
・法人、融資担当者2名が来社、世間話で終了
4月10日(金)
・支店取引開始書類、保証協会申込書類などに記名、捺印
・法人担当者から「社内ルールで行員の交代制による出勤体制となったため、進行が遅くなってしまう」との説明アリ
4月14日(火)
・法人担当者から「保証協会さんから追加で書類提出を要求されているので取得いただき、ご提出ください」と連絡入る
4月16日(木)
・法人担当者から依頼された書類を入手し届ける
4月24日(金)
・4月10日に手続した書類とは異なり“口座開設”手続き書類及び、“融資”手続き書類に記名捺印する為に支店訪問
・法人担当者から「保証協会の保証書は発行されています」と説明アリ
4月28日(火)
・“金銭消費貸借約定書”に捺印。ようやく、これで融資の契約をしたことになる
5月1日(金)
・融資実行(借りたお金が保証料や手数料他差し引かれて当社の口座に入金される)
初回訪問から全7週間を要した。対応支店に口座を持っていなかったとは言え、このスピード感は決して“早い”とは思わない。因みに、日本政策金融公庫は初回面談から融資実行まで面談は全3回で4週間であった。
言うまでも無く、重要な事はスピード。政府はじめ地方自治体の給付金・助成金・補償金、何れにしてもそれらは実行までの手続きが掛かるのは必然であり、今に始まったことではない。しかし、民間銀行が行政と大して変わらない実態は如何なものかと率直に思う。
ATMの提携や支店の統廃合、グループ金融会社の同一店舗化等など、色々と銀行も時代に沿った合理化を進めているが、利用者にとっての恩恵は全くと言っていいほど感じない。相変わらずの手続きの多さや杓子定規の審査も然り。国際化の遅れを感じずにはいられない。コロナ禍によるパラダイムシフトを強く願うのが銀行である。
小言であるが、全く取引のない某信用金庫に弊社の顧問会計事務所の紹介で行き、今回の融資の申し込みをしたら、「御社の得意先は地元ではないから融資しかねる」という意味不明な回答で断られた・・・。私の説明が悪かったからなのか?担当者が物事を理解できなかったからなのか?それとも、単に面倒くさい奴と思われたのか?真相は定かではないが、20数年会社経営をしていて初めての体験であった。