ぼくらの100日モラトリアム(77/100)
30日前(9月26日・火)
朝、二度寝を試みる。夫が普段テレワークで、私は遊びがてら運動がてら外にいることが多かったので、ようやく産休に入ったという気がする。
思う存分日記を書いたりする。しかし夜、夫に昼間何してた? と問われ、正直に答える訳にもいかないので、今日は昼寝してゴロゴロしてただけの人になってしまった。
結局腹の子の名前が決まらないまま、夫は一週間ちょっとの出張に行ってしまう。
満月の夜は出産が増えると言うが、十五夜の綺麗な月に惹かれて、一か月早い今月に出てこないことを祈るしかない。
29日前(9月27日・水)
朝、ポケモンスリープでかけた目覚ましが鳴らなくて起きれない。早朝、出張で空港に出発する夫をやっとのことで見送る。
その後、二度寝。 昼近くにのそのそ起きだし、義実家からいただいたチーズケーキで朝ごはん。人が見ていないと思うと、すぐこの体たらくである。
出産したら退院時にはそのまま引越し先に向かう予定なので、今の家で着ない服などの整理をする。
途中、どうしてもポップコーンが食べたくなり、体を動かしがてら外出。ついでに、近場の和菓子屋さんで中秋の名月用のうさぎ饅頭を買う。
そういえば昨年も、中秋の名月は夫が出張中で一緒に見られなかった気がする。
28日前(9月28日・木)
池袋西武のケンジントンティールームで、アフタヌーンセットを味わう。
ようやく念願のまったりアフタヌーンティー、と言いたいが、あくまでアフタヌーンセットであり、アフタヌーンティーセットではない。でも食事はケーキスタンドで提供されるし、ドリンクはポットで提供される(デカフェのアールグレイがあるのがありがたい)し、家から近いし、予約しなくていいから当日の体調を確認してからいけるし、何より量が丁度いい。
スタンド下段のサンドイッチが美味しい。上段はスコーンと通常メニューでも提供しているタルトの2点。ゆっくり食べても美味しく食べ切れた。
思う存分まったりした後、秋ファンデ調査の続きを、ということでRMKとSUQQUとADDICTIONへ行く。イケセイのコスメフロアのみなさん、「今日は型番のメモだけいただけますか?」と聞くと、朝礼はフロア全社でやってます…? と聞きたくなるくらい全員が「本日は検討されるということですね」と返してきたので、統制力?に少しビビる。
A3!のイベントも今日終わったし、ポケモンスリープではグッドスリープデー(※いつもより大幅にレベルなどが上がるイベント、たくさん寝るといいことがある)なので早く寝た。
27日前(9月29日・金)
定期健診の日。いつもはエコーを見る時ははしゃぎまくって動きまくっている腹の子が、今日ははじめて寝ているようだった。
沢山寝る子になるとすれば、それは間違いなく私の血だな。
貧血検査を行う日だったらしく、注射を打たれて嫌になる。 痛いこととしては、諸処の検査やたぶん出産とか怪我とか治療とか色々あるけど、私は注射のしくみが嫌いで怖くて嫌いだ。
これからもっと歳を取って、定期的および慢性的に注射を打たねばならない体になったらメンタル的にしんどいだろうな…と、今から老後の心配をする。
病院の帰りにスタバにより、コーヒーと食べてみたかったあんバターサンドを買う。スタバの食事って味が大振りな印象があったけど、全然美味しかった。
日記の編集をしていて、文章が単調になっていることに気付く。淡々と書くことと単調は違うのだから注意せねば。
もしくは、感情が乱れているトピックだから書きづらいのかな? と内容を見直すと、実母のことを書いている部分が恐ろしく少ないことにも気付いてしまった。
ここでは省略していることもあるが、義母から来た連絡なんかは細かいことも書いてあるのに対し、実母との連絡のことは殆ど書いていない。しかも、別に意図的に省略している訳ではなく、ただ日記を書く時に実母のことを思い出さないだけ、という理由なので、何かしらの宇宙の意図を感じる。
やっぱり私は実家を信頼はしても信用はしていないし、それに伴う深層心理が効いているのかもしれない。明日からまた実家に行くんだけど、この気づきがある状態で行って大丈夫なのか。
中秋の名月なので、先日買ったうさぎ饅頭を頭から食す。
26日前(9月30日・土)
今日からまた実家に何日か行く。今の時期に、いらない運べる荷物を実家に運び込みたいという算段と、赤子用品を買い揃えるための帰省。
何とか親が迎えに来る時間までに私物の箱詰めと帰省準備を終える。ダンボール箱4箱程度なのに、やっぱり荷造りや引越し準備は体力と気力を使うな。実家について横になったら、すぐにうっかり寝てしまった。
ついでに、実家にいる間にiPhoneの機種変更でもしようかとauショップのウェブ予約をしようとしたら、予約サイトがわかりにくすぎて断念することにした。明日ショップに電話をかけよう。
というか、機器の予約とショップの予約の入口が別だったので、もしや今日明日で機種変更はできないのでは? と不安になる。
母から、今日も同じような話を聞かされている。といったら言い過ぎか。
内容は、あんたが結婚するなんて思わなかった、孫が出来ると思わなかった、一緒に住めることになるとは思わなかった、父の愚痴、エトセトラ・エトセトラ(リピート有)。
感謝はしている。だから同じ話も何度でも辛抱しておおらかな気持ちで聞く。生きるコミュニティの狭い母には、あまり愚痴を吐き出す場所がないから。愚痴は聞いてもらえるだけで、楽になることを知っているから。
だけど私がどんなお気持ち表明をしようと、彼女の主張は一切変わらないから、やっぱり信頼はしても信用はできない、と思ってしまうのだ。
25日前(10月1日・日)
朝イチでauショップに電話する。昨日の嫌な予感通り、先に機種の予約をし、現物が届いてから各種手続きになること、さらにiPhone15に関しては、発売前に予約した人の分がまだ来ていないということを言われた。
え……家電量販店で死ぬほど在庫ありますって言ってるのなんなの? と思うも、無いものを出せとは言えないので、ひとまず丁重に引き下がる。
出産前に変えてしまいたいなら、もう家電量販店で変えるしかないか。プランの相談とかもしたかったので、馴染みのauショップで変えたかったんだけど……。
それか出産前の機種変更は諦めて、産まれた後改めてauショップの在庫引当て予約をするしかない。今機器の予約をして、出産修羅場中に在庫引き当たりました、なんて連絡が来ても困るからね。
まぁ今も電池の減りが早いくらいで特に不備も不満も無いからいいんだけど、新しい機器! と、少しだけ上がってしまったテンションが肩透かしになってしまった。
気を取り直して、父に車を出してもらいアカチャンホンポへ。もう今日はチェックリスト3種(病院からのリスト、行政からのリスト、ベビーカー売り場で貰ったリスト)とにらめっこしながら、必要なものをすべて買い込んでしまう意気込みでやってきた。
これまでも大きな獲物からベビー用品を揃えてきてはいたが、今のマンションでは置き場もそうそう取れないので、引越し先=実家にそのまま持って帰ってしまうのが効率が良いのだ。
相談が必要そうなものはさておき、消耗品をひたすら買う。昼休憩を挟んでまた買う。
買うものが…買うものが多い……これはほんと、若い世代が自分は子供育てるの無理だと思うの無理ないよ……。
買い物の途中で夫から電話がかかってきて、「今空港の免税店にいるけど欲しいものある?」と言ってDiorの売り場の写真を送ってきたので、急に言われても! となりながら、ちゃっかりマキシマイザーを頼む。
今こんな状況でさえなかったら、CHANELがそこにあるか聞ける余裕があったなら、No.1のフリュイドファンデを頼んだだろうに。一度使ってみたいリストの中にいつも入り続けるCHANELのフリュイドファンデ……。
しかしこれを「前もって免税店に行くことを言ってくれ」なのか「前もってリクエストしておいてくれ」なのかは流派が分かれそうだなぁ、と思う。
私はお土産をもらう立場なら「旅行者本人優先で! 買えなかったらそれでいいよ」なんだけど、買う立場なら「リクエストされたなら買って帰らなきゃ…!」となってしまう(こういう人多いんじゃないかな)ので、その塩梅もまた難しい。
そして、その場でリクエストするのはとっても難しいよダーリン。
帰宅後、本日の戦利品の外袋除去や洋服などの布類のタグ切りをする。
帽子、ミトン、ベビーオールとラインで買ってしまったゆめかわ柄の服を床に並べて、かわいいかわいいと高い声が出てしまう。
財布には確かに痛かったが、産まれる前からこんなに歓迎されるなんて、赤子って凄い。自分の時もこうだったのだろうか、とふと思う。
さっきは若者が子供を欲しがらないの無理ないと書いたけれど、理屈じゃ説明できない感情が確かに今ここにある。
だけど、欲しいからって手に入るものでもない。今振り返れば、過去の日記には「PMSが辛いって言うの、今月もダメそうですって自己申告してるみたいで恥ずかしい」「生理用品を買うの、今月もダメでしたって自己申告してるみたいで恥ずかしい」といった病み言葉が刻まれている。
そうではなかったとしても、恥ずかしい理由も追い詰められる理由もなにもないのにね。
それでも、努力だけではどうにもならないことだから、関連トピックのヤフコメ欄はいつも大荒れだし、私のこの言葉だって、下げたつもりの鋒を別の誰かに突きつけている、のかもしれない。
だからといって何が出来るわけでは無いけれど、自分の身を置いている座標を把握しているかどうかは大切な話だ。
24日前(10月2日・月)
auショップに行くつもりで空けていた日だったが空振りに終わったので、私物の片付けをしたりゴロゴロしたりして過ごす。
note内にて、#100日後に産休に入る嫁 というハッシュタグを見つける。
やはり存在したかワニの派生。この日記書き始めるとき、タイトルをどうするか大分悩んだんだよな……ということを思い出した。
夜、出張中の夫から不意に電話がかかってきて、小一時間話をする。
「(腹の子)まだ出てこないよね?」と聞いてくるので、今のところはね、と返す。ただしベビー用品は最低限のものは揃ったので、いつ産まれても速やかに育児に移れるだろう。細かいこと(私の入院バッグの詰め込み作業とか)を置いておくならば。
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