賽の河原でツムを積む(3)前編
ツム日記3日目 (7/16)
とても眠い朝である。
2:00の文字を見た記憶がないので、おそらく目標通り午前二時までには寝られたようだ。
頭のはっきりしない通勤電車で「ツムツム 何が 面白い」と検索する。
昨夜あんなに自分を削ってツムを積んだが、まだ良さが分からない。やり込みが足りないというのか。あんなにやったのに。
検索結果のひとつに「キャラクターの可愛さ!」と言われ、ゲームとしては破綻しているなあと心でツッコミを入れる。
しかし、もしもツムツムの良さがキャラクターだとすると、私のディズニーキャラへの思い入れ不足がいまいち楽しめない原因となってしまう。
ところで、ミッキーって、何がそんなに魅力的?
間違えなきよう言っておくと、私もディズニーランドは好きだ。ミッキーもミニーも嫌いじゃない。だが、静止画で見る実写のミッキーはちょっと怖い時がある。
ツムのミッキーは文句なしに「可愛い」。日本でよく流行る、線が単純で二次元的な可愛さだ。ハローキティだってたれぱんだだってコウペンちゃんだってこの系譜だ。
一方、実写ミッキーは人と同等の動きをし、可動域が広く、口が大きく立体的だ。目が合うと目を逸らしたくなり、常に笑みを湛えた口に吸い込まれそうになる。
キャラゲーは好きだ。
スマホゲーでは、リラックマの模型を集めてひたすらお部屋に飾っていくソシャゲ「あつめて!リラックマ」をやっていたし、PCゲームでは、古き良きFlash全盛期のアバター着せ替えゲーム「プーペガール」や「不思議なピクミー」など、ひたすらアバターを飾ることに主眼を置いたゲームは好きだった。(ちなみに、ピクミーは未だに時代に合わせてサービスを提供し続けている。すごい。)
彼らは、ちびキャラとかゆるキャラみたいに線が少なくてペタンとした造形や、意志のなさそうな口元とは正反対に位置している。
ディズニーリゾートで見る彼らは一流のエンターティナーでどこか親しみを感じさせるが、日本で流行るには、キャラクター好きのメインストリームを離れたビジュアルだと思うのだ。
日本七不思議のひとつに数えてもいいと思う。
さて、キャラが増えればキャラゲーとしての楽しさが出てくるかもしれないのでガチャを引きたいのだが、コツもわからずプレイしているため、ガチャを引くのに必要なコインが貯まらない。
安いガチャで10000コイン、高いガチャで30000コインを要するが、今の私が一度に稼げるコインはせいぜい200コインだ。しかも、ツムキャラはレベルが5上がるごとにレベルアップの「上限解放」を求められ、それには1回2000コインかかる。
30000コイン貯まろうかという頃に、キャラクターの上限解放がやってくる。ガチャの引けないソシャゲなんて。
そう思っていたところで、一件のLINE通知が届いた。(続く)
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