賽の河原でツムを積む(3)後編
ツム生活3日目(7/16)
帰りの電車でツムツムをプレイしていた私に、一本のLINEが入った。
「メイコちゃんツムツムはじめたの?」
気づいてはいたのだ。ライフの源なる「ハート」が送られてきていることには。ツムツムには持ちライフが通常5つあるが、その他に友人からハートを貰うことで、貰った個数分余計にプレイ出来るというシステムがある。
貰ったからには送り返す、ということをおっかなびっくりしていたのだが、その友人からとうとう連絡が入ったのだ。
LINE連携怖い。仲の良い友人としかLINE交換してなくて本当に良かった。
そこで私はスマホに変えた母に付き合ってツムツムをはじめた旨、コツが全くわからない旨などを返事する。
返事を送ってしまった後、「母に付き合って」だなんて呆れられるかな。私が母と特別仲が良いわけでもないことを、彼女も知っているわけだし。と後悔した。
すると友人からは、長い間ツムツムを続けているが、今でも続けているのは母がハートを要求してくるから、という返事がきた。
彼女も今はうまく親と付き合っているが、頻繁に親と顔を合わせてもろくなことはない、というのが私との共通見解なので、にわかにほっとする。
親のツムツムに付き合っている子世代は多いのかもしれない。
しかし「母がハートを要求してくる」のパワーワード感。
うちの母はまだハートの要求の仕方が分かっていない。私もいずれ、ハートを搾取される日が来るのだろうか。LINE連携怖い。
ツムツムの楽しみ方がわからない、ということについては、イベントやると楽しいよ!と言われた。
はて、イベントとは?
昨日に引き続き、簡素なUIを見渡してみる。
あった。まだ謎のゾーン。「カード」、これだ。
ひとつのカードにはそれぞれ課題があり、それをクリアしてコインやお助けアイテムなどの報酬を得られる。
常設カードもあれば、報酬が今開催されているガチャのチケットという期間限定のカードもある。
私も早速、初心者向けのカードをめくってみる。
チュートリアルの続きも兼ねているようなぬりえカードは、「頭にリボンを付けたツムでクリアしてみよう!」や「〇〇のスキルを持ったツムでクリアしてみよう!」など、どんなツムがいるのか理解を深めやすい。
いくつかのミッションを進めると、ツムたちの仕組みがわかってきたため、ようやく少し愛着が沸いてきた。
そして、何よりミッションを達成するという目的がある。
ミッションをクリアするのは楽しい。
賽の河原の対岸が見えた瞬間であった。
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