体に良いと思っていたものが実は(3)!
腸内細菌叢といって腸内には、様々な細菌が私たちの健康のために活躍しているのです。この腸内の細菌類のことを腸内フローラと日本ではよく言います。
腸は3万種類,100兆から1000兆個に及ぶ細菌のすみかなのです。
この腸内の細菌の集まりを良い状態にしておくことが健康とって極めて大切です。この細菌類も私たちの日頃食べているものでその細菌の構成も変化します。
食べたものをうまく消化吸収するのにこれらの細菌はわれわれ人間のために日夜働いているのです。
うまく働かなくなると腸の壁から有害な物質も吸収されてしまうのです。
実は、健康に良いと言われて多くの人が食べている食物にレクチンを多く含まれているものがあるのです。
人類が豆類と穀物を食べるようになって、エネルギーが豊富なので飢えをしのぶことができました。そのために大変多く栽培されました。さらに保存する技術も身につけてきました。
しかし、人類はこれらの新しい作物のために大きな代償を払うことになったのです。実は、エネルギーも豊富でしたが、レクチンも多く含んでいたのです。
さらにアメリカ大陸から導入された多くの食物である とうもろこし、トマト、かぼちゃ、ピーマン、パブリカ、とうがらしなどの食物をアジア、ヨーロッパ、アフリカの人たちが食べ始めました。しかし腸内の細菌類はこれらの新しい食物を消化できるようにはなっていません。
人類はそれでも世界各地でレクチン豊富な食物を消化しやすくするための調理法を開発してきました。
アジアでは、玄米を漂白して白米にします。これによってレクチンは大きく減少しました。また発酵食品をつくるようになって、レクチンを減らし、さらに腸にとって有益な細菌を増やす調理法を得ました。
ヨーロッパでも小麦を漂白しました。
イタリアでは、トマトやピーマンを食べる前に皮をむいたり種を取り除きます。皮や種にはレクチンが豊富に濃縮されています。
他にも多くの調理法があることでしょう。
さらに追い打ちをかけるように1950年代頃から加工食品が多くでまわりました。これらの加工食品には、レクチンの含有量が高い穀物や油で作られています。
また私たちは、小麦、大豆といったレクチンの含有量が高い食品を多く摂っています。これらを使った加工食品も様々な化学物質が増量剤、安定剤として追加されています。
まずいことに、健康食品として売られているものに、高度にレクチン含有量の高いものが使用されている食品があります。例えば、全粒穀物、玄米、植物油、豆腐、低脂肪乳製品などです。
大変に困ったことに、これらの食品は健康に役立つどころか体に害になる食品でした。さらにこれらの健康食品などを食べるようになって、私たちは腸内の細菌叢にとって極めて有益な葉菜や発酵野菜をあまり食べなくなりました。
現代人は動物性食品を以前よりも多く摂るようになっています。これらの動物は昔とは違って自由に動きまわって草を食べているのではなくて、遺伝子を組み換えた餌を食べさせられていて、しかも動きまわれません。とうもろこしや大豆を食べさせられていて胸焼けを起こします。そのために炭酸カルシウムを牛の餌にいれています。
しかし、こうした飼育とは反対にグラスフェッド(牧草飼育)といった飼育が注目されています。
一般のバターよりもかなり高めですが、グラスフェッドバターは体に良いので有名です。
人間も動物も同じで食べたものが体を作ります。その動物が食べたものを人間が食べています。こうして動物性の食品を通して間接的ではありますが取り込んでしまうレクチンは、腸内細菌叢や免疫系にものすごく大きなダメージを与え続けています。
さらに、これらの動物のほとんどは大きく太らせるために、餌に抗生物質を混ぜます(日本の酪農家が抗生物質を混ぜているかはわかりませんが)。こうした抗生物質は、肉に残留していて人間の体内に取り込まれます。それはやがて人間の腸内細菌叢の大切な細菌類を殺してしまうのです。
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