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はじめてのオンライン宿泊を終えて。「旅する理由」に、想いを馳せてみた。

2020年3月。2年半ぶりに、出張のない1ヶ月を過ごした。
2020年5月。自分の暮らす「町」から一歩も出ない日々を過ごしていた。
そして今週末。初めて、オンライン宿泊とやらに参加してみた。

「オンラインで宿泊ってなんやねん」
そう思いつつ、いざ体験してみると、なんだか良かった。そして、いろいろと想いを馳せるきっかけとなった。

「旅好きな私は、旅の何が好きだったんだろう」
「しばらくは前ほど気軽に旅には行けない。そんな中で、どんな体験があれば、私の「旅欲」は満たされるんだろう」

このnoteは、はじめてのオンライン宿泊を通して、旅好きが、旅できない中で、旅の代わりを模索した備忘録です。


「旅するちほたん」な日々。


昔から「旅」が好きだった。
仕事でも、旅する地方担当、略して「旅するちほたん」と銘打ち、いろんな地域を訪れてきた。約2年間の出張で46都道府県を巡り、3月にはラスト1つを訪れる予定だった。大好きな京都にも行く予定だった。福井や富山、もちろん岡山にも。でも、すべての予定は、コロナさんの訪れとともに消え去った。

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自分の幸せを高める自粛期間。


出張のない日々は退屈かと思っていた。でも、久しぶり、というか、初めて、ずーーーっと、ずーーーーーっと、家にいられる時間は、至福だった。
家がとってもきれいになった。湯船に浸かるとよく眠れると知った。自炊の楽しさを知った。家の近くに八百屋さんと魚屋さんと肉屋さんを見つけた。月に30日ぐらいあった飲み会は0になり、体重は5kg減った。心も身体も、軽やかになった。自分の感情もコントロールできるようになった。体調の変化に気付けるようになった。仕事もさらに楽しくなった。

なぜか4コマ漫画を描き始めた。ミソジになるまで毎日描くらしい。今日あった楽しいことを思い出しながら、ひとりでニコっとする時間。前向きな気持ちをくれる時間。

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ノリで申し込んだ、オンライン宿泊。


そんな日々を過ごす中、たまたまInstagramで、1つのストーリーが目に入った。

「NINIROOM 初オンライン宿泊やるよ!」

「NINIROOM」は私が大学時代を過ごした京都・丸太町にあるホステル。立ち上げ時、私が働くREADYFORでクラウドファンディングに挑戦してくれたことをきっかけに、京都に行くたび訪れる場所となった。ちなみに私は、自称「アンバサダー」。なんか知らんけど、なんか好きすぎて、京都へ行く人にはいつも勧めまくってる。

「オンライン宿泊?ようわからんけど、NINIROOMの二人に会いたい!」「定員6人?意外と少ないんやな」「3,500円?なんか届くらしいし、飲み会一回分やと思えば全然ありやな」

内容はざっと読んだものの、よくわからんかった。でも、いわば、ノリで申し込んだ。

NINIのふたりに、会いたかった。

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はじめてのオンライン宿泊。


オンライン宿泊の流れは、ざっとこんな感じ。

3日前、小包が届いた。
中に番号の振られた小包が4つ。順番にみんなで開けていくらしい。ちょっとワクワク。

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当日20:00、ZoomのURLをクリック。

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最初はみんなマイクミュート・カメラオフで、時間になったら、はじめまして。

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「1番の包みを開けてくださーい」

ホストの掛け声で、みんなで同時に包みを開ける。中にはウェルカムドリンク。私がりんごジュースだいすきって知ってたのかな?って喜ぶ。

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部屋案内をしてくれたり、ゲスト・スタッフの自己紹介をしたり、小包に入っていたおつまみを食べたり、作り手さんからのメッセージを見たり。いつの間にか22:00になって、おやすみなさい。

翌朝は8:30から朝ヨガをして、朝ごはんは小包に入っていたものたちでいただきます。

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「今日は何するんですか〜?」

まるで旅の出発前のような時間を、みんなで過ごす。それぞれの過ごし方を聞いて、自分はどう過ごそうかな〜と思いを馳せる。そして、いってらっしゃい。また来るね、とお別れした。

時にトラブルもありつつ、ゆるゆると時間を過ごす。グダグタ感も楽しめてしまう。なんでも許される空間。みんながありのままでいられる空間。なんだかとっても、"NINIらしい"ひと時だった。


オンライン飲み会との違い。

正直参加するまでは、オンライン飲み会と何が違うんだろう、と思っていた。あとは、おつまみとお酒が送られてくる「利き酒セミナー」みたいなやつ。でもやっぱり、全然違うなって思った。

1. 朝起きたら、またみんながいる。

オンライン飲み会と違う一つ目のポイントは、夜と朝がつながっていること。おやすみなさいと別れてからはそれぞれの時間を過ごし、また朝に集まる。それだけなのだけど、なんだか一緒の時を過ごしている感覚になった。

2. 迎えてくれる人がいる。送り出してくれる人がいる。

飲み会やセミナーだと、「ファシリテーター」的な人がいる。いわゆる、場を回す人。でも、オンライン宿泊は、あくまでもホストとゲストの関係性。

「ようこそ」「どこからきたんですか?」
「今日は何するんですか?」「いってらっしゃい」

さりげない言葉なのだけど、よく旅先で聞く言葉。これらの言葉が、なんだか旅の追体験をさせてくれている気がした。


「旅」の要素って、どんなものなんだろう。

実際に旅をしなくても、「旅気分」を味わうことはできるのかもしれない。そんな可能性を感じた私は、じゃあ自分はどんな体験をした時に「旅っぽい」と感じるのかを考えてみた。

1. 到着前のワクワク感

私は旅の計画はあまり練らない派だ。それでもやっぱり、道中の電車や新幹線、飛行機やバスの中では、ワクワクする。そこで「旅スイッチ」が入る気がする。

オンライン宿泊では、移動がない。だから他の方法でワクワクを自然と生み出せると良さそうな気がする。今回でいうと、小包もその一つだった。他には例えば、SNSで当日までのカウントダウンをしてくれるとか、旅先のおすすめを教えてくれるとか。「あと3日だよ!どんな服着てく?」とか連絡来たら、ちょっとワクワクしちゃう。「ついに明日だよ!宿に着く前は何する予定?」とか言われたら、なんか特別な1日にしちゃおうかなって、高まっちゃうかもしれない。

2. 違う景色を見られる

いつもとは違う環境の中で時を過ごし、いつもとは違う景色を眺める。非日常を体感できるのが、旅の醍醐味の一つ。

今回のコンテンツの中でも、私がとても好きだったのは部屋のツアー。オンライン宿泊だと、伝える手段は「画面」だけ。それでもやっぱり、「景色」を見させてくれることは、ワクワクするんだなって感じた。

他にも鴨川さんぽに同行できるオプションツアーがあったら参加したいし、夜は鴨川の写真を眺めながら、部屋を暗くして語り合うとか、ワクワクする。わたしが鴨川好きなだけかもしれないけど。笑

あとは、「今からパン屋さんにいきまーす!」ってツアーしてくれて、そこで「はい!今買いました!ほら届いてますよね?小包開けてみて〜!」なんて言われても、ちょっとワクワクしちゃいそう。わたしが単純なだけかもしれないけど。笑

3. 1日の振り返りと、1日の意気込みを考える

旅先でよく聞かれること。

「今回は何しに来たんですか?」「今日は何しました?」
「明日は何するんですか?」

ただの日曜日を過ごそうかと思っていたけれど、何かせっかくだから新しいことやってみようかな、なんて気分になった。日常に突然現れた非日常な時間が、私の脳みそを刺激した。


4. ゆったりとした会話

ゲストハウスやホステルの泊まるとき、もちろん安いからという理由で泊まることもあるけれど、やっぱり、「人と話したいから」選ぶことの方が多い。何か話したいことがあるわけではない。でも、何かを話したい。

そんな気分だからか、旅で出会った人たちとは、なんだかすぐに打ち解ける。いつの間にか人生について語ってみたり、ちょっと深い話ができちゃったりもする。これも旅の醍醐味だったりする。

今回のオンライン宿泊の中でも、そんな会話がところどころ生まれてた。全国各地から集まってきて、またそれぞれの場所に戻っていく。もう会えないかもしれないけれど、また会えたらいいなって気持ちで、お別れをする。なんだか、旅っぽかった。



わたしが「旅」をする理由。

「旅に行きたい」ってどういう時に思うのだろう。
知らない景色を見たい、美味しいものを食べたいから、ここへ行きたい。
非日常の中で、ゆっくりする時間がほしいから、どこかへ行きたい。
あの人に会いたいから、あそこへ行きたい。
どこでもいい、好きな人と一緒にどこかへ行きたい。
色んな理由がある気がする。

オンライン宿泊に参加する理由も、人によって様々だと思う。でも、オンライン宿泊には、たくさんの可能性がある。わたしは今回、NINIのふたりに会いたいから、参加した。でも今度は、知らない景色を見るために、非日常を感じるために、日常にちょっとしたスパイスを加えるために、参加してみたいと思う。


つらいことを辛いと抱え込むこともできる。でも、どんなときも、楽しみを見つけることはできる.

NINIの皆さんから、そんな元気をもらった2日間でした。ありがとう。いってきます!


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2020.06.01 追記

今日の朝ごはん、昨日のあまりを食べた。
ちょっと、旅の延長を感じた。

日常へのおみやげを残せると、ちょっと日常が楽しくなる。

それもまた、旅の好きなところなのかもしれない。

いつもありがとうございます。いただいたご支援は大切に次につなげていきます。これからも誰もがぽかぽかした日々を過ごせますように。