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音楽の「ウラシャ形フレーズ」についてもっと詳しく説明します

ウラシャ形フレーズについての簡単な説明は↓このリンク先のページでも行っていますのでまずそちらを御覧ください。


最初に簡単にウラシャの仕組みを説明しておきます

まず次の譜例のような簡単な「裏を取る形」を考えます。

まず4/4拍子の小節を、前半後半が強拍と弱拍に分かれている2/2として考え、弱拍から始まって強拍へ繋がるメロディーを考えます。このとき、このメロディーが1つ目の小節を基準にして遅れた位置にあると感じる場合が「裏を取る形」となります。

(2つ目の小節からの先行する部分として感じる場合にはアナクルーシスや斜拍子として解釈していることになります。)

この「裏を取る形」は、3拍目と次の小節の1拍目をつないでいます。

このそれぞれにアナクルーシスをつけると、例えば次のようになって2つの動きに分裂します。これが「ウラシャ」と私が呼ぶ形です。

しかしそれでも「裏を取る形」の感覚は骨格として残っています。

この緑色の矢印は、さらにアナクルーシスを付けることで、もっと細かい動きに分裂させることができます。

さらに細かいレベル。

ただし次の例のように、メロディーの動きなどによっては、ウラシャの形にならずに、裏を取る形にアナクルーシスが付いた、と解釈される場合も生じます。

次の動画でここまでの説明で用いた譜例を聴いてみて下さい。


クラシック音楽での実例

ウラシャの形が連続する箇所をいくつか挙げていきます。まず悲愴ソナタの第1楽章から。


ベートーヴェンのピアノソナタ4番

ショパンの練習曲25-9

ショパン練習曲10-4

次はショパンの「別れの曲」からの例。ウラシャの基本形は4つの音からなりますが、二段階でウラシャを作ると8音、三段階では16音からなることになります。それぞれ「ウラ複シャ」「ウラ複々シャ」と呼ぶことにします。


シンコペーションとの関係

ウラシャは次の図のように「枠」の関係として理解することができます。

ウラシャのそれぞれの太い枠を1つの音符で埋めるとシンコペーションになります。

次の例はベートーヴェンのクロイツェル・ソナタの1楽章から、第2主題の始まる直前の部分です。第73小節でヴァイオリンが長いシンコペーションを出していますが、ピアノの伴奏を見ればそれがウラシャの枠全体と一致することが明らかとなります。

次の例はベートーヴェンのピアノソナタ5番から。




ここから下はできるだけたくさんの実例を挙げていきます






カテゴリー:音楽理論

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