【ヒットの公式】30万部超の大ヒットお料理本が生まれるまで(前編)
短期集中連載でお届けしている『ヒットの公式』、早くも第4回となりました。今回からは、30万部超の大ヒット作となった料理本のお話をしようと思います。私の『ヒットの公式』が明確になったきっかけの本です。
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編集脳アカデミーの藤岡信代です。
電子書籍出版サポートとコンテンツビジネスのコンサルティングを行っています。
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1~3回を見逃したという方は、こちら。
■ドル箱シリーズの起死回生を狙え!
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その本のタイトルは、『人気の100円おかず431』です。
100円おかず? 節約レシピ本?
そうなんです(笑)。
なんとも華のない、というか、所帯じみたタイトルの料理本が、30万部を超え、10年近く売れ続けました。ロング&ベストセラーですね。
まだリーマンショックの前でしたが、節約レシピ本はとても人気のあるジャンルでした。
この本の背景を少しだけお伝えしますと、A4サイズに近い大判で160ページ。それなのに、価格は800円台と、かなりお得なシリーズで、なんと初版は8万部!(今ではありえませんね)。
実は、当時のドル箱シリーズでした。
けれども、だんだんと売上げが伸び悩むようになり……、
鉄板テーマの「100円おかず」で、売上げ回復を!
という編集長からの指令だったわけです。
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■100円おかずを作りたい人って??主婦経験のない私が考えたこと
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本に掲載するレシピは、素晴らしいものが潤沢に揃っていました。
けれども、私は一度も主婦雑誌の経験がない。門外漢のインテリア雑誌編集者です。
その上、主婦経験もない。
当時は結婚していましたが、夕食を作るのは週に1回あるかどうか。
完全な“男性サラリーマン”のライフスタイルだったのです(汗)。
でも、たった一つ、救いがありました。
私の夫は、主婦雑誌の編集経験があり(同業者でした)、結構、お料理好きで、いわゆる「おかずレシピ本」を見ながら料理を作っていたのです。家にある材料からレシピ本を調べ、献立を考えていました(いま思うとすごいですね、男性なのに。元夫、偉い!)。
「100円おかずのレシピ本を読む人は、
家にある材料から献立を考える人!」
夫を見ていて、「その本が欲しい!」と思う人のイメージが、浮かんできたのです。
さらに、出てきたイメージは、
・毎日の献立を考えるのがめんどう
・子どもに喜んで食べて欲しい
・栄養バランスも一応、考えたい
毎日、毎日、続くごはんづくりにちょっぴり疲れながらも、家族に喜んでほしいから、献立のアイディアを探している愛情あふれるママの姿でした。
ママがちょっと疲れているときに手に取る、お助けレシピ本をつくろう!
“おしゃれな料理”や“映える料理”は目指さない!
「あ~、今日も献立が決まった~、助かった~~!!」と言ってもらえるレシピ本を作ることにしました。
そして、もう一つ、このヒット本が生まれた大事なきっかけがあります。
私が売れる本づくりのノウハウを学んだ、ある本との出合い。
その当時、社内でもいちばんの利益を出していたレシピ本。
次回は、その伝説のレシピ本から学んだことを書いてみたいと思います♪