校正ゲラと赤ペン
こんにちは。
今日は校正ゲラと赤ペンのお話です。
これから編集者や校正者になろうと考えている方の参考になれば幸いです。
※以下はあくまでこの記事を書いた編集者の意見・考えです。
校正ゲラ
校正ゲラを出力するとき,基本的に実寸で出します。
縮小はしません。
校正では細かな部分のサイズをチェックすることも観点に含まれているためです。
また,文字の級数や行送りなどを確認する際に,級数表や歯送り表をゲラにあててチェックします。
そのときに実寸でないと,正確なチェックができません。
赤字がたくさん入りそうなときは,用紙設定を実寸よりも一回り大きいものにして出力します。
そうすることで,余白に赤字をきれいに書くことができ,ゲラ自体がすっきり見やすくなります。
ゲラを見やすく,というのは,朱入れする作業者が一番心がけないといけないことです。
その赤字を見て修正する次の作業者(組版オペレーター)に,確実に直してもらうためです。
殴り書きのような赤字は言語道断ですが,文字が異様に小さかったり,ほかの赤字に埋もれてしまったりすることのないように気をつけています。
赤字の場所と引き出し線
組版オペレーターが見やすいゲラとはどのようなものでしょうか。
次の赤字を見てください。
文字自体は汚くないですが,赤字の場所がとっちらかっているように見えます。
組版オペレーターがこのゲラを見てデータ修正するとき,運ぶ目線の動きがランダムになってしまい,結果的に赤字を見落とす可能性があります。
目線の動きをまとめて,なるべく一方向に。
そのように朱入れすると,同じ赤字でも次のようになります。
ポイントは
・余白をうまく使うこと
・上から下に目線を誘導すること
・引き出し線に定規を使うこと
です。
赤ペン
赤ペンは好みがわかれるところです。
私はサラサを使っています。
次の4種類を試してみました。
この4つ,比べてみるとこんなかんじです。
スキャンした画質がよくないので,実際のゲラの色とは少し異なりますが,それぞれインクの種類が違うのがよくわかります。
これで実際に赤字ゲラを作ってみると,こんなかんじです↓↓
いかがでしょうか。
現物はもっと違いが顕著ですが,サラサに比べるとフリクションがかなり埋もれる印象です。
ただしフリクションのよいところは,何といっても消せるところ。
これはこれで,重宝する場面があります。
複数の赤字を集約するときや,クライアント様に提案として赤字を見せるとき。
こういうときは,フリクションを使います。
そして本チャンのゲラ,いわゆる正ゲラには気合を入れてサラサで朱入れします。
書き損じた場合は,修正テープです。
アスクルの修正テープは非常に優秀で,1ミリ単位の細かな線まで消せるので,どんなに派手に書き損じても,きれいに消せます。(そして上から再び書けます)
あれこれ書きましたが,上記はあくまで個人の意見です。
実際にはそれぞれ編集者によって独自のノウハウやアイテムがありますよね。
みなさんはどんな赤ペンを使っていますか?
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