【読後のつぶやき】編集館の中の人|『ある行旅死亡人の物語』武田惇志・伊藤亜衣(毎日新聞出版)
…人は誰しもいずれ死ぬ。
いや、自分もいずれ死ぬのだ。
世の中に名を残す残さないを問わず、人それぞれに生きた足跡があり物語がある。
人それぞれの物語は、映画や小説の中にだけあるのではない。
官報という、味気なさ最たる”読み物”の中でさえ、それに立ち止まり読み解けば、気の遠くなるようなそれぞれの人生があるのだ。ふと数行の記事に立ち止まり、膨大な時間をかけ根気よく取材を重ねた著者である記者2名に感服する。と同時に「名も無い数行の記事」にさえその行間から人生と人々が確かに繋がってい