覆面先輩ライターに聞いた!お金がもらえる文章を書くために必要なこと(2)
某社の編集者たち(※コルクラボの愉快な仲間たち)が会社の垣根を超えて活動する「覆面編集者プロジェクト」では、作家志望者の方に役立つ情報を定期的にお届けします!
今回のお題は「覆面先輩ライターに聞いた!お金がもらえる文章を書くために必要なこと」第2弾です!ライターの仕事は小説を書く、ということにも役に立つかも?の核心に迫ります。
第1弾はこちら。
書けば書くほど営業活動になる
新人SM:「ネタ」を見つけて記事にするまでを第1弾で教えていただきました。第2弾では活動の場の広げ方について、お話を伺えればと思います。
先輩N:はい、よろしくお願いします。
新人SM:第1弾でお伺いした話に戻るのですが、コンテストに応募されて、その受賞をきっかけに、まず某大手人気WEBサイトでお仕事が決まったという話をお伺いしました。今はあちこちの媒体で書かれていると思いますが、どのように、活躍の場は広がっていきましたか?
先輩N:書いた記事がきっかけで、また新しい媒体から声をかけてもらう、という感じでしょうか。書けば書くほど、仕事を呼ぶことに繋がっています。「いつも読ませてもらっているのですが~」という感じで。ただ、もちろんこれは署名付きの記事が前提です。読まれれば読まれるほど書き手の名前も広まるので、夢があるしモチベーションにつながりますよね。テーマが専門的であれば、テレビやラジオ、新聞などからの取材依頼が来ることもありますよ。
新人SM:わー夢がありますね!いつか取材、受けてみたいです!
先輩N:あと、サイトによって当然読者層は違うので、自分のブログで書いているだけだったら到底届かないはずの人に知ってもらえることはありがたいですね。ブログだったらほぼポジティブな反応しかもらわないけど、ほかのサイトだとネガティブな反応もあるんですよ。サイトに期待したものと私が書いた記事が違ったんでしょうね。それを受けて、「そうか、こういう考えもあるのか、こう書けばいいのか」という勉強になります。たまに落ち込みますけど。
「仕事」は自分で作っていくもの
新人SM:新しい仕事を依頼される時、こういうテーマで書いてください、と依頼されるのですか?
先輩N:自分からネタを出すことが9割くらいです。もちろん、そのまま通ることもあれば、編集者と相談して全然違うものになることもありますが。
新人SM :それはすごい!私は半々くらいでしょうか。Nさんは書かれている本数も多いのに、ネタ出しもそんなにされてるなんて尊敬です!
先輩N:いえいえ、海外を拠点に活動しているという状況が大きいです。日本国内なら編集者からもネタを出せるのでしょうけど、文化や習慣が違いすぎてまずピンポイントでは出せないはずです。以前、沖縄に旅行へ行くときに取材するつもりでネタを考えたけど全然出なかったですもん。それと同じ。
新人SM:なるほど。ちなみにネタが採用される確率はどれくらいなのですか?
先輩N:それは本当に媒体によりますね。最初はなかなか通らなかったけど、今ではほぼすべて通してくれるところもあるし、コンスタントに6割くらい、中には3割以下という媒体もあります。繰り返すうちに、採用されるネタの感覚が掴めてくる媒体もあれば、いまだにそれが掴めない媒体もあります。
新人SM:そうなのですね!ちなみに先日Nさんがタイムリーな時事ネタを某大手ニュースサイトに寄稿されているのを見かけまして、ああ、すごく信頼関係を築いてお仕事されてるんだなと感じました。デリケートなネタなのに。
先輩N:はい、ありがたいことです。
ライターの仕事は作家志望者にもためになる
新人SM:この「覆面編集者プロジェクト」は作家志望者の方にフォローいただくことが多いのですが、小説を書く、ということにもライターの仕事は役にたちそうですか?
先輩N:本来小説も同じだと思うのですが、志望者の方に向けてという意味では、「とりあえず書いてみる」ことが出来るという点で経験は活きると思います。ライターというより、「締切のある書き仕事」ってことなのかな、締切がなければ延々に考えてそうじゃないですか。あとは、編集者からのフィードバックによって培われる客観的な読まれやすさや、媒体やテーマの書き分けなども器用さが身に付くと思います。むしろ、お金を稼ぎながら勉強が出来るのだから、ライターであれ何であれ書き仕事からはじめるべきだと思っています。
新人SM:私はタイトルのキャッチのつけ方などが直されることが多くて、そこで勉強させてもらっています。
先輩N:WEBは無料コンテンツが多く、お金を払ったという縛りのある有料コンテンツに比べて、読者の意識が少しでも離れたら、すぐにほかのサイトや記事、あるいはWEBの外に行かれてしまいやすいですよね。なので、少しでも多くの人に次へ次へと読まれやすくする、食いついたら離さない文章を目指したいと思っています。小説ではもっと長い仕掛けが必要なんでしょうけど、その噛みつき力っていうのか、いつでも出せるようにしておけば強力ですよね。
新人SM:確かにそうですね。
先輩N:ただ、書き手の文章の個性に関してはブログを自由に書き続けている方が伸びるかなというのはあります。媒体に合わせる時点でいくらかそこを犠牲にしないといけないし、家と会社では性格が微妙に変わることと同じです。
ライターにはどうやったらなれる?
新人SM:最後にNさんのようになりたい!と思っているライター志望者の方にアドバイスがあれば教えてください。
先輩N:いるんですか(笑)?ライターでも小説でも、大前提として、自分の文章を面白いと思っているかですよね。プロでもないのに「これって面白いかな?」と迷いがあるうちは、きっと面白くないと思います。そう思えるようになるまでは、友人知人に読んでもらってたくさん感想をもらうべきです。
新人SM:友人知人ですか!
先輩N:はい、仮想の編集者になってもらうということです。あと見知らぬ人にきついコメントをもらうのと、友人知人にもらうのとではメンタルのダメージが違うので(笑)。後者なら愛があると思えるので、真摯に聞ける。でも、読み慣れていない人にお願いしたところでズレたコメントをもらうかもしれないので、自分が目指すライターやサイトが好きな人を探した方がいいです。
新人SM:確かに。
先輩N:そうして自分の文章が面白いと思えるようになったら、自分が書きたいと思っている媒体に応募したり、コンテストに参加したり、ですね。
新人SM:Nさんのようにですね!
先輩N:そんなに知らなかったけど…コンテストという意味では、はい(笑)それで駄目なら、また最初に戻って友人知人に感想をもらっての繰り返し。
新人SM:千里の道も一歩から、ですね。
先輩N:はい。今になって振り返れば、自分も高校生の時にメルマガを始めたり、学生の時にコピーライターの講座を受けたり色々していたので、あれが一歩目だったんでしょうね。
新人SM:そんなに早くからやられてたんですね。Nさんの活躍の源が分かった気がします。本日はお時間をいただきありがとうございました!
●文責
覆面編集者プロジェクト
公式noteページ
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※「コルクラボ」についてはこちらをご参照ください。https://lab.corkagency.com/about
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