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あなたにとって理想の編集者とは?

とある出版社に入社して半年経ち、理想と現実の差が見えてきました。
そのギャップに苦しんで、このnoteが始まっているわけです。

最初に書くべきでしたが、ここらで一発理想の編集者像を掲げ、それに向けて邁進していく気分を醸成していこうと思います。

ちなみに表題の「あなた」とは、わたしのことです。自分に対する問いかけです。
では、どうぞ。

なぜ編集者になりたいと思ったのか。


簡潔に答えれば、自分が世に名を残すにはそれしかないから、です。
他にも、仕事をする上で本を作ること以外楽しいと思えないだろうという推測から、とか、常に新しいことをし続けたいから、などの理由もありますが、1番大きな理由は名を残すことな気がします。


私には敬愛している人物が二人います。
一人が『NARUTO』の作者、岸本斉史先生。
もう一人が、ロックバンド[Alexandros]の川上洋平さんです。

敬愛に至る細かい経緯や理由は省くとして、お二人に共通しているのが「表現者」であり、そしてその名を世に轟かせていることです。

そんな一流アーティストに熱中してしまった少年だったので、当然の如く私も将来の夢は表現者になることでした。
表現者になって後世にまで自分の名を残したいと強く思いました。
でも絵も描けない、音楽もできない。そうなると、残されていたのが文章を書くことでした。

実は私は小説家になりたかったんです。
(こういう編集者結構いますよね。)

でも無理でした。
一応大学生の間に芽が出れば小説家として生きていこうと、甘ったれたことを考えていましたが、大半の時間を恋愛に費やした私は、結局一本まるまる書き上げることもできず、賞に何度か応募しても音沙汰なかったので、いつの間にか小説家への熱は冷めていきました。
今でもいつかはなりたいとは思っていますが。

自分は本当に『山月記』の李徴のようなやつだなと思います。何もかもが中途半端で。
特に大きく成功した経験がないので、虎を飼うほどの精神性でもないのが不幸中の幸いですね。

そんなこんなで、表現者への憧れを持ちつつ、もう一つ視野に入れていたのが、漫画編集者でした。
魂を込めて、或いは削って漫画を描く作家さんと切磋琢磨することができる唯一の職業である漫画編集者には強い関心がありました。
担当作が売れれば編集者の名前も広まりますし。

このように、小説家と漫画編集者の二軸を高校生の時に掲げ、消去法で出版就活を選び、晴れて漫画編集者ではない書籍編集者になったわけです。

憧れたアーティストと同じように後世に名を残せる方法を凡人なりに探した結果、編集者という答えを見つけた。
それが編集者になりたいと思った1番大きな理由だと思います。

ただ、正直のところ、何故なりたいと思ったのかあまり覚えてないんですよね。


どんな編集者になりたいのか。理想な編集者とは。

細かく分ければいくつかありますが、大きく言えばこの一言に尽きると思います。

めちゃくちゃ売れる本を作れる編集者、です。

具体的に言えば100万部。単行本でもシリーズでもなんでもいいので、とりあえず担当した書籍が100万部売れたら、それ以上編集者としてやりたいことはないかな、という感じです。

noteにいるみなさんは、多くの方が本に少なからず関係や興味がある方でしょうからご存知だと思いますが、100万部ってエグいですよね。
思わず若者言葉が出てしまうくらいやばいですよね。

私が愛しているジャンプの漫画とか、その他有名な漫画雑誌発の漫画だと100万部を超える漫画をポンポンだしてくるから凄みが薄れますが、書籍なら1万部売れたら割と良い成績なのではないかと思います。

弊社の場合、初版で1万刷るものは、ジャンルにもよりますが、滅多にない気がします。
多くても6000〜8000くらいなので、100万に到達するには何回重版するんだと、目が回るくらいの数字です。

書籍編集でいる限り、よほどのことがないと越えられない壁だからこそ、100万部を社会人人生の目標にしています。

人としても会社としてもよくないですが、堅実に売れる本にはあまり興味がありません。
5000部売れる本を10冊作るより、5万部売れる本を1冊作りたい、みたいな、そんな考え方です。

社会人になって、3年後の目標、5年後の目標、10年後の目標みたいなものを聞かれた気がします(自分で考えただけかもしれない)。
さすがの私でも、いきなり100万部を超えるようなシリーズを立ち上げられるとは思っていません。
そんな能力があるなら、集英社や講談社や小学館に才能を見抜かれて、採用されているはず。

だから私は以下の目標を立てています。

5年目までに10万部売れる本を作る。

これもかなり壮大な夢であるということはわかっています。
そんな本を作れている編集者が世にどのくらいいるのか、というくらいと思われます。

でもこのくらいはかましたい。
このくらいやらないと、楽しくないし、自分の理想の編集者には程遠い。
努力の仕方がわからないけれど、自分なりに努力しまくりたいと思います。


1年後のこと

現在私が勤めている出版社はかなり保守的です(政治思想ではなく、会社の体制として)。
ですから新しい物好き、とりあえずやってみたい派閥の私とは馬が合わない可能性が高いんですよね。

でも新しいジャンルにチャレンジすること自体には積極的な会社であると信じています。旧来のものだけでは10年後20年後に会社が存続しているか怪しいですし。

ですから、私も新人として無邪気なふりをしてさまざまな提案をしていきたいと思っています。


ちなみに、上半期で企画が一個通りまして、既に自分の企画を進行させたりもしています。
一回重版がかかれば一万部には到達できそう(?)かもしれないので、売れている本についてさらに研究して、自分の担当企画が売れるように頑張りたいと思います。

とりあえず1年後の目標は、1万部を超す、です。

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