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「旅する編集学校」から始まった1年間を振り返る

まっくすさんこと、まちとしごと総合研究所の東信史さんに誘われて、「旅する編集学校」を開いたのはちょうど1年前。フォトグラファーのそのちゃんこと、其田有輝也さんと一緒に「旅先のまちで暮らす人にお話を聞いて記事を仕上げる」というプログラムをつくりました。

そのとき、まっくすさんがつくってくれた動画。

「旅する編集学校」の目標は、「旅先で仕事しながら生きていく、プロのライター/フォトグラファーになる基本を学ぶ」こと。私が担当したライターチームでは、インタビューの基本、記事執筆の基本、取材企画のつくりかた、取材申込のやり方などを2回の講座で体験。一泊二日の取材旅行で、自ら企画したインタビューを行い、1200字以上の記事を書き上げてもらいました。

それが呼び水になり、始まったのが日本クリニクラウン協会さんとの「つながる編集教室」(タケダ NPO サポートプログラム)。こちらは「日本クリニクラウン協会の活動を書くことで応援するライターボランティアを育てる」ことが目的でした(写真:日本クリニクラウン協会撮影)。

日本クリニクラウン協会さんとは、greenz.jpで記事を書いたことからご縁がありました。記事から新しい関係が始まるのはいつもうれしい。

「つながる編集教室」は、初級編と上級編を各3回構成で実施しました。初級編は、クリニクラウンさんへのインタビュー記事を執筆。上級編では「日本クリニクラウン協会の課題の洗い出し」から始まる編集会議を行い、それぞれの興味・関心や専門分野を活かした記事を企画しました。

みんなの記事は「クリニクラウン・ジャーナル」というウェブメディアで発信される予定。また、「つながる編集教室」卒業生による編集部も発足しています。先日、一回目の打ち合わせに参加したのですが、もはや私がいなくてもどんどん記事が生まれそうな雰囲気です。

講座から自走可能な編集部を生み出すなんて!最初は「ほんとにできるのかな?」と不安もありました。でも、日本クリニクラウン協会の熊谷さんと林さん、伴走してくださった大阪ボランティア協会の梅田さんと、何度も顔を合わせるなかで、「できるかも?」と思わせてもらえたというか。

ライターとして生きることの、新しい可能性を教えてもらった気がします。
(写真:日本クリニクラウン協会撮影)

そして昨秋、再びまっくすさんから「みんなごと宣伝部」のお話をいただきました。

主催は京都市。企画はまちしごと総合研究所。“みんなごと”のまちづくり推進事業の取組提案者を対象に、「Facebook等での情報発信に必要な文章の作成方法や写真の撮影方法等を学んでいただく講座」と書いてあるのに、まっくすさんは細かいことを言わないで、わたしに内容を一任してくれました。

もちろん、「情報発信に必要な文章の作成方法」を教える講座もできなくはない。でも、せっかく「みんなごとのまちづくり」をする人が集まっているんだもの。「お互いの活動を聞き合って、記事として贈り合う」ほうがいいなーと思い、やっぱりインタビューからの記事執筆の講座にしました。

「自分の活動を言葉にして伝える」ポイントなら、インタビュー記事を添削する過程で、教えることができると思ったから(写真:東信史さん撮影)。

12人の参加者が、お互いの活動について話を聞いて、その背景にある思いに触れて共感して、応援したいという気持ちを大事にしながら記事をつくる。そして、最終日にはその記事を朗読で発表。3日間をかけて、みんながみんなの活動のことを知って、お互いに「もっと知ってもらいたい」という気持ちが育っていく。

まっくすさんは、Facebookに「仲間と出会い、仲間の想いを伝える12の記事」と書いてくれたけれど、本当の意味で「“みんなごと”宣伝部」になったんじゃないかなと思っています(写真:東信史さん撮影)。

去年、まっくすさんに声をかけられて乗った「編集学校」という船で航海に出て、一年をかけて母港に戻ったような気持ちもあります。

講座に来てくれる人たちがインタビューをしているときの表情、ほんとうにすてきだなあと思ったり。書いた記事を朗読してもらったとき、聞いている人たちの間に広がるあたたかさ。みんなが目を潤ませたり、笑ったりする姿を見て、自分のなかの読者さんたちのイメージが見えてきたり。

インタビューをする、記事を書くという仕事の、原景をなぞっている気持ちだったのかもしれません。幸福な時間を共にさせてもらいました。

まぎれもなく、そのきっかけをくれたのはまっくすさんだから、ちょうど一年後にもう一度一緒に場をつくれて本当にうれしかった。しかも、「旅する編集学校」を機にライターとして活動をはじめた、みかむちゃんこと三上由香利さんがスタッフに入ってくれていて。そういうの、ほんとにもう、ね。

そうそう。「旅する編集学校」に参加したみんなは、終ってからいろんなはじまりと転機があったらしい。終わりと同時に、それぞれの新しい旅が始まるような場をつくれていたのなら、これほどうれしいことはないです。

私に、そんな場を開くチャンスをくれたすべての人たち、参加してくれたみなさん、本当にありがとう。私もまた、みんなと一緒になにかをはじめたいなあと思います。

PS
とか書いた後に、その「“みんなごと”編集部」を進めている最中に、まっくすさんがnoteを書いてくれていたことに気づく(笑)。すごい、わたしがやりたかったことが整理されている。書いてもらうって、ありがたい。


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杉本恭子
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