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山下達郎に物申す!【ボイトレ哲学】

突然ですが、
先日公開された山下達郎氏のインタビュー記事はもう読まれたでしょうか?


作品作りにかけるモットーや、お金がない時代の話や、若者たちに対する想いなど、、控えめに言ってとっても面白い記事でした。

揺らがない音楽に対する信念と、普遍的名作を今も作り続けている実力。
私のような、なかなか売れないけど地道に音楽を続けてきたミュージシャンには救いにもなるような言葉もたくさん書いてある良記事でした✨
まじリスペクト卍卍



大尊敬の上で、物申したい箇所がございました。
記事4ページ目「ボイストレーニングはしない」というトピックについてです。

山下達郎氏はボイストレーニングに対してこう述べています。

「ボイストレーニングはあまり信用してないです。個性をなくすから。」

これについて私は「う〜ん」と複雑な気持ちになりました。
なぜなら言っていることもわかるのです。
歌う人にとってボイストレーナーの存在は大きいのです。良くも悪くも。

まず第一に、
レッスンで主にJーPOPを扱う先生で「この歌いかたはダメよ!もっとこうしなさい!」と言う人はもう今の時代ほぼほぼいないんじゃないかなぁと思います。
令和はさまざまな個性が認められる多様性な時代なので。

しかし、そこまで「こうしなさい!」という強制的な指導が無かったにせよ、教えてくれる人の影響は少なからず受けるでしょう。
教えてくれる人の好みや癖は無意識に伝染してきます。
発声法の宗派や考え方もボイストレーナーそれぞれです。

私もボイストレーナーをしていて
「先生のおかげでこんなに歌えるようになりました!」
「先生のおかげで音楽の楽しさがわかりました!」
と言ってもらえることも多いのですが、めちゃめちゃ嬉しい反面、
(確かに私の教え方でここまでうまくなったけど、他の先生に習っていたらもっとうまくなっていたのかな?違う未来があったのかな?)と考えてしまうことがあります。

自分のおかげで、なのか、
自分のせいで、なのか。

まぁ考えた所で答えはないですし、
影響を受けるのは何もボイストレーナー相手にだけじゃありません。
その時ハマった音楽や、付き合っている恋人の好み、
生活スタイルなどによって、音楽に対するアンテナは日々変化すると思います。


私を慕ってくれてお金を落としてくれる生徒さんに私ができることは、後悔ではなく新しい情報提供。それしかないのです。


【私の結論】
確かに教わるボイストレーナーに影響は少なからず受けるだろう。
でもそれってバンドメンバーやマネージャー、プロデューサーに対しても言えることじゃね?
よって、ボイストレーニング=個性をなくす
と断言するのはいかがなものか、と思ってしまいました。

発声法を学ぶことは新しい選択肢を増やすことで、それで消えてしまう個性なんてそもそも大したことなかったんじゃ?とも思ったり…!



また山下達郎氏はこうも言っています。

「〜僕らはマイクに乗っける声なので、しゃがれ声でもとっちゃん坊やでも、それも個性になる。

そう、POPSやROCKは基本的にマイクを使います。
なので必ずしも声量が必要ということはありません。
マイクに声を入れれさえすれば何の問題もありません。

ただ、ただね。
そのマイクに声を拾わすってことが意外と難しいのです。

ここでは声量ではなく、
声の密度が関係してきます。

声の密度がスカスカだと、なかなかマイクに乗らない。
がむしゃらに大声で怒鳴ればそれはそれで音割れ。
案外コツがいるのです。


声の密度を自由自在に操るためには微妙な息遣いや、
唇や舌の細かな動きが重要になってきます。

山下達郎氏にボイストレーニングが不要なのは長年歌っているからこその、歌うための筋肉がちゃんとあるからなんですよね。

常にレコーディングのノウハウを模索しているそうなので、
それはすなわちどう歌ったら格好良い声になるか、求めている音色になるかずっと探求し続けている方だからなのです。

歌うことの体力について山下達郎氏もこう述べています。

人間が肉体的にどこまでやれるかという観点では、歌うことはそれほど長く続けられない場合が多い。だから音楽文化は、比較的若い文化として享受されている。サッカーと同じで、年を重ねて声をちゃんとキープするのは容易でない。還暦過ぎてどれだけ声を出せるかは、運不運でしかない要素も多い」

普段歌っていない人にマイクを渡しても急に納得のいく歌は歌えません。
しかし恐るべきことに未経験でも感性で歌えちゃう人もいます。(天才型!)
ではその天才はライブの30分〜1時間をバテずに歌えるでしょうか?
レコーディングに要する最低1時間〜6時間ほど集中は続くでしょうか?


素質がある人でもいきなりだとちょっとキツそうですよね😲



自分の中に創りたい音色や歌、届けたい想いがあって
それをイメージ通りアウトプット出来ずに悶々している人はたくさんいるのではないでしょうか。


自分のイメージ通りの声に近づけるためには、自分の身体をよく知り、使いこなす必要があります。

放っておくと人間の体力は衰えていきます。
歌うための体力も同じです。

歌うために必要な筋肉や、動かし方を学ぶことで
あなたのやりたいことが声に、形に出来る可能性がグンと上がります。

私たちボイストレーナーの役割はそのお手伝いだと思っています。



もちろん山下達郎氏のように自己鍛錬を惜しまず、
自分のやりたいイメージが明確にある方にはボイストレーニングは必要ないでしょう😊



でももしあなたが1人で悶々と悩んで立ち往生しているなら、
ボイストレーニングはきっとあなたの味方、自信になることが出来るでしょう✨


最後に、
私は山下達郎の音楽が大好きです。
休みの日にご飯食べながらレコードで聴くとさらに最高でございます😆


本日も最後までお読み頂きありがとうございました!

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