現場での思いを、形にしていく。医事・SEの経歴を持つドメインエキスパートの仕事|エンジニアインタビュー
株式会社ヘンリーは、「社会課題を解決し続け、より良いセカイを創る」というMissionのもと、クリニック・中小病院向けの基幹システムであるクラウド型電子カルテ・レセプトシステム「Henry」を開発・展開しています。
今回お話を伺ったのは、ドメインエキスパートとしての役割やカスタマーサポート業務などの立場で「Henry」の開発業務に携わる小貫陽介さんです。医療事務・エンジニアのバックグラウンドを持ち、現在はその経験をいかしながら、幅広い業務に取り組んでおられます。
これまでの経験の中で感じてきた課題や、今のお仕事にいかされていることなど、小貫さんならではの目線で見たシステム開発のお仕事について、お話を伺いました。
医事からエンジニア、そしてまた医療ドメインへ
─ 小貫さんが現在ヘンリーでされているお仕事と、これまでの経歴について教えてください。
ヘンリーでの仕事はドメインエキスパートとしての立ち位置をメインに、カスタマーサポートや医療機関への新規導入作業の手伝いなどもしています。もともと医療事務の仕事をしていたので、その経験をいかして幅広くやっている“何でも屋”みたいなところがありますね。
新卒で入社したのが医療機関で、病院の医事課に勤めていました。その傍らでプログラムをちょっと書いた経験から、Web系サービスの開発企業にエンジニアとして転職。その時に医療事務のアルバイトを探していてヘンリーと出会い、副業として関わったあと正社員として転職し、今に至ります。
─ 医療事務のお仕事の傍ら、プログラムを書いておられたのですね。それはなぜですか?
病院では、手作業や紙での作業だったり、データを相手にする仕事が多かったので、プログラムを活用すればもう少し仕事が楽になるんじゃないかな、と思ったのがきっかけです。プログラミング自体は、大学4年生の時にプログラミング入門の教養授業を半年ほど受けていただけなので、試行錯誤しながらプログラムを書いていました。
そのプログラミングによって手作業でやっていたときよりも効率が上がり、仕事が楽にもなったし正確にもなったんです。それで「ITってすごいな、こっちの世界に行ってみたいな」と思い、エンジニアに転職しました。
─ そこからまた医療の世界に行こうと思ったのはなぜでしょうか?
心機一転、医療とは関係のない業界でエンジニア職を始めたから当然と言えば当然なんですが、病院時代の5年間の経験や知識をいかせていないのはもったいないな、と感じるようになったんです。転職してから人とコミュニケーションを取ることもあまり無くて、もの足りなさも少し感じていました。
病院が懐かしいなという気持ちもあり、副業として医療事務のアルバイトを探していたときに見つけたのが、ヘンリーの求人でした。
医事とSEの経歴があったからこそマッチした
─ ヘンリーとの関わりは複業からスタートされたということですが、当時のお仕事の内容はどういったものでしたか?
内容としては今とそこまで変わらないんですが、現場経験者としての経験を活かしつつシステムを作る上での調査をしたり、使い勝手についてのフィードバックをしたりといったところですね。
─ その後、正社員として入社することになった決め手は何だったのでしょうか?
今までの自分の経験を余すことなくいかせると思ったからです。当時、「他にもエンジニアはいっぱいいるけど、医療とITの掛け算をすると私の価値がより出てくるのでは」といった話を聞いて、その通りだなと感じました。
あともう1点、病院で働いていた時に感じていた不満や課題に対して、医療事務とエンジニアの両面から取り組み、新しく作っていくレセコンや電子カルテといった製品に反映させられるところ。元医療事務としては、やりたいからといってやれるとは限らない貴重な機会ですし、その結果お客様に喜んでいただけるのなら、これほど医療事務・エンジニア冥利に尽きることもありません。そう感じたのも決め手の1つですね。
─ なるほど。小貫さんのそれまでの経歴があったからこそ、ヘンリーにマッチしたという感じなのですね。
そうですね。病院での経験がなければ入ってなかったと思いますし、エンジニアやってなければヘンリーからオファーをもらうことも無かったのではないかと思います。どちらかが欠けていれば、今ここにはいなかったでしょうね。
─ ヘンリーの第一印象はいかがでしたか?
第一印象は、「スタートアップのベンチャーらしくキラキラしているなあ」です(笑)私より若い方もいらっしゃいますが、常に努力されているのだと分かる知識量や言動、佇まいがあります。なので、キラキラしていて遠くにいる人たちというイメージでした。
しばらく関わっていく中で、社員のメンバーが働きやすい環境を重視しているんだなということも伝わってきました。たとえば制度の改善をしていたり、経営に関する情報をオープンにしていて、機会を設けて定期的に話していたり。そういったところにすごく好感を持ちましたね。
─ 働いてみて、印象に変化はありましたか?
キラキラしていて遠くにいるなというのは今もあまり変わらないんですが、実はみんな完璧で無欠な人たちなのではなくて、失敗の経験も少なくないんだと分かりました。失敗してもちゃんと試行錯誤や反省をして、努力や心構えをもって改善のサイクルを回しているからこそ、完璧な人たちに見えたんだなと。そこがヘンリーのすごくいいところです。
もう1つは、雰囲気とか感情ではなく、ちゃんと理屈で仕事をしているところもいいなと思っています。みんなが当たり前のように自分の職掌外の話をよく知っていて、議論をしているのが新鮮で、学ぶ点が多そうだなと入社する前から感じていました。
開発側に立って感じる、面白さと難しさ
─ ヘンリーで働く上で、面白いなと感じるポイントはありますか?
たとえば改善点や課題を感じる部分について話したときに、言い出した人だけでなくみんなで「どうしていこうか」と話し合えるところですかね。物事を改善していく上での環境というか、素地が整っていて、改善のサイクルが回っていくのが面白いなと思います。お客様のところに直接伺って作業したりとか、現場にふれる機会があるのも楽しいですね。
私は病院時代の経験もあって、「ここはこの解決策しかない」と無意識のうちに思っていることがあるんですが、他の医療事務さんやデザイナーの方と話してみたら全然違う優れた解決策が見つけられたりします。それも楽しいですし、自分の世界が広がっていくようで感動しますよ。
─ 医療事務をされていた時はユーザーとして馴染みがあったレセコン・電子カルテ。その開発に携わってみて、ご感想はいかがですか?
開発する側に立って、改めて「あ、病院は難しいんだな」と感じました。医療機関の規模や診療科、地域によって同じ内容でも答えが変わるので、この場合はこう、と一般化しきれないところが多いんです。そこが難しいですね。
ただ、答えが1つじゃないのは面白さもあります。他の方と相談しているうちに自分の持っていない別解が生まれたりして、それが実際に使用する現場の方から「いいね」と思っていただけるのが、すごく面白いです。もちろん「いいね」とならないこともあるので、難しいところでもあるんですが……。
─ 他にも難しいと感じるポイントはありますか?
社内の開発まわりの会議などで、なぜこの機能が必要なのかあるいはなぜ不要なのか、という自分の意見や考えをメンバーに伝えるのがのがすごく難しくて、現場感覚をうまく言語化できずもどかしさを感じることもあります。でも今は医療現場の経験があるメンバーも増えてきて、みんなでそれぞれ言葉にすることで、そういった点もカバーできているように思います。
─ 前職ではクライアントとのかかわりが無くもの足りないというお話がありましたが、小貫さんは1人で黙々というよりも、コミュニケーションを取りながら働きたいタイプなのでしょうか?
そうかもしれませんね。働くなかで、私はお客様とコンタクトをとる機会はそう頻繁に必要になるわけではないのですが、お話しすると感想やご意見をいただけることもあります。自分たちが作ったものについて感想が聞ける立場というのは、やっぱり幸せだなと思うんですよね。
今の仕事としても、顧客と接点があった方が自分の力もいきてくるのかな、と。なので、かかわりを保ちつつ働く方が良いのかなと思っています。
─ 経歴もいかしながら、コミュニケーションを取りつつシステム開発をしていく。今のヘンリーの環境は、小貫さんによく合っているのかもしれませんね。
そうですね。基本的にはリモートで作業しつつ、顧客との接点も持ちながら幅広く仕事ができているので、今の環境が気に入っています。
ただ、特定の分野を突き詰めていくスペシャリストと、幅広くさまざまな知識を持って活躍するゼネラリスト、どちらの働き方がいいのか、というのはずっと考えています。今はどこか特定の分野に尖っていくというよりも、分野をしぼらず各方面に手を伸ばしていっている感じですかね。
ヘンリーは医療業界に新しい風を吹き込んでいく
─ 今後「こんな人と働けたらいいな」というイメージはありますか?
私は楽しく働くのが大事だと思っていて、そのために場の雰囲気もすごく大切にしたいんですよね。特にリモートだと、対面よりコミュニケーションの取り方が難しい部分もありますし。なので、お互いに尊重しあえる、人を大切にできる方と働きたいですね。
また、ヘンリーはまだまだ成長過程にあるので、地味な作業もたくさんあります。その泥臭さを厭わず、むしろ面白がってみんなで作り上げていく過程を楽しめる方なら、きっと楽しく働けるのではないでしょうか。
元医療事務の私としては、ヘンリーは病院時代に思ったことを形にできる唯一ともいえるところです。医療機関を良くしていきたいという強い思いを持った方とは、ぜひ一緒に働きたいなと思いますね。
─ では最後に、ヘンリーにご興味をお持ちの方へ一言メッセージをお願いします。
医療系のシステムはとても息の長い伝統あるシステムが多くて、時代の変化を乗り切ることが難しいという側面もあります。しかし近年、いよいよ国が力を入れて医療のIT化を進めていく段階になってきているので、これからは医療系ITにも新時代が来るのではないかと思っています。
その中でもヘンリーは、新しい風を吹かせられる企業です。医療業界で新しいことをやって業界を良くしていきたい方は、ぜひ一緒に歩んでいきましょう。お待ちしています!
インタビュー:鶴留彩花
ヘンリーでは、さらなる成長に向けて採用も積極的に行っています。ご興味をお持ちいただけた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。