医療の複雑さは、お客様との対話で乗り越える。より高い価値の提供を目指して|CSインタビュー
株式会社ヘンリーは、「社会課題を解決し続け、より良いセカイを創る」というMissionのもと、クリニック・中小病院向けの基幹システムであるクラウド型電子カルテ・レセプトシステム「Henry」を開発・展開しています。
今回お話を伺ったのは、カスタマーサクセスとしてお客様対応業務全般に携わる大輪謙友さんです。
ヘンリーのCSチームは最前線に立ち、お客様と直接コミュニケーションを取っています。その立場だからこそ感じる医療ドメインの複雑さ・難しさや、そこに立ち向かっていくための心がけについて、お話を伺いました。
社会的意義のある事業は、続いていく
─ まずは大輪さんのご経歴を教えてください。
新卒で入った会社では、通信インフラ周りの仕事をしていました。ちょうど携帯電話事業に参画しようというタイミングだったので、その立ち上げから約12年ほどですね。それから保育SaaS事業やAI開発事業を経験した後、2022年の夏ごろからヘンリーにジョインしました。今はカスタマーサクセスとして働いています。
─ ヘンリー入社の一番の決め手はどこにあったのでしょうか?
社会的意義の大きい課題に真っ向から立ち向かっている、という価値観の一致が一番大きいですかね。私の価値観として、継続していく事業には“社会から必要とされていること”が根本にあると思っているんです。
入社する企業はそういう社会的な必要性というか、意義のある企業がいいなと考えていたので、ヘンリーはとても合っているなと感じました。
─ 社会的な意義が事業の継続には必要である、と感じておられるのは、今までのご経験からですか?
そうですね。これまでに経験してきた携帯電話事業の立ち上げも保育SaaSの立ち上げも、社会的意義のある事業でした。どちらも苦戦はしましたが、社会的意義があるからこそ事業が続いてきたのだ、というのも実感しています。
また、そういった事業のシェアトップクラスの会社の方とお話ししたときに、その方々の社会的課題に対する取り組み方がものすごく紳士的だと感じたんです。やはりこの業界でトップを走る人たちも、社会的課題に対して真剣に取り組んでいるんだな、と。
こうした経験から、事業の継続・拡大には社会的な意義が必要なのだという価値観を持つようになりました。
医療ドメインのCSならではの難しさ
─ 現在ヘンリーでされているお仕事について、具体的に教えてください。
カスタマーサクセスとして働いているのですが、ざっくり言うと、お客様対応全般の業務を担当しています。営業がサービスの契約をしてきたら、最初にキックオフをしてスムーズに導入開始できるようにサポートをしたり、導入後もお問い合わせの対応や定期的なフォローアップをしたり。カスタマーサクセスとカスタマーサポート、どちらの役割も担っている感じですね。
─ 働いてみて、入社前の印象から変化はありましたか?
社会的意義の大きいことに取り組んでいるな、という印象は変化していません。働いてみて思ったのは、Slackベースのコミュニケーションが活発であることと、助け合いの精神がすごいな、ということです。何か困ったときにSlackで呼びかけると、みなさんすぐ集まってきて助けてくださるのが印象的でした。
─ 医療ドメインにおけるカスタマーサクセスならではの特徴はありますか?
ルールや業務の複雑さに付随して、考慮しなければならない物量が他より断然多いのが特徴だと思います。
─ なるほど。では、カスタマーサクセスのお仕事をする中で、ヘンリーならではの特徴はありますか?
ヘンリーならではの特徴は、まさに今我々が作っている途中ですね。1つ挙げるならば、お客様が一番重要視している価値観というか、お客様にとって“真の成功”は何なのか、というのを共通認識として持ちながら進めていこうとしているのが特徴かもしれません。
医療ドメインのシステムはすごく複雑で機能が多いので、お客様の要望もたくさん出てきます。でもその要望に対して、言われるがままに応えていくのが“真の成功”であるとは限りません。物量が多いので、そもそもすべてに応えるのは不可能に近いんです。
例えばお客様の真のペインが「診療スピードを上げたい」だとして、全体の流れとして先生の診察のところが滞っているとしたら、優先的に解消すべき箇所は、いかに先生の診察を円滑にするか、になります。一方お客様目線で言えば少しでも業務改善したいと考えるのは当然なので、会計時などの比較的余裕のある場面でのご要望なども診察時と同様にいただきます。そこを我々としては全体感とその改善すべき箇所をご説明して、まずはクリティカルなポイントである診察時を優先して改善しましょうとご提案して進めるなどが役割となります。
「お客様にとっての成功を見据えながら動く」というのは、言葉にすると簡単なことかもしれませんが、複雑な医療ドメインでやろうとするとものすごく複雑で難しいんです……。それでもチャレンジしているのが、ヘンリーのカスタマーサクセスの特徴の1つだと思っています。
CSチームは、複雑さにコミュニケーションで立ち向かう
─ 少し視野を広げた質問に移ります。ヘンリーは、医療ドメインの中でどのような立ち位置にいると思いますか?
立ち位置というと難しいですが……いい意味で医療ドメインを俯瞰して見ることができているように思います。社員の中にも、医療ドメイン出身の方もそうでない方もいますので、医療ドメインの外の目線を持っているかな、と。
医療ドメイン外のところでは普通に通用するルールが、医療ドメインには無いこともあるんです。それに気付きやすかったり、うまく適用したりといった動きができるので、この業界におけるゲームチェンジャーとしての素質がある会社なのではないかと感じていますね。
─ 医療現場のワークフローの中で、ヘンリーが作るプロダクトはどのあたりに関わっているのでしょうか。
例えば外来なら患者さんが来て受付をして、診察や検査をして、お会計をして帰る、というのがざっくりしたワークフローです。
この中で電子カルテは、診察・検査の際に作成するカルテ・レセプトの作成や患者登録から会計まで、すべてのフェーズに関わります。つまり、レセコン一体型の電子カルテである「Henry」は、医療現場のワークフローの中心で動くプロダクトなんです。
ただもちろん、我々のプロダクトだけで完結するわけではないので、別の会社さんが造られている予約システムや医療機器などと連携しながら、ワークフローを回していくような役目を担っています。
─ 他のドメインのSaaSと比較して、難しいポイントはありますか?
やはり、複雑な運用フローに尽きるなと思いますね。シンプルに患者さんを診察して終わり、という部分に特化できればいいのですが、診療報酬が絡んでくるとすごく複雑になるんです。
人の命を預かる現場であることの細やかさに、診療報酬制度の複雑さが掛け合わさっているので、現場も複雑になっていく……。そこが医療ドメインのSaaSならではの難しさなのだと思います。
─ やはり複雑なルールとフローが難しさを生み出しているのですね。大輪さんの所属するCSチームとしては、その難しさにどう向き合っておられるのでしょうか?
複雑ゆえにたくさん出てくるお客様の要望に対して、もう一歩踏み込んで質問するように心がけています。たとえば「ここを変えたい」という言葉通りに受け取るのではなく、「これを変えたら、どう使うのですか?」と真の目的を聞くようにしています。その目的が分かれば、開発チームのやることが明確になって開発がスムーズになるからです。
現場の方たちとコミュニケーションをとるCSチームの言語化レベルによって、開発のレベルも大きく左右されますので、責任重大ですね。
飽きのこない、試行錯誤する面白さ
─ ヘンリーで働く上で、大変だなと感じているところはありますか?
立ち上げ期の会社なので、決まっていないことが多いところでしょうか。いろいろと決めていくのも大変ですし、決めたことが間違っていれば、変えなければなりません。その大変さはありますね。
─ では、面白いと感じているところはありますか?
大変なところと表裏一体ですが、自分で作っていって試行錯誤する面白さはすごく感じます。これまでの経歴で立ち上げをやってきて、事業を成長させていく面白さを知っていたので、そこに携われているのはありがたいですね。
─ その面白さは、具体的な言葉として表すならどのような感覚でしょう?
そうですね……飽きない、ですかね。ルーティーンに近いような仕事をしたこともあったのですが、ほとんど同じ仕事を繰り返す、というのは性格的に飽きてしまうんですよね。今は常に新しい物に触れられているので、飽きずに楽しめています。
─ 仕事に対して飽きずに面白がることができる、楽しめる、というのはひとつの強みになりますね。
もう1つ、お客様とすごく近い距離で仕事ができるのも面白いポイントです。カスタマーサクセスはもちろん直接お客様とコミュニケーションを取りますし、開発メンバーであっても、ヘンリーは大規模な会社よりお客様の声が届きやすい環境にあります。
自分の仕事に対してダイレクトにお客様からの反応が返ってくるので、そこも仕事をする上での魅力の1つなのではないでしょうか。
─ では、ヘンリーという組織で働くことの魅力とはどこにあると思われますか?
新しいことに触れられたり、裁量権があって試行錯誤できる面白さはもちろんですが、ヘンリーの魅力はみんなで助け合えるチームワークにあると感じています。あとはフレキシブルでオープンなところも魅力ですね。CEOのお2人とも気軽にディスカッションできますし、堅苦しい階層のようなものがまったく無いのはとても良いところですね。
変化を恐れず、提供する価値を高め続ける
─ 大輪さんの今後の目標を教えてください。
カスタマーサクセスはお客様と接する最前線にいるので、我々の提供する価値をどんどん高めていきたいです。お客様の真の目的をきちんと把握しつつ、そこに対してヘンリーのプロダクトをどう使ってもらうのがベストなのか、というのをちゃんと言語化・パターン化するのが、目標でありやりたいことですかね。
─ その価値を高めていくためには、どんなことが必要だと思われますか?
何か問題を解決したり工夫した時の対応を、しっかり整理整頓して貯めていくことが必要だと思っています。そうしておくと次に何かあったときの財産になるんです。この引き出しを増やしていけばどんどん応用がきくようになるので、ちゃんとナレッジマネジメントを行うのはすごく大事です。
─ 今後、新たなメンバーも増えていくことと思います。大輪さんは「こんな人と働きたい」というイメージはありますか?
新しいことをやっていきたい、という感覚をお持ちの方と一緒に働きたいですね。ヘンリーでは日々新しいことにチャレンジし続けていますし、そういった感覚をお持ちだったらきっと合うのではないかと思います。
サービスの質を高めるのも、現状維持をするだけでは達成できません。どんどん新しいことを積み上げていった先でようやく質も高まってくるので、変わり続けられる、変化を恐れない人が仲間になってくださると心強いですね。
─ ありがとうございます。では最後に、ヘンリーにご興味をお持ちの方へメッセージをお願いします。
ヘンリーはすごくチームワークのいい会社ですし、新しいことへのチャレンジもたくさんできる環境があります。きっと医療ドメインのゲームチェンジャーにもなれる会社だと思います。ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひともご応募ください。お待ちしています!
インタビュー:鶴留彩花
ヘンリーでは、さらなる成長に向けて採用も積極的に行っています。ご興味をお持ちいただけた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。