老眼人口激増に備えて
カラーコーディネイターAFT1級を持っているが、中小企業診断士として、これから活動するにあたってUC級も勉強することにした。
UC級というのは色のユニバーサルデザインに関する色彩検定での資格である。
SDGsの観点からも色の区別がつきにくい色覚特性の色弱者(色覚異常)の方や加齢による色の見え方について、ちゃんと理解しておかねばと思ったからである。
私たちが普段、「この色、いい色ねー」だなんて言っているのは、大概が「物体色(表面色)」のことである。物体にあたって反射した光を見て、人は物体の色を感じているので、物体色である。他には、光を通して見る「透過色」、夕日の光のような「光源色」がある。
光は波長であり、眼から網膜、脳に到達してようやく「色」として認識される。
同じ光源、同じ物体であっても、人の眼の状態は同じとは限らないので、厳密に言うと一人ひとりの眼が見ている色は同じでは無いのだ。
先天的に錐体の働きが弱い為に緑や赤系の区別が付きにくくなる色弱者もさることながら、加齢によってほぼ全ての人が色弱者となる。
加齢によって眼球の水晶体が黄変するため、光の透過率が下がる。短波長側領域の青い色は暗く見えるようになり暗い部屋では黒との見分けが難しくなる。明るい場所から暗い場所に入った時の順応時間も若い頃より随分と長くかかるようになる。
日本ではこれから高齢者の高齢化が更に進む。老眼人口が激増するのだ。
こないだ失敗した名刺の字の大きさだけでなく、自分の老いも含めて、老眼の特性を知ることは、これからのデザインに重要なファクターになると思う。
200点満点で合格点は150点らしいので、ポカミスしないように真面目に勉強しておこう。