
富士山に登りたい!
以前、会社の山登りフリークの先輩にこんな話を聞かされた。「富士山は日本人なら一度は登っておきたい山だから、登ったことのない奴は『登らぬバカ』と言われる。ただ、草木が生えず土と岩だけの山だから登山としては面白みがないので、再び登るような奴は、『2度登るバカ』と言われてるんだよ。」
実は富士山には4回チャレンジしている。その先輩には、「へのは大馬鹿者だね」と呆れられた。
富士に最初に登ったのは家族旅行だった。その頃は毎年、年に一度は家族で何処かに旅行していた。今年はどうしよう?と考えていた時、たまたま富士登山バスツアーのチラシを見つけて、「じゃ富士山登ってみる?」となった。
上の小僧が中学2年、下の小僧は小学4年生だった。超初心者向けの吉田口の登山ルートだったが、下の小僧は8合目で高山病になってダウン。亭主と二人で下山となり、上の小僧と私だけが頂上に辿りついた。
翌年、小僧二人と私の三人で、再度挑戦。なんとか三人とも頂上に辿り着けリベンジ達成。たまたま新月だったので夜中に山小屋から見た降るような星空の美しさに心から感動した。この年は上の小僧は一人で剣ヶ峰まで登頂し、富士山完全制覇を果たした。
その翌年は、6年生になった下の小僧と二人で三度目の挑戦。富士宮口から登って、下りは吉田口を目指すバスツアーはお気に入りコースになった。
4年目は、流石に家族は誰も付き合ってくれそうになかったので、会社で富士登山バスツアーを計画した。二十人くらいのメンバーで挑んだのだが、8合目の山小屋で仮眠していた夜中にひどい強風になってしまった。この気象条件で先に進むのは危険との判断が下され翌朝、名誉の撤退となった。
それ以降は、夏は中小企業診断士一次試験にチャレンジするため、暫く富士登山は諦めることになった。
4回も富士登山をするなんて、登山に慣れていると思われるかもしれないが、毎回、高山病と体力の無さでフラフラになって息も絶え絶えのヘロヘロ、疲労困憊でのチャレンジであった。何故そんなキツい想いをするのに毎年、富士山に登りたかったのかというと、年に一度くらい自分の足で前に進むしかない状況に自分を追い込んで、それをクリアすることで「やり切った」達成感を味わい「やればできる」と自分自身に自信をつけたかったからだ。
診断士試験が終わったら、また夏に富士山に登れる!と思っていた。しかし、あの山小屋の密状態を考えると、まだ暫しの間、富士登山は難しそうだ。
そうだ!3年後に還暦記念登山を目指すとしよう。
その為に、富士登山の為の筋肉と根性を取り戻さなければ。登山シューズやウェアもお気に入りを揃えよう。最近の登山グッズはおしゃれでキュートなものが多いから、アウトドアショップで見てるだけでもワクワクする!
そして、あの降るような星空を再び全身に浴びるのだ!
3年後は5回登る筋金入りの大馬鹿に仲間入りだ!