紹介したくはない昼飯
高野山に限らず観光地においては必ず発生する、
「昼ごはんどこで何食べる?」問題。
旅先での喧嘩ってわりかしこの辺が大半じゃない?
ってくらいに、
同行者との相性確認や、
記憶に残るその土地のイメージに、
後の思い出話中の責められ具合にまで影響を与える。
いっそ一人旅の方が気楽。
高野山に関して言えば、
食事処はある。十分にある。どこもそこそこ旨い。
「精進カレー」か「ごま豆腐定食」の、
どちらかを選んでおけばまずハズレはしない。
しかし割高感があって混む。そこが難儀。
高野山を擁する和歌山県民はともかくとして、
大阪の人間は高確率でイラチ、かつ、
コストパフォーマンス至上主義なんだよ……!
「大阪の人間やから俺、イラチやねん。
飯食うために並ぶとか出来へんわぁ」
とわりかし周囲を困らせるほどのせっかちを、
むしろ愛すべき地域性として誇る感覚は、
九州出身者から見てホンマにどうにかしてくれんか!
急に全てを改めろとは言わんから、
せめて「イラチですまんな」くらい思いやがれ!
……ああしかし九州男児の酔っ払い状態に比べれば、
まだまだ余裕で可愛らしく感じられてしまうけれどもな!
(ただしシラフに限る。
イラチでかつ酔っ払いは、
ってかどこであっても酔っ払いは、
基本なあなあに許されて来た割に、
ホンマは一切許されへん。)
失礼。日頃の不満があふれ出た。
えっとね。
実は、ガイドブックなんかには載っていない所に、
お弁当屋さんとか、定食屋さんとか、
注文したその場で揚げてくれるコロッケ屋さんとか、
こそっとあるから、
天気の良い日にはテイクアウトした品を、
その辺のベンチとかに座って食べれば、
全然OK。何の問題も無いの。
これで良い。むしろこれが良かったりするの。
だけど教えたくありません。
だって地域住民御用達だから♪
日頃作業所で接客業で運送業で働いている方々の、
貴重かつお手頃価格なお昼ご飯だから♪
月1回は高野山に通うような立場にもなったら、
個々人で探索してみてくれ頼む。
実は外国人観光客の中でも、
バックパッカー系西欧風な方々が、
割とそういった店を探し当てていて感心する。
しかしさすがに何の紹介もしないのもアレなので、
ガイドブックにも載っているお店で言うなら、
「光海珈琲(こうみコーヒー)」は若者世代にも人気。
(高野山で言う「若者」には30代、40代まで含まれるが。)
飲食店舗も経営している「角濱」のごま豆腐は、
知人の娘カップル20代に紹介したところどハマりした。