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心お弁当常備薬【毎週ショートショートnote】

 そもそも何故笹の葉っぱでくるんだ上に具材は概ね梅干しであったかという話をしたい。
 殺菌作用と食あたり防止である。
 食い終えた後の葉は川で洗って、携行しても良いが最悪その辺りに打ち捨てたとて、害を成さない。
 奉公先あるいは野良仕事へ出掛ける息子への心配りなどは、親であってもせいぜいその程度のもので良かったのだ。
 多く見積もってもたかが一世紀の間に、見た目を整え色味に栄養バランスにも気を遣う事が求められ、食い残しが発生する事自体信じ難い話であったものを、空き容器を捨てる行為が社会不正義と見られる事になり、現実に害も生じさせる事となった。
 肥料をやり過ぎれば根が腐るように、心も愛情も多すぎれば腐る。何が腐らせるかを問えば、元々の栄養価が高すぎる。個人に与えたとて邪魔になるほどに。
 薄く広くばら撒け。それで良い。僅かずつであれば見返りも意識しない。結局のところ天からの雨粒が、ヒトからは最も感謝されるだろう?


(406文字)

私の中の爺さんが説教を始めたので記録。

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偏光
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