改めて、姉
はじめましての人も、
前から知ってる方も、
ごきげんよう。
偏光です。
今年2025年の元日、
前回は2020年だったから、
実に5年振りに会った姉について。
(文字数:約1800文字)
姉妹でありお互いに親代わり
子供の基準として、
特に娘の正解として、
育てられた姉だ。
おかげで私は幼い頃から、
姉と同じ成果を見せなければ、
姉と同じ選択をしなければ、
「普通じゃない」
「おかしい」
「異常だ」
と決めつけられ、
笑われるか嘆かれるかで済まされてきた。
なるほど。
「私がやりたい事」は許されないが、
「姉がやりたい事」はやらせてもらえるし、
「姉がやりたいが私はやりたくない事」も、
「この子には普通の事が出来ない」
と見る程度で済ませてもらえるようだ。
そう理解してからは、
むしろ最大限に利用させてもらったが。
幼少期の姉は大変だった。
いきなり機嫌が乱高下する母のために、
母の理想通りの子供を、
懸命に演じてあげていた。
ユキコは好きに過ごさせてもらえて良いなー、
と内心羨ましがっていたらしい。
私は私で「異常」と決め付けられ、
何をしたとてその評価が変わらなかったのだが、
何せ姉は
「ユキコが普通に育たないのは、
お姉ちゃんがきちんと教えないからね」
とか母親から言われ続けてきた。
私は中学、姉が高校の辺りで、
「頼むからユキコ。まともになって」
と泣きつかれたが、
「待て姉上。
私を育てるべきはまず両親だ。
姉上に責任は一切無い」
「は」
「残念ながら私たちの両親の方が、
主に子育てに関する感覚が、
まともじゃないんだ。分かるか」
「ええええええーー!
でも分かるー分かる気がするー!
何かウチ変だって思ってきたー!」
有難くも姉妹なので同室で育てられ、
両親よりも日々長い時間を接している。
5年振りに会った姉
姿を見つけたが、おう。
もしかして?
もしかして?
とは思っていたが、
両腕を広げながら駆け込んで来て、
まずは全力でハグするか。そうか。
しかしそうなるような気はしていた。
隣にいた配偶者と、
歩いて近付いて来る義兄に姪甥が、
みな微笑ましくも苦笑い。
出会い頭のハグなんてな姉上、
自分の側の思いの丈が、
よもや退けられようとは、
頭にも浮かばない人間にしか、
出来やしない芸当なんだよ。
我が姉ながらすごい才能だ。
圧が強い。
周りの人をいつの間にか巻き込み、
振り回す能力に長けている。
まぁ仕方がないかー合わせとこー、
と抵抗する気力が削がれる。
しかし不快ではない。
ここが物凄い。
結果なんか楽しかった思い出に、
無理矢理にでもねじ込み入れられる。
本当はデザイナーになりたかったのに、
向いてない営業に回されちゃって、
と昔からよくぼやくのだが、
貴方は営業。絶対に営業。
営業こそ出来る奴しか回ってこない。
反面教師の最たるもの
姉に直接伝えたなら、
嫌過ぎて発狂するだろうから、
言い方を考えなければならないのだが、
この圧の強さに、
周りにいる者をいつの間にか、
巻き込み振り回す能力は、
母にそっくりだ。
そっくりだが全然違う。
姉に振り回されるのは構わない。
ここは最大限に強調したい。
何が違うかと考えたら、
明白な一点がある。
姉は言動がポジティブであり、
「ありがとう」も、
「ごめんなさい」も、
すぐに表情に言葉に出してくれるが、
母は言動がネガティブであり、
「ごめんなさい」はもちろん、
「ありがとう」すら、
娘たちにも一切言いやがらなかった。
表面上は実ににこやかで、
人当たりよく感じるのだが、
口を開けば愚痴に悪口に、
家族や他人への妬みばかりだ、
断言させてもらうが、
圧が強いネガティブは最悪だ。
周りの人間関係を破壊する。
姉は母を反面教師にして、
年末年始の旅行にも、
旅行の途中で妹に会いたいという、
正直姉以外にはどうだっていいイベントにも、
付き合ってくれる良い家族を、
築き上げ切れたわけだ。
同じ両親に育てられた者だからこそ、
賞賛に値する。
惜しみない拍手を贈ろう。
以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。