流し見は出来ない西アジア【7月みんぱく】
はじめましての人も、
前から知ってる方も、
ごきげんよう。
偏光です。
アフリカどころかヨーロッパの辺りから、
聞こえ続けていた音声が、
一体何だろうと思ってはいた。
(文字数:約2000文字+らくがき3枚)
マシュリクとマグリブ
6月頃に観たヨーロッパとアフリカを、
今頃記事にしたのはなんでかって、
A5:西アジアと、
まとめて取り扱わないかんやろ、
と思ったから。
この3地域はお互いに影響しまくっていて、
行政的な区分はともかく、
文化風俗的には分割する事が難しい。
地域独特の区分もある。
マシュリク(mashriq)日出る所:
エジプトからアフガニスタンまで
マグリブ(maghrib)日沈む所:
モロッコ、チュニジア、
アルジェリア、リビア
信仰は一筋縄では
もちろんヨーロッパエリアから、
コーナーは設けられていたんだが、
ここに来てようやくまとめ切れるかなと。
実物を見た方が絶対に良いと思うんだが
イラク生まれでフランスに移住した、
アラビア書道家の
ハサン・マスウーディ作品が、
壁一面に並べられまくっていて、
私は取り憑かれたように、
メモを取りまくってしまった。
諸国後からフランス語に訳されたものを、
アラビア語に訳して更に書道、
絵も文字の組み合わせで描かれている、
というカオス感がツボだったのかも。
列子:
「まことの旅人
そが行くところを(心の内より他に)知らず」
アッシキーリー(アラブの詩人):
「土くれより創られし我が身なれば
そがありし何処も我が祖国にて
世の人すべて我が同胞なり」
ルーミー(イランの詩人):
「もしも愛に震える心を
貴方に捧げる事が無いならば、
心など何の役に立つだろうか」
蕪村:
「月光西に渡れば花影東に歩む」
ジャック・プレヴェール
(シャンソン「枯葉」の作詞家):
「幸せって奴にちょっくら知らん顔されたって
絶対にだめだよ。
君の方からないがしろにしちゃ」
ここから聞こえていたのか砂漠の暮らし
いやずっとずっとずぅーーーーっと、
聞こえ続けていた謎の音声が、
ようやくラクダの鳴き声だと判明。
正直分かるまで結構怖かったよ。
ベドウィン、という単語は、
砂漠の遊牧民を表すものとして、
わりと耳にするかもしれないが、
バドウ(砂にさらされた人々)→遊牧民
ハダリ(壁に囲まれた人々) →町住民
という原語と対義概念は知らなかった。
標交紀コレクション
東京武蔵野で、
自家焙煎珈琲店「もか」を営んでいた、
標氏のコレクションが、
結構なスペースを占めていた。
コーヒーはエチオピア原産で、
16世紀のイスタンブールから世界へ、
そして庶民へと流行し浸透。
アラビアでは浅煎りが好まれ黄土色。
サフランやカルダモンを入れて楽しむ、
ハーブティーに近い感じ。
客人を迎え入れたらまず提供する。
東地中海では深煎りが好まれる。
カルダモンもよく入れるけど、
おもてなしの最後に提供する。
カワール・コレクション
パレスチナ育ちの女性、
ヴィダード・カワールさんが収集した、
パレスチナ伝統衣装のコレクション。
刺繍やアクセサリーに、
各民族ごとの特徴があって、
見応えがありまくるし今や大変に貴重。
結婚式の再現展示。
マシタ、という、
花嫁の身支度を手伝う女性がいる。
全身を脱毛し、
ヘンナという化粧彩色を施し、
まぶたにコホルを塗り、
チョウジの花で作った首飾りを付ける。
花嫁は式までに衣装やクッションカバーを作る。
ハンカチは特に花婿に贈るもの。
父親よりも、
花嫁の母方の叔父が保護者となって、
花婿はまず彼に贈り物をする。
あかんかったのかな
アルハンブラ音楽と、
楽器資料に映像展示が充実しまくってて、
隅々まで見ていたら、
警備員さんが近寄ってきたなー、
とは思っていたが、
警備員さんがトランシーバーで、
何事かを伝えた途端に、
見ていた映像が途切れた。
あまりに占有し過ぎていたか、
と申し訳なく思うにはしかし、
そのコーナーには滅多に人が来ず、
誰か来た際には明け渡していたんだが、
(しかしそこは警備員さんに分かるわけないな。
ずっと同じ奴がおるやんけて思われるわな)
しかし私はとにかく土着文化の、
更には民族音楽が大好物なのだよ。
こんなに熱心な奴もそうおらんやろ言うことで、
御容赦頂けないか。
弦楽器:ウード、シムシミーヤ、ラバーバ
カーヌーン
笛 :シャバーバ、ナーイ
舞踊:ダヘーア、ベリーダンス各種
以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。