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オリゴ党プロデュース『サヨナフ』

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 Pixivで公開してきた小説以外の文章を、
 noteに移して行きます。

(文字数:約1300文字)


 オリゴ党プロデュース
 大竹野正典没後10年記念公演
 『サヨナフ』

 2019年9月7日、8日
 大阪千日前(トリイホール)

 とても気に入っている劇団なんだが、
 他人様にはお勧め出来ずにいる。

 と言うのも私は観る度に、
 内臓をえぐられる心地になり、
 神経がささくれた涙で大号泣するから。

 いつぞやかは登場人物の心境に、
 あまりにも同調してしまい、
 「ぐわあああ死んでやるううう
  こんなの死んだ方がましだあああ」と、
 泣き叫びながら夜道を帰ったほどに。

 隣に救護者がいなきゃダメ♪

 良く脚本に書けるな舞台で演じ切れるなと、
 毎度毎度感服しまくり完全敗北つかまつるんだが、
 つまりは私のツボにとことん響きまくるんだろう。
 ダメージ受けてそうな観客周りにそんないないもの。
 劇団員さん達と普通に談笑してるもの。

 ああ笑いどころもあるんだよしっかり。
 そこはちゃんと笑えるんだよ私も。

 幸い(おい「幸い」とか言っちゃったよ)にして、
 今回はオリゴ党のオリジナルではなく、
 既存の台本なので、
 一人でも大丈夫かなと思い行ってみた。

 ネタバレになるから公演期間中は書かなかったけど、
 観ている間になんとなく分かってくると思うし、
 知っていれば知っていたで面白いと思う。

 実在の連続射殺犯、
 永山則夫(ノリオ)。

 ある晩彼の下に、
 彼が獄中で書き記した、
 数々の書籍に感銘を受けた人々が集まって来る。
 みんな、ノリオに殺された人達。

 この時点で私もうゾクゾクが止まらない。
 なんでそんな事が起こり得るかの理由も、
 劇中できちんと説明されますよ。

 しかしながらノリオの生涯及び思想に対して、
 私自信は全く関心を持てない事も確認した。
 悪いけど彼はまだ、まだ恵まれていると感じた。
 人のせいに周囲のせいに出来るというのは実に、
 実に、楽だ。

 南国だと漬け物石どころじゃねぇからな。
 腐るからな臭いとんでもないからな。
 じゃあどうするかってそりゃあ、
 臭ったって構わねぇような場所に捨てんだよ。

 あと曲がりなりにもメシは食えちまうからな。
 そうなってくるともう責める相手はいないんだ。
 メシを食わせたというだけで、
 親の勤めは十全に果たされた事になっちまうんだ。

 彼が『無知の涙』と呼んだ状況は理解する。
 親からの手紙が全部カタカナで、
 誤字もあるとか超泣ける。

 私の境遇ともそれほど、
 かけ離れてもいないようだが、

 それと犯した罪とは別、

 だと私は思う。

 ところがどっこい翌朝4時半頃に、
 「ぐわああ」と布団の内でのたうち回る。

 小説を書く動機の一つには確かに、
 「どうしようもない人生を多少なりと正当化したい」
 があるなと気付かされ、
 小一時間ほど心底書くのが嫌になったが、

 やり方を変えよう。
 他の動機を見出だしそちらの側を優先させよう。

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偏光
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