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会員制の粉雪チーズ【毎週ショートショートnote】

 今年は年明け早々からまさか、元悪友の呼び出しを喰らうとはな。
「会員制のサロンを開いたから、君にもぜひ来て欲しいなって」
「勝手に会員証と招待状を送って来やがってゾッとしたぜ。頼むから名誉会員の称号だけは外せ。名誉○○ほど不名誉なものはない」
「それだけはどうしても言いに来てくれちゃうよねって思ってさぁ」
 前にも別件で来た覚えがあるビルの、地下へと向かう階段を降りて、防音機能もしっかり備えていそうな分厚い黒の扉を開くと、
 会員と思しき男女が十数名ほど、白い粉状の何がしかを、パスタに振りかけたり身に浴びたり、振りかけられた人や物や金色の振りかけ道具に額付いて、拝み倒しながらの恍惚状態に浸っている。
 指先にとってみるとフレーク状で壊れやすいそれは、舌先に乗せると確かに旨い。しかしすぐに溶ける。
「あきらかにヤバい物質じゃないのか」
「いいやぁ。神に許された食物だよぉ。神を信じ切った人々にしか降り注がないヤツ」
「マナか」


(409文字)

 ある意味会員制食物。

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偏光
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