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働きやすいオフィスとは? コミュニケーションを活性化させたリノベーションの取り組み

こんにちは。三菱電機変革プロジェクトnote編集部です。
 
みなさんはオフィスの働きやすさについて、どんなところに目を向けますか?
先進的なデザイン家具に囲まれたオシャレ空間?
業務に集中できるハイスペック機器?
 
三菱電機ソフトウエア(株) 通信機事業所では、「オフィスの居心地」に注目し、働く人が少しでも快適に過ごせるよう、リノベーションを試みました。
 
今回はこのリノベーションを企画・主導した方々に、その背景や狙いなどを伺いました。

メンバー紹介

――以前と比べて、全体的にオフィスが明るくなったと感じます。リノベーションの背景を教えてください。
 
成澤:前提として、2022年に三菱電機グループのソフトウエア関係会社6社を統合し、三菱電機ソフトウエア株式会社が設立されました。こちらはその通信機事業所で、旧6社の内4社からメンバーが集まって、主に2つのビルを拠点として業務にあたっています。
 
統合直後ということもあり、慣れない環境に置かれ、従業員満足度(エンゲージメント)調査の結果が芳しくありませんでした。他のアンケートからも拠点が分かれていることによりコミュニケーションに課題を感じていることは明らかだったので、それらを解決すべく、まずはオフィス環境を整えようと考えたのがきっかけです。
 
小玉:はじめに拠点間の部署再配置(引越し)によりスペースを設け、そこに共用のオープンな作業スペースやオンライン会議に最適化された最新の会議室など、居心地と業務効率のどちらも高められる改装をしました。そこからリフレッシュルームやトイレなど、業務以外のオフィス時間に着目したリノベーションに拡大していったという流れです。

――リフレッシュルームはどのような経緯で改装することになったのでしょうか?
 
成澤:コミュニケーションという観点では、やはりリフレッシュルームは大事です。改装前のリフレッシュルームは、自販機と古くなったソファが置いてある程度で、そこで休憩する、雑談するという環境ではありませんでした。特に女性従業員からは「雰囲気的に使いにくい」との声も聞こえてきて・・。
 
小玉:最初は古いソファのクリーニングを考えていましたが、クリーニングしたところで半年もすればまた汚れてしまいます。また、リフレッシュルームはロッカー室と隣接していて、毎日必ず前を通ります。そこがキレイでないと、やっぱり気分が良くない。なので、「思い切って全部リノベーションしよう!」となりました。

――リフレッシュルームで工夫した点やこだわった点などはありますか?
 
野上:コンセプトは「落ち着ける場所」「会話しやすい雰囲気」でして、そのためにお菓子を置くことにしました。あれこれ検討した結果、元々設置していた自販機メーカーの置き菓子サービス(無人売店)を導入しました。ちょうどその会社のサービス開始直後で当社が関西での契約第一号ということもあり、自販機やお菓子棚のラッピングを部屋の雰囲気に合わせて統一感を出してもらうなど、いろいろと対応していただきました。
 
小玉:リフレッシュルームに限らず、リノベーションと言っても全てを新しく工事したのではなく、既存の壁やついたてに張り子やラッピングシートを貼っただけなど、費用をかけずに統一感を出す工夫を凝らしました。
 
成澤:不安もありましたが改装後の反応は上々で、「綺麗になって良かった」「とても便利」との声も聞こえてきて安心しています。実際、リフレッシュルームを利用する人はとても多く、お菓子がすぐになくなるので棚が一台追加されたほどです(笑) 目的だったコミュニケーションしやすい環境を整えられたと考えています。

――今回のリノベーションでは、全フロアのトイレの改装にだいぶ力を入れたと聞いています。こちらの経緯はどのようなものだったのでしょうか?
 
成澤:当時の所長から「トイレ古いよね。若い人にはウケが悪いし、新しくしようよ」と言われたことがきっかけです。ただ、自社ビルではないためトイレ改装にはオーナーとの交渉が必要で、二の足を踏んでいました。ところがある日、女性従業員がトイレに対する強い不満を口にしているのを偶然耳にしてしまい・・・ショックを受けて、即座に「やりましょう!」と所長に伝えました。
 
武井:ビルは建設から30数年が経っていて、その間にも多少の改装はしていたものの設備が古くなっていましたので、そうした声も理解できるところでした。女性従業員も徐々に増えてきましたし、女性の意見を採り入れた本格的な改装をしても良い時期だろうと思いオーナーにご相談したところ、ご理解いただけて、その後はトントン拍子で調整が進みました。

――トイレ改装には女性の声を多く採り入れたのですね。
 
小玉:はい。話を聞いてみると、「買い物先やレストランなどでもトイレがイマイチなお店には行きたくない」「お店の快適さの半分はトイレ」とのことでしたので、ドアから内装まで、彼女たちの声で決めた部分は大きかったです。
 
成澤:実は妻にこの話をしたところ、「女性にとってのトイレは男性と違って用を足すだけの場所じゃない。だからトイレがイマイチだと本当にテンションが下がる!」と𠮟られまして・・これも全面改装の決め手でした(笑)
 
武井:更衣室横のトイレは特にお化粧直しなどにも使われていると知り、専用照明を設置してパウダールームのような環境にしました。
 
野上:やるからにはと、いくつかホテルの化粧室を見学したり、メーカーのショールームに座り心地を確認しに行ったり、結構楽しかったですね(笑) 結果、男性トイレも含めて、予定していたものからいくつかグレードが上がってしまいました・・(笑)
 
成澤:また、これは好みが分かれるところですが、全てのトイレを洋式化しました。若い世代では和式トイレを使ったことがない人も多く、トイレが和式というだけで職場として敬遠されたりもします。和式を残して欲しいという声もありましたが、将来を担う人たちのことを考え、決めました。その分、全ての個室に便座クリーナーを設置しまして、結果、特に不満の声は聞こえてきていない状況です。

――全体として、リノベーションに対する社内の反応はいかがですか?
 
小玉:全体的に「便利になった」「綺麗になって良かった」との声をいただけています。
 
武井:一部であっても綺麗なエリアができると全体的に綺麗にしたいという意識が出るので、リノベーションしたエリアだけでなく、館内全体で「身の回りを綺麗にしよう、物を大事に扱おう」という雰囲気になり、良い循環が生まれていますね。
 
野上:トイレと並行して各フロアの給湯室も改装したんですが、以前より使用頻度が増えました。その結果、清掃意識の高まりも含めて、フロアや部署をまたいで備品の融通なども増えたので、所内全体で交流やコミュニケーションが増えました。

――エンゲージメント向上の取り組みに終わりは無いと思いますが、今後はどんなことをしたいと考えていますか?
 
小玉:今回のリノベーションはインフラというハード面の取り組みでした。次はソフト面をどうするか。交流できるスペースができたので、それを活かした企画など、あれこれ考えてみたいですね。
 
成澤:まだ手を付けられていないオフィスも残っているので、そちらも順次改装しなければと考えています。また、他の事業所でも改装を進めていたりしますが、まだ悩んでいるところなどあれば、今回のノウハウをシェアするなどして、働く一人ひとりが居心地よく、モチベーションを持って働ける環境を全社として整備したいと思っています。

編集部:オフィス環境の整備は大切な投資であることがとてもよくわかる好例だと感じました。本日はありがとうございました!