見出し画像

静かな都内 七緒栞菜

先々週の、ある1日の日記。

高円寺が好きだ。吉祥寺が好きだ。
今回訪れたその2箇所を、私はすぐに気に入った。
彼女曰く、それだけで「中央線沿い好き」であろうことがわかるらしい。
都内にしては静かで、ゆったりとした時間が流れ、行き交う人が比較的少なく落ち着いた場所。

選書が好みの本屋があった。
洗練された雰囲気の雑貨店があった。
たくさんの小径があった。
それだけで私には十分だった。

ずっと田舎に住み続け、なんとなく都内に苦手意識があった私にとって、それは革命的なできごとだった。

「私にも好きな『東京』がある…!」

なんだか嬉しかった。

15時頃にお昼としてハニーチキンパンケーキを食べたからか、夕ご飯を買おうと駅の中のデリコーナーに足を運んでも、魅力的に思えるのはサラダばかりだった。何か心惹かれる食べ物は他にないかと練り歩いたが、結局、2種類のサラダだけを購入した。フルーツトマトとモッツァレラのサラダと、スモークサーモンとお野菜のマリネ。

駅ナカサラダを夕ご飯にして部屋でふたりきりで話す。そんなものは豊かなひとときに決まっている。彼女と話す内容は、これからの働き方、社会について、セクシュアリティ、家での音楽のかけ方、次の日の経路計画など様々。最後にはプチヨガレッスンもしてもらった。頭も身体もじんわりほぐれる。

きらびやかな都内は苦手なままだけれど、静かに過ごす都内は好きだ。
静かに過ごせる場所、ゆっくりと話を楽しめる友人。
このふたつがそろえば、いつだって私は幸せなのかもしれない。

そしてやっぱり、私は彼女が大好きだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?