何処にどの石を使う?
高級建材「石」は種類が多く、色や質感も様々なので、何処にどう使うかはデザイナーさんの腕の見せ所ですね。
日本の建築で『石』といえば国会議事堂ですね。
外壁は『桜御影』とよばれる花崗岩らしいです。そういえば少しピンクっぽいですね。総石張は重厚感があり堂々としています。
石を使用する上で、見た目だけではなく、石の特性も理解しておいてもらいたいので、なるべく簡単に説明したいと思います。
【石材の種類】
建築でよく使用される「石」にはどんな種類があるでしょうか。
①花崗岩:マグマが冷却固結した石材(御影石、稲田石etc)
②安山岩:マグマが地表付近で急激に冷却固結した石材(鉄平石etc)
③石灰岩:炭酸カルシウム(石灰)が主成分の石材(ライムストーンetc)
④砂岩:字の如く砂が固結した石材(インド砂岩etc)
⑤凝灰岩(ギョウカイガン):火山灰が堆積した石材 (大谷石etc)
⑥粘板岩:泥石などが強い圧力を受けた石材(スレート、玄昌石etc)
⑦大理石:石灰石が変性した石材(ビヤンコカララ、トラバーチンetc)
⑧蛇紋岩:表面に蛇のような紋様が石材
まだまだ沢山石の種類はありますが、建築で使う意思の種類はこれぐらいでいいと思います。
【石材の性質】
石は硬いものですが、種類によりいろいろ特性があるので、特性に合わした使い方をする必要がありますね。
①比重:どの石材も2.0~2.8でほぼ同じくらい
②吸水率:砂岩、凝灰岩が高く、安山岩も比較的高い
③圧縮強さ:花崗岩、石灰岩、大理石は強い
④かたさ:砂岩、粘板岩、大理石は比較的柔らかい
⑤耐候性:花崗岩、安山岩は優れている
⑥耐摩耗性:花崗岩は優れている
⑦耐薬品性:大理石、石灰岩は酸に非常に弱い
石もいろいろですね。
【ここにはどの石を使う?】
石の特性にに合わして、だいたいこんな感じで使えばいいと思います。
①花崗岩は、屋根以外はどこでも使用できますね。
②屋根に使用できのは、粘板岩だけです。
③大理石は、外装には使用できませんよ。
④浴室に使用できるのは、花崗岩と凝灰岩。
⑤水回り以外の内装にはどれでも使用可能。
まとめてしまえば、こんなもので以外にわかり易いですね。
【石材の表面仕上げ】
表面仕上げのバリエーションがあるのは無垢ならではですね。
①本磨き:光沢があり反射する。水に濡れると滑る。(花崗岩、大理石)
②水磨き:艶消しっぽくあまり反射しない。(花崗岩、大理石)
③ブラスト:表面を荒らした状態。(花崗岩、大理石、砂岩)
④ジェットバーナー:大きなむらのない状態。(花崗岩)
⑤小たたき:一方向に流れを出した粗面の仕上(花崗岩)
⑤割肌:割裂面に凹凸のある状態(花崗岩、砂岩)
【施工上の注意】
・石貼りの場合、工法に関わらず、伸縮目地を6m毎に設けることをお薦めします。
・立派な建物でも、外壁の石にが濡れ色現象になっていたり、エフロレッセンスが発生していたりしていると、ガッカリですね。
石の裏面には浸透型吸水防止剤等で表面処理をしておきましょう。
石は以外と吸水性があることを認識しておきましょう。
施工方法については餅は餅屋なので、石屋さんとよく打合せしてくださいね。