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医療や介護の枠を超えて…最期まで寄り添うヘルパーリンクの支援
1. ある日突然の余命宣告
私たちは、病院受診の付き添いの依頼を受けていた。受診日当日、本人の体調が優れず、病院に日程変更の連絡を入れた。すると、電話を切った直後に主治医から折り返しの連絡があり、「今すぐ病院に来てください」と緊迫した声で告げられた。
急ぎ本人のもとへ向かい、病院へ同行することに。1人で歩くのも困難な状態だったため、私がしっかりと支えながら病院へ向かった。到着後、すぐに精密検査が始まり、血液検査やCT、MRIなど、3時間にわたる検査を受けた。そして診察室に呼ばれ、主治医の口から告げられたのは――「余命3ヶ月」という厳しい現実だった。
本人も、そして遠方にいる家族にとっても、まったく予想していなかった事態。静まり返る診察室の中で、私がすぐに考えたのは「この方が残りの時間をどう過ごすべきか」だった。
2. 入院から施設入所までのサポート
70代後半の利用者さんは、薄々自分の体の異変に気づいていたようだった。しかし、いざ「余命3ヶ月」と突きつけられると、すぐには受け入れられない様子で、診察室には静寂が流れた。数分間の沈黙の後、ゆっくりと口を開き「……わかりました」と一言。その言葉には、覚悟とともに、深い戸惑いが滲んでいた。
その日から即日入院が決まり、利用者さんはそのまま病棟へ運ばれた。私は、最低限の入院準備のために、ご本人の自宅へ向かうことになった。
利用者さんには、都内に住むたった一人の娘さんがいた。しかし、何度電話をかけてもなかなか繋がらない。突然のことに動揺しているのか、それとも仕事中なのか…。病室で不安を抱える利用者さんの姿が頭をよぎる。きっと、言葉にはしないけれど、心細さでいっぱいに違いない。
「少しでも力になりたい」――そんな思いで、私は全力で動いた。
3. 最期の時まで寄り添う
「頼みたいことがあるかわからないけれど、毎日様子を見に来てほしい。何かあれば、その時にお願いしたい。子供は忙しくて、そんなに頼むわけにはいかない。あなただけが頼りだ。」
そう利用者さんに言われたのは、12月20日、年の瀬も迫る頃だった。その言葉を聞いて、私は迷うことなく、できる限りのサポートをしようと心に決めた。
それから私は、ほぼ毎日病院へお見舞いに通った。利用者さんは、日に日に弱っていく自分の体の変化を感じながらも、私が来るのを待っているようだった。病院のベッドの上で、「今日は何もいらないよ」と言う日もあれば、「売店で〇〇を買ってきてほしい」と、小さな願いを口にする日もあった。
しかし、病院では長期入院ができないという現実があった。かといって、一人暮らしの自宅に戻ることも難しい。そこで、医療と介護の24時間支援体制が整っているホスピスへの入所が決まった。
年明けの転院までの間、私はお見舞いを続ける傍ら、利用者さんの身の回りのことをすべて引き受けた。もう帰ることのない自宅の解約手続き、家財道具の処分、転居に伴う各種手続き――本来なら家族が行うべきことだったが、娘さんも多忙で手をつけられない状況だったため、私がすべて代行した。
利用者さんが「もう自宅には戻れない」と悟ったときの表情は、今でも忘れられない。しかし、その現実を受け止めながらも、「ありがとう、助かるよ」と穏やかに言ってくれた。
4. ヘルパーリンクだからできたこと
短い期間の出会いだったが、利用者さんは私たちの一つ一つのサポートを見て、「この人なら安心して全部を任せられる」と思ってくれたのだという。毎日顔を合わせるたびに、「お!来てくれたか!待ってたよ!」と笑顔で迎えてくれた。そして帰る際には、「ありがとう、また明日ね!」と、まるで長年の付き合いがある家族のように、私を信頼してくれていた。
最期の時が近づくにつれ、利用者さんはこう言った。
「僕は、ひとり寂しく死んでいくと思ってた。でも、あなたと出会えて、こんなによくしてもらえて、本当によかった。」
その言葉を聞いたとき、思わず涙が出そうになった。
やがて、痛みが出始め、足もゾウのようにむくんでしまった。痛みの緩和のために投薬が続けられ、意識が朦朧とすることも増えた。それでも、利用者さんはニコニコと微笑んでいた。きっと、安心して最期の時を迎えられると感じてくれていたのだろう。
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最後に:ヘルパーリンクだからできること
医療や介護の保険制度では、多くの専門職が関わりながら支援を行う。しかし、利用者さんの状態が変わると、担当者も代わり、支援の場所も変わる。それは制度の仕組み上、避けられないことだ。
しかし、ヘルパーリンクのサービスは違う。制度や利用者さんのステージが変化しても、その人にとって「今、一番必要な形」で支援を続けられる。それこそが、保険外サービスの最大の魅力だ。
どれだけテクノロジーが発達しても、人が人を支える仕事には、心の通ったサポートが不可欠だ。私たちが提供するのは、単なる「サービス」ではなく、「その人の人生に寄り添う支援」だと強く感じている。
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