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第69夜 月下独酌の大石

雲隠月の闇にため息を吐く
傍の酒甕は丸まった寝猫の如く動じず
私の強張った手のひらに弄ばれている

打坐ほど空せず 研鑽より深い 
独酌の微睡みは
宙を超え須弥へと漂泊する

雲間に月が覗いても
座した大石は温みはしない
ただこの身を微塵に帰すのみよ

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