らぶぶらLOVEという神ラジオ

知っている人は知っているかもしれないが、オアシズの大久保さんがやっているポッドキャストのらぶぶらLOVEというラジオが面白い。

大久保さんの千葉大卒のインテリ感もあり、普通にOLとして働いていた経験をもつ芸人である。らぶぶらLOVEは、人の恋愛にあることないこと相談に乗っている番組で、TikTokのクリエイターもゲストで出演するせいか、リスナーの年齢層もかなり幅広いように思う。

恋愛について人に相談するのは女性ならよくあるかもしれない。ただ、よくあるとは言いながらも絶対に秘密にしたいことはべらべら話さないだろうし、抱えている部分はそれなりにあるに違いない。

この前、らぶぶらLOVEでは最高のSEX特集が放送されていた。簡単に言えば、これまでの人生で経験した最高のものから、体験したことがない理想のものまで、幅広く募集して、あらゆる年代の人が答えていた。

スポンサーがコンドームの会社だったこともあり、「コンドームがないと気づいた時、ムードを壊さずにどうコンドームを準備するか」的なアンケートも実施されていた。

その内容は以下の通りで、4つ選択肢があり、男ならどの対応をするか。あるいは女性だったら、どうしてもらうのが良いか。という回答だと思う。

1.準備し忘れた事を謝罪し、一緒に買いに行く(34.7%)
2.「朝食を買ってくるけど何かある?」と言っ買いに行く(45.7%)
3.友人に連絡を入れ買ってきてもらってポストで受け取る(0.3%)
4.女性にシャワーを浴びてもらっている内に買いに行く(19.3%)
【計およそ2300票】

状況がどれくらいのタイミングなのかによっても異なるだろうが、一般的な人が一番ムードを壊さないと思うのは、2番の「朝食買ってくるけど、なにかある?」という選択肢らしい。

朝食を買ってくるけど、のワードを入れることで、夜を一緒に過ごすわけだから、女性としても「あぁ、その気なんだな」的な性的同意感を得られるとの事で、一番人気らしい。

男性側としてもこれがスマートに見えるという意見もあったが、個人的には普通にムードとか関係なく一緒に買いに行けば良いと思っていた。

質問文に「ムードを壊さないよう…」というワードが入っていたのでバイアスがかかってしまう可能性はあるが、現実的でどんな場面にも使えるのが事実を伝えて一緒に買いに行くということになるので、自分は1だと思った。

個人的に思ったこととして、彼女と直にコミュニケーションが発生している選択肢は1番しかなく、ほかは彼女の裏で暗躍するような選択肢になっている。大久保さんも普通にゴムがない事を伝えて一緒に買いに行くを選択していた。

考えすぎかもしれないが、こういう当事者と直接コミュニケーションを避けることが、浮気や信頼関係の希薄化に繋がるんじゃないかとこのアンケートを見て少し思った感じがする。日本には根回しという謎の文化がある。簡単に言えば公の場ではなく、隠蔽工作をはたらくことを前提とした文化と言えるかもしれない。それが日本社会が大好きなコミュニケーション能力というものである。

その一方で、信頼関係を壊すような動きがロマンチックでムードが壊れないと望んでいる人もいる。

付き合って一発目なのか、何年も付き合っているのかなどの関係性でも全然違うと思うが、今の時代であれば、女性がゴムを持っていても全然良いんじゃないかと思ったりする。むしろ持つべきだとさえ思う。

「忘れた」→「わたし持ってるよー」で、解決することかもしれない。こういう男性・女性で役割を差別化している文化も、日本独特なんだろうか。海外では普通に女性でも持っていると聞いたこともある。だからこそ、育休や家事分担まで、役割を負わせたがったり、うまく社会が適合していかないのだろう。

冷静に考えれば、妊娠リスクがあるのは女性なのだから、女性が持っていたほうが圧倒的にメリットが有ると思う。自衛の意味でも持っておけるし、生理用品や化粧ポーチなど持ち歩いているのが普通の女性からしてみたら、別に手間にならない気もする。

ただ、女性が持ってると引かれる的なことを気にして持たない女性もいるらしい。私からしたら、ちゃんとしてるな。と思って、普通に安心する。具体的なリスクから遠ざけて、評判やムードを取るのが日本なのかもしれない。

日本の独特の文化かもしれないが、話し合わない方が善みたいな空気がある。阿吽の呼吸というと言い過ぎかもしれないが、何も言わなくてもわかる。が理想とされている。

何も言わなくてもわかるといった、熟年の信頼関係がある夫婦のような関係に関しては私も賛成できるが、若いうちは普通に言ったほうが問題解決が早かったり、気持ちを誤魔化しながら一人で悩まなくて済むなら、話し合ったほうが断然良いと思う。

あとは日本において、見栄やムードなどといったそういう曖昧な感覚が、具体的なリスクより優先される傾向がある。

男性がゴムを持っていてそれで避妊できればいいが、避妊できなかった時やゴムの性質があまり良くなくて何か問題が起こった時など、事が起きてから責めても仕方ないので、二人で確認し合えばある程度のリスク分散には成り得る。

なんというかSEXを神格化し過ぎな部分があるだろうし、ただやるだけなんだから簡単に済ませればいいじゃない。というギャップが開きすぎている感もある。その原因は、普通に性風俗店が男性にとって一般的過ぎるからだとも思える。

先進国の中で性病として梅毒患者が増加傾向であるのは日本くらいで、日本のそういうムードなどを優先して具体的なリスクを見過ごしてきた結果なのではないかと考えている。

この前、電車に乗ったら、電光掲示板の広告で梅毒患者が増えていることへの警告の広告が流れていた。それから「痴漢を見たらすぐに駅員へ報告してください。」的な広告も流れ始め、旅行している外国人からしたら、どんな国なんだという恐怖しか無いかもしれない。

わからないなら聞いたり、話し合ったり、単純なことだと思う。だが、それができない。わからないと相手にバレるのがダサいと思われたり、聞くのは失礼という謎の文化もある。

もともと人間同士の距離感が遠いのであれば、男女の距離感も必然的に遠くなると思う。なんというか、日本人が海外に行ったら開放的になる的なことはよく言われる。

それだけ我慢しているというか、何かが間違っていると思いながら社会のルールに従うのが当たり前という事になっているし、皆で我慢しないと「常識がない」人間としての扱いを受けて不利益を被る。

これが日本の取り巻く謎のムードであって、日本の社会問題が永遠に解決されない原因でもある。

人々の意識が硬すぎて、すぐに変化しないので急激に悪化することもないが、改善方向へ向かうことは少ない。結局、文化が変わるには上の年代の人口が老化によって減少して、多数決が反転するのを待つしか無い。

若い人が恋愛したり結婚したりするのでも、親の評価を気にする人もいるらしい。なにかと周りの目を気にして自分の行動を決めている人が多い。そういうことは恋愛にも関係するだろうし、仕事選びなどにも関係すると思う。

自分と近しい人に何かを相談すると、自分の素性について知られることになるし、深刻な相談をすると心配されて困るということがある。

そういう意味ではらぶぶらLOVEというようなラジオがあるだけでも、いくらか助かる人がいるんじゃないだろうか。実際に相談してメールが読まれなくても、相談出来る場所があるというだけで安心するかもしれない。

恋愛をこじらせて人生を棒に振ったり、精神的に立ち直れなくなる人も少なくない。そういう事を考えると、カウンセラーのような堅苦しい場所だけでなく、普通に誰か知らない人に相談できる場所は素晴らしい場所に思える。

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もやい
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