10万の価値観がちょうどいい
いろいろ問題は起こっていたものの、なんだかんだ10万円の給付が多くの人に行き渡った感がある。
10万というと、まぁまぁの金額であるし、そんな10万くらいじゃどうにもならん。と言えるほど小さい金額でもない。
10万あればそれなりのものが買える。高級品は買えないが、スタンダードな価格帯の日用品なら、もれなく網羅できるくらいのレベルの金額ではある。
個人的には10万という金額は貰えたらめちゃくちゃ嬉しいと思うが、意外とテレビなどの反応を見ても、支給が遅いとか、いつまで紙ベースで行政は動いてるんだとか、レストランの経営してんのに10万じゃ生きられないとか。不満ばかりがニュースで目につく。
ようやくマスク価格の高騰も収まり、ユニクロがエアリズムマスクを出すなど、コロナ対策としての資金に当てても良いかもしれない。
多くの日本人にとって10万というのは、かなりいい金額だと思う。新卒で働き始めたら20万くらい月に貰えるとすれば、だいたい半分くらいの金額がいきなり貰えることになる。20万から家賃や税金など諸々を除けば、ちょうど10万くらいが消費に当てられる額ではある。
私は前使っていたパソコンが7年目に突入していたので、新しいものを買った。ちょうどGWのテレワーク応援セール的なもので、おそらく安く買えたし、パスポートの更新期限が迫っているので、なぜか17000円くらい取られるパスポートの更新費に当てたいと思う。散髪代も地味に高いので、それらを補填できたことは、結構嬉しい。
飲食業界の人達は大変ながらも、徐々に人が戻ってきているかもしれない。飲食業界だけでなく、ネイルサロンとかエステとか、密でかなり長時間の接触を余儀なくされる商売は依然として厳しいかもしれない。
昔好きだった、ごはん行こうと誘いまくってたけど断られまくって、ストーカーになる2歩手前くらいで彼氏がいることが発覚した女の子のインスタをふと見てしまったら、保育士になるために大学へ行っていたその子が、なぜかプライベートエステサロンを開業していた。
なんかすごい人生だなと思っていたが、マッチングアプリを数日経験して、女の子の写真を見すぎていた自分としては、「あれ?こんな顔だったっけな?」と、どうでもいい感情がよぎったが、都内の一等地とは言わないまでも、まあまあ人気の土地に個人で専用のところで開業するって、どこのお父さんから金借りたんだ、と勝手に心配になってしまった。
補填するにも10万じゃ厳しいし、昨年より売上が落ちた事業者に補填が出るなら、今年から始めた事業者にはどうなんだろうか。イマイチ制度がよくわからない。
まぁ彼女も大変かもしれないが、ウェーイ系の彼氏の写真もインスタに載っていたので多分大丈夫だろう。眉毛細いやつおもんないから嫌いだわ。知らんけど。
最近のニュースを見ていると、コロナの逆風を利用して、ここから飲食店を始める人にとっては、好立地の物件がコロナ倒産を機に増えるので、逆にチャンスという事も言っていた。
やはりピンチはチャンスということでもあるんだと思う。コロナを機にテレワークなど働き方が見直されているが、もともと自分としては企業で働くというよりは、個人で何かやる人になりたいと思っていた。
最近では「フリーランスになれば年収○○万円は余裕。」みたいな触れ込みがあるが、実際は人によるだろう。個人事業主というくくりだと、全員が全員そういうものでもないはずだ。ネットビジネスと個人の八百屋では全く異なる。
普通に会社で働いて、時給でも月給でも固定された給料が振り込まれる環境というのは、良くも悪くもある。
簡単に言えば、固定された以上の給料はもらえないし、減ることもない。公務員ならその傾向がより強いかもしれない。
その分、日本は残業代で稼ぐという文化があったが、その文化が淘汰されている業界と未だに根強く残る業界がある。
私の友人が東証一部の無名ブラック企業から東証一部の有名コンビニに転職したが、残業時間の上限が決められているので59時間59分で止めて、超過した分は全てサビ残と言っていた。睡眠時間は3時間と言っていた。
結局ブラック企業からブラックという典型例になってしまって悲しいが、おそらく給料は上がっていると思う。
彼はそんな頭のキレる人間ではないので、一般の人よりは事務仕事などの作業は圧倒的に遅いが、感情を除外したマシンのようにただひたすら働くことにおいては能力は高い気がする。だからこそブラック企業で何年も働けるという事だと思う。
私はそういう生活が嫌だし、耐えられないからすぐに辞めるが、彼と私とでは金に対する価値観が違うと言えるかもしれない。
彼は大学の授業にはほぼ出なかったが、明け方に眠りにつき、昼に起きてバイトへ行くという生活リズムを繰り返していた。
私は当時から学生らしい貧乏生活をしていた。お金をできる限りコントロールして節約して切り詰めて、大学へ行き、ほどほどにバイトをして、どの食材でもスーパーの一番安い商品を買っていたし、惣菜や魚は半額以下のシールが貼られるまで私服警備員さながらに巡回していた。
当時の私が10万貰えたら、今の幸福度の数十倍上がっていただろうが、今の私にとっては、嬉しいものの、なんか淡々とパソコンに使い込んでしまった。
私の友人である彼は10万貰っても使う暇があるのかわからないが、仕事と金に忙殺されているし、やはり金に支配されているような感覚もある。
仕事が好きならそれでいいし、残業も全て悪いということではないと思う。ただ、嫌々残業しても、自分の金をコントロールできなければ、残業代が無駄になるような、そういう感覚が私はすごい嫌いではある。
極端な例かもしれないが、スーパーの割引シールを例に出せば、17時で買えば半額になるものを、16時半に定価で買ってしまうと、それは倍近くの出費をしていることになる。
あなたが17時に帰宅できれば半額シール商品をゲットできるが、もし21時に帰宅していたとなると、半額商品が全て売り切れになっている可能性もある。もちろん、それは運だし、21時になったら、投げ売りで80%オフのスーパーもあるかもしれない。
そんな数百円別にいいだろ、ケチくさいな。と思うのが普通だろうが、それが毎日続けば、損失200円なら300日だとすると6万円になる。
一生に2~3回あるかないかの10万円チャンスであったとしても、人間というのは1年にそれくらいのやらなくていい無駄な支出をしているものではある。
買ったのに賞味期限切れで捨てたり、全然使ってないのにサブスクで口座から引かれていたり、買ったけど着ない服や化粧品なども入れれば、10万なんか余裕で超えるだろうし、一生に換算したら結構な額になると思う。
結局のところ、10万というのはすごい丁度いい金額ではある。無駄にするにも、何かに使うにも10万くらいが相場なのかもしれない。
だからこそ、10万円を貰えると聞いて喜ぶ人とそうでもない人がいる。
うまく自分のイメージを言葉で表現できないが、自分の労働環境と自分の暮らしというのは、切り分けて考えがちである。
田舎暮らしで自給自足でゆったり生きたいというのは、自分の労働力や時間、収入も合わせてコントロールしやすい環境だと考えられる。それは全てが自分で決められるし、何かトラブルが起こっても誰に命令されるでもなく自分で解決できる。
どういう表現が伝わりやすいかわからないが、簡単に言えば「ライフスタイルの燃費」という事になると思う。
労働でも給付金でも10万をもらう手段に始まり、10万円を有効に使うための時間や手段、幸せになったり、ライフスタイルを向上させたりする能力が、これから重要な気がする。
めちゃくちゃ働いて、めちゃくちゃライフスタイルに貢献しない無駄金を支出していたとすると、燃費はかなり悪いと思う。
具体例としては、残業続きのストレスから健康的でない食べ物を暴飲暴食して、夜遅まで起きて寝不足で、健康を害して病院へ行く出費が増える。というようなものは、ライフスタイルの燃費が最悪と言えると思う。
ものすごい収入としては多いし、タワマンに住んでるけど、家事をする時間が無くて家がゴミ屋敷というのも、最悪だと思う。
私の友人もそうだが、収入特化型のライフスタイルだとそうなってしまう。私の友人ももれなくゴミ屋敷の住人ではある。部屋にゴミ箱がないというレイアウトの持ち主だ。
別に本人が望んでそうなっているなら良いと思うが、かといって、私のようにいい歳して極貧生活で暇しているのもどうかと思う。ただ、私のようなやりたくない事をやりたくないという生き方ができるのも、日本の底力ではあると思う。
10万というのは、何か自分がやりたいことを始めてみようというキッカケの初歩の初歩にちょうどいい金額でもある。
10万あれば、だいたい本は買えるだろうし、何かしらの備品も揃うと思う。
10万どころじゃなく、もっと多くの金額を支給しないと不況になると主張する経済学者が多い中、日本政府がどういう計算でキリ良く10万という金額を設定したのかわからないが、考えさせられる金額ではある。
仮に30万だと日本全体の経済的には良いかもしれないが、自分の生活からの主観で見ると、どうも燃費の悪い無駄金を何万か使ってしまいそうではある。
その点10万というのは、ほどほどに慎重になる金額だし、勝負をかけて使ってみたい金額でもある。これで人生一発逆転できる金額ではないし、かといって何の手も打てないような金額でもない。頑張れば有効的に道が開けそうな金額ではある。
ほかの人達は10万についての考え方がどれくらいなのか気になる。
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