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なぜ初心者ほど特化メタを使って負けがちなのか(ポケモン伝説環境対応)(2024/12/31増補改訂)

 上記記事のように、公開のまま残す記事において、表現や誤字の訂正や必要と思われる追記を行うことにしました。
 一度読んだ方でももしお読みいただければ嬉しく思います。

 先日から複数回、ポケモンに関する記事を書かせていただいています。

 以下に20本ちょっとの記事をマガジンでまとめておりますので、この記事をご覧いただいた後、ご興味がありましたらご覧いただければ嬉しく思います。

*前書きは当時のものです。

 さて、GWということで、記事を書ける時間を確保できたので、せっかくの伝説環境の頭ということで書いてみたいと思います。

 皆さんは伝説環境いかがお楽しみですか?
 私は、手持ちアカウントをいつもどおりマスボに上げていますが、今月まだ忙しさが残っているのでランクマッチにいつもどおりに取り組むのが難しいのと、どうせすぐにマスボに上げてもほとんどはコライドン等が力業で殴り合っているだけで参考資料にならないのが目に見えていたので、ハイボの方がむしろいろいろな伝説と戦うサンプルデータがとれると判断し、黒キュレム等の「いけるかいけないか微妙」くらいの伝説を使ってあえてハイボ級に数日とどまって対戦していました。
 今はマスボに上がって対戦していますが、まあある程度予想した通り、あまり伝説のばらつきがまだ見られないですね。

 私の場合、剣盾の伝説環境を伝説2体くらいまではやっていたのもあり、ある程度伝説環境の泳ぎ方の基本くらいはわかっているためか、多少変な伝説を使ってもまあまあ勝てていますが。
 これは本題にもかかわってくるのですが、伝説環境に慣れていない方だと「とにかく伝説に強いメタポケモンで受ける」とか「ママンボウのようなギミックパーツの詰め合わせ」みたいなところばかり目が行くのか、見たところ伝説のパワーをたたきつけることしか考えていなさすぎて一般ポケモンをちゃんと戦力にできてない方が多く、ただそれだけで勝ててしまう試合が多い印象があります。

 あらかじめ言っておきますが、別にこの考え方がその一切の間違いであるとは言いません。伝説環境で最大値を出そうとするとき、伝説を強く使うという発想は当たり前のことですし、一般ポケモンが伝説ポケモンを超えるパワーを出せるわけもないし、特にコライドンといった超火力を受けに行くなら一定の専門家を用意しなければできないというのも当たり前のことです。
 ただ、そもそもなのですが。ただでさえSVはルール上受けに行くには向いていないルールであり、さらに環境初期こそみんな力業に頼るにしろ、少しすれば多様化されることを考えれば、それに頼ってしまうのも危険です。

 ということで、今回はこのうち「メタポケモン」についての話をしてみたいと思います。
 

〇初心者がメタポケモンを使う大きなリスクとは

 以前から記事によく引き合いに出していましたが、私は伝説環境になる前のルールまでに、特に2つの調整のポケモンに感銘を受けました。そのうちの1つが「電気テラスクリアチャーム竜の舞アイススピナーカイリュー」です。
 このカイリューのすごい所は、「でんじは」と「あまえる」と「弱点」という3点を当時はやっていたハバタクカミの主戦力に対してもち、かつランドロスのいかくスタートに対しても明確なプラスを持ち、初手ランドロスとカイリューの対面ができてクリアチャームがバレても、相手はマルチスケイルを削るためにとんぼから入ろうとするところをアイススピナーで撃ち落とすところからスタートできるというところがもはや革命的で、電気技も搭載することでアーマーガアのようなタイプ受けポケモンも突破できるところだと感じました。付加効果として立ち回りでフィールド展開も阻害できます。そしてなにより、命中不安技に頼らない戦法をとれるのが非常に優秀だと感じました。
 勿論環境によってそれが強いかは別の話ですからずっと強いわけではないわけですが、出てきた際の単なるメタのメタにとどまらないパワーは素晴らしいの一言だったと思います。

 さて。どうしてわざわざこの話をしたのか。
 それはこの話こそ「ベテランが使うメタ」と「初心者が使うメタ」の使い方の差が現れるからです。
   そしてその使い方の差が初心者の抱えるリスクなのです。

○「ベテランが使うメタ」は現実的・合理的な運用が事前に想定されている

 さきほどのカイリューの例で考えてみましょう。
 そもそもですが、でんじはカミ、あまえるカミ自体は、強いハバタクカミの一つの型であり、定期的に数を増やすタイミングがあるタイプの基本調整の一つです。
 この2種は使い方がはっきりしているタイプなので、基本的に選出するかどうかは悩むとしても選出した後で動きを悩むタイプのハバタクカミではありません。細かい場面想定までするときりがないですが、一般的に選出したのに(予備知識がない対面の)マルスケが残ったカイリューにあまえるを撃たないなら、多くの場合なんのために選出したのかになりますからね。
 
 また、例えばHBランドロスへの引きのような動きは、裏に選出した時点で物理ポケモンに受けだしてとんぼから有利対面を作ることが想定されているため、いざ受けだしてみたらいかくも入らず竜の舞をされ、アイススピナーでマルチスケイルも削らないまま落とされてしまう等が発生したわけです。  
 
 でもこの2つにおいて重要なのは、「ハバカミやランドロスの戦術自体は間違った戦術ではないし」「選出した後のムーブについてはなにもおかしい動きをハバカミやランドロス側はしていない」こと、要するにパーティーやプレーには異常な誤りがない。むしろ、お互いにお互いが「間違えない手順」をとっているといってもよいということです。 

 つまり。
 ハバカミやランドロス側も、「カイリューという強いポケモンについてどう戦うか」を想定して解決法を真剣に考えた結果生み出した戦術に沿って戦い、カイリュー側も「相手がそのカイリューへのメタり方をしてくることが現実的に想定されているからこそそれをどうメタり返すか」を元に生み出されているのです。
 だからこそ、ある程度動き方が固定化されたメタポケモンをパーティーに組み込み、その選出趣旨を正しく理解し、そうしようと選出してそれをするべき場面が発生した時点で、お互いがお互いの「セオリー化された」手順を打つことになります。そしてそうなった結果、この場合はカイリュー側が超有利になってしまうんですね。

 だからそのメタには「再現性」があるし、「再現性」があるからランクマッチでそのメタがあるおかげで勝率が伸び、結果を出したんですね。

○初心者が考えるメタは「現実的には起きにくい」ものが多い

 この記事で例として出している「初手ラグラージに身代わりジャローダ」のような、メタ的ジャローダを考えてみましょう。
 仮にジャローダが身代わりからなにかするにしても、「他で起点を作ってから」のエース運用になるならともかく、初手にいきなりこのジャローダを投げることは現実的ではありません。つまり、それをわざわざ初手に暴投してくる時点で、私がラグラージを初手に投げると決め打ちしているか、ラグラージを投げられたら本当にどうしようもなさすぎるのでジャローダを投げるしかなかったことになります。

 そのどちらか、あるいは他の理由かは確かめようがないし本題ではないから横におくのですが、その記事でも述べているとおり、そもそもの話としてジャローダを見てしまうと、リスクリターンが釣り合わな過ぎて、普通はラグラージを初手に投げられません。
 こういうものが見せ合いの選出圧力と呼ばれる類のものですね。
 結果、初手にメタ的にジャローダを出してもろくな活躍をすることもなく潰されてしまうわけです。

 このように、初心者の方はどうしてもまだプレイング技術が未熟であることが多いため、「この状況でこう使おう」と考えているその状況がそもそも普通起きなかったりします。もっと極端な例でいえば、メタり方自体が「解決になっていない」場合すらあります。
 
 当然ですが、再現性がないメタをいくら仕込もうと、勝率へは十分に貢献してくれません。メタは状況に合わせたパワー発揮を想定して作られるものなので、メタ部分がろくに活用されないならその型の強みがありませんから、勝率に貢献しないメタを使うのは勝率をむしろ下げかねません。
 雑に言えば、カイリューもガブリアスもいない環境で氷テラスにわざわざするメリットはかなり下がるから、別のテラスのほうがよいよね?といういことです。

 では、そもそもなぜ初心者はこのような「現実的に置きにくい状況へのメタ」を考えてしまうのでしょうか。
 腕が十分でないから、といえば一言で終わってしまいますが、それでは説明が足りませんし、「メタを考えられない」のに「考えてしまう」理由にはなりませんよね。
 そこにも実ははっきりした理由があるのです。

○そもそもベテランと初心者では「メタる理由」が違う

 例えばベテランの方が考えたカイリューの例は、「他に戦う手段も用意できるけれど、より最適な方法、最適な勝率を検討する上で生まれたもの」であり、「このカイリュー以外でも戦えるけどより有利に戦えるように使っていた」カイリューです。
 当然、勝てるにしてもイージーウィンを狙えるならその方が安全ですから、他を多少削ってでもそのイージーウィンが明確に勝率を上向けると判断したのであれば採用されることになります。また、イージーウィンを狙えるにしても、汎用性を切っているまでのメタ寄せまでは普通しません。

 しかし、初心者の方がメタを考えるとき、この前提自体が異なっていることがほとんどです。初心者の方がメタを使う時は、大抵が「○○がどうしようもないからそれを使わないと勝てない」あるいはそれに近い理由で考えられます。
 だから、初心者の方の考えるメタというのは、「よくある状況か」自体がそもそも発想の中にあまりなく、「過去に実際に起きた自分がどうしようもなかったこと」をどうするかということしか考えられていないことが多い。また、なにがなんでもその状況が再度起きたら絶対勝ちたいという気持ちが先行するため、「その状況が起きた時にいかに絶対になにをどうやってでも勝てるか」にばかり思考が寄るので、対象へ過剰なまでのメタ要素を求め、そのメタ対象に「だけ」オーバーキルするようなメタでも疑問を持たずに使いがちです。
 
 だから、基本的にベテランの方がコライドンメタにバウッツェルのようなパワー不足のメタ専用のようなポケモンを持ち出すことは少ないのに、むしろ初心者の方はやたらそういった特化個体ばかりを使いたがることになります。
 つまり、初心者はメタに「頼る」のです。

○メタに頼るということは「動きが固定化される」ということ

 さて、先にメタ自体の有効性の話に限らず、動きが固定化されるということはそれだけ自分がメタられたり、そうなったときに「間違いを打っていなくても」不利になりがち、という話をしました。
 だから、その戦い方が強いとか弱いとかの話ではなく、リスク考慮という面でみれば、本来はそういった明確なメタ行動に頼らず、可能な限り立ち回りで勝てる方がより安全ということなのです。

 しかし、勝利の仕方をメタに頼りすぎる、つまりはメタを活用しないと勝てない状況のままでいるということは、そもそもこのリスクを回避する方法がありません。
 そして、初心者の方ほど型の知識や立ち回りの引き出しが少ないですし、多くの場合は環境の対応も遅れがちたなめに「メタられ返されているかもしれない」という想定もしづらいので、このパターンに陥りがちなのです。

 先ほどのクリアチャームカイリューは、それをされた瞬間にさすがに明確に「あ、やられた」と思えるのでしょうが、世の中には案外初心者には気づきにくいメタりかえしというのが存在します。
 例えば耐久調整です。耐久調整自体は極端なメタではなく戦術上の話になりますがメタといえば当然メタの話で、特定の想定状況に対して強くするのがこういった調整の意図になります。よって、例えばHPが残り1近くなろうと確定で耐える調整になっていればそれはメタといえるわけです。
 もし黒バドのアストラルビットを残りHPが1くらいで相手が耐えた時、初心者はそれがたまたまなのか確定的なのかといった疑いすらなかなか持てません。仮にその調整がメジャーなものだったとして数回繰り返されたとしても、それがたまたまだと思ってしまってもおかしくないのです。
 これ自体はあくまでメタの範疇の話ですが、こういった調整がメタとして用意されたポケモンに対して成立している場合、メタのメタとして機能するわけです。すると気づかないうちにメタが機能しなくなってしまう。

 これがある程度慣れている方であれば違和感というか「普通起きないこと」として認識できることでも、それができないうちにはこういうことになってしまうのです。
 他にも例を挙げればきりがありませんが、逆に言えば個別に覚えるような話ではないものが多いので、ここでは割愛します。重要なのは、「なにかに1点依存する」ことのリスクと、その現象がメタでは特におきやすいということなのです。

〇メタり返しにひっかかるのは初心者に限った話なのか?

 こういうと、「いやそんなの実際に選出してみないとクリアチャームカイリューかなんてわからないだろ」という方がいらっしゃると思います。
 そしてその言葉自体はその通りです。確かに相手がクリアチャームカイリューだという断定はベテランだってできませんから、ベテランだってランドロスを後投げして真顔になります。そもそも開発したのが上級者ということは、引っかかっていた対戦相手も上級者ですからね。

 ただ、そもそもその視点での考え方を少し変えるべきです。

 そもそもですが、このカイリューが投入された直後はこのカイリュー自体の存在をみんなが知らないわけですから、ベテランだろうがなんだろうが回避することはほぼ不可能です。しかし、存在が少しでも認知されれば話は別です。

 例えば私は先述のカイリューが出てきて以降、自分がそのカイリューを使うかはともかく、「カイリューに受けだすことを想定した」ランドロスを使うことはやめました。
 実際最盛期を過ぎても相応数のクリアチャームカイリューは残っていましたし、いざ使ってみたらクリアチャームカイリューだったらほぼ負けが決まるようなリスク行動を勝ち方のパターンに組み込むのはリスクがありすぎるからです。同じ理由で電磁波カミもあまえるカミもよほどの理由がなければ使うのをさけていました。
 要するに、多少決まった時の有効性は落ちようとも、そういったドツボがない動き方のパターンを自分の引き出しから「他の勝ち筋として」用意して
使っていたわけです。
 そして、それは別に私がなにか特別なわけでもなんでもなく、多くの方がそうしたために環境が推移し、結果的にクリアチャームカイリューの有効性が下がった結果数を減らしたのです。
 確かに選出されてみないとクリアチャームカイリューかはわかりませんが、そうであっても問題ない勝ち方を用意すればいいということです。

 また、ベテランの方が「怪しさ」に敏感です。
 例えば、今の環境でんじはがやたら流行っているのに、比較的順位が高い
相手のパーティーは地面タイプもいないし、あまえるでガン止まりしそうな並びだぞ、いくらなんでも怪しい、どこかが地面テラスや電気テラスをするんじゃないのかもしかしたらカイリューが特殊だったりクリアチャームなのか?みたいな。

 このように、ある程度慣れたプレイヤーがメタポケモンを使う際には、メタられていた場合の次善策があったり、怪しい場合は二の手があったりといった対処ができるわけですが、初心者の方がメタポケモンを使うと想定してしまうとそれができにくいため、「限った」とはいえないものの「初心者のほうがより起こりやすい」ことではあるのです。

 だからこそ、初心者の方は、いかにとりあえずは「それができる」水準に自分を持っていけるかが重要になってきます。

〇具体的にどうやってメタ特化に頼らず戦うのか

(注・書いた当時は剣盾で使われていたスカーフサンダーの例を書いていましたが、SVだとあまりに参考にならないため削除しました)

 とはいえ。
 ここで話を終えても「で?どうすればいいの?」「いきなりすぐ上手くなるわけじゃない」という方もいらっしゃると思います。
 いきなりすぐ解決する方法はありませんが、要するに必要なのは「より安全な方法をとれるようになっていくこと」「より無難な方法を選べるようになること」なので、ある程度指針的なものを2つ提示しましょう。

 一つめ。「後から無理やり受け」で対処しようとしないことです。

 そもそもバウッツェルの例は、「相手の行動を見てからぶんなげて受けて解決しよう」としているから、それが可能な本当に限られたポケモンを無理やり使おうとしてしまうのです。
 例えば黒バドレックスをはじめとした早い伝説には、相手が早すぎるからこそ受ける面でこそ対応したくなるのですが、スカーフ運用がされているケースでなければ自分の側がスカーフを使うことで先に殴ることは可能になります。この発想の場合、環境トップクラスの素早さを持つポケモンのさらに上をとろうとしているわけですから、ある程度汎用的な強さをもつポケモンでそれを試みれば、他のポケモンに対して弱すぎて使えないというようなことにはあまりなりません。

 とはいえコライドン等のような特性もちの場合、いかくやプレッシャーといった特性持ちにスカーフをもたせても、特性の発動順番でスカーフをもっていることがバレてしまいます。
 この場合、どうしてもそういった特性をもっているものにスカーフをもたせて上から殴りたい場合、とんぼ返りから対面させるなどのサイクル下でしかけに行けば悟らせずに済みますし、そもそもそういった特性をもたないものを使えば悟らせずに有利をとれます。また、逆にあえてそう言った特性をもつものにスカーフを持たせて初手に出すことで相手のがスカーフかを判別することも可能です。

 そもそも特化系でなくても相手の攻撃を受けられるかなどは、どうしても一定の知識量が必要な部分になってくるので、初心者が考えるには不向きなジャンルです。もう少し知識がつき、ダメージ計算を含めて対戦の想定ができるようになってからのほうがよいでしょう。

 2つめ。同じメタりかたなら環境上強いポケモンでメタることです。
 初心者の方は、基本的に、環境上普通使われていないような弱いポケモンは使ってはいけません。あえて「いけません」と書きます。
 というのは、「環境上強くないポケモンを使って勝つ」のは、メタとかそういう次元の話ではなく、普通にベテランだって難しいことだからです。縛りプレイみたいなものになるからですね。それなのに初心者の方がそれを使うのは、あまりにも茨の道すぎます。

 例えば同じいかく持ちでも、ランドロスとギャラドスとガオガエンはそれぞれ役割が違い、ベテランはそれを正しく使い分けます。しかし、ポケモン自体が持っているパワーは明らかに差があります。当然ですがパワーの高いポケモンの方が汎用性があり、多少特化していても数値で最低限の活躍ができます。
 よって、もしギャラドスやガオガエンでないとどうしてもいけないというのではないなら、この場合はランドロスを組み込んでください。さらに言えば、パーティー構築を考える際、ギャラドスやガオガエンを組み込まないといけないパーティーになるならそもそもそれを再考するべきです。

 念のためですが、これはベテランの方に向けた話ではありません。あくまで初心者の方向けの話です。要するに使うのが難しくないものをなるべく使うことで、結果的に過度な特化を防ぐことができるということです。
 この場合でいうギャラドスやガオガエンを使うのは、ある程度慣れて勝てるようになってからにしましょう。

 ちなみに。特にカジュアル志向の方ほど、「いや、私はこのポケモンが使いたいからランクマッチをやってるんだ!」的発想の方もいるのですが。あえて申し上げます。それは純粋に優先順位が間違っていると。
 ポケモンを楽しむ方法は個人の範囲であれば自由であり、優先されるべき遊び方なんてものはありません。ランクマッチという場に踏み出すよりも楽しい遊び方があるならそれをすればよい。でも、ランクマッチに踏み出すならランクマッチとしての優先度に従わないとスタートができません。
 ランクマッチの優先度はあくまで「上手くなる」「勝つ」といった「勝負」であり、特定の個人の拘りではありません。どうしてもその拘りを維持したまま対戦をしたいなら、ぜひそれはカジュアルマッチで楽しんで下さい。場に沿った取り組みをされることをおすすめします。 

〇学習上はメタでイージーウィンを狙うのは避けるべき

 ただ、そもそもの話をするのですが。

 勿論人間一方的に負け続けるとしたら嫌になる人が多いでしょうから、ある程度続けていくために、とりあえず目の前にできるだけ勝ちたいという気持ちは痛いほどわかります。
 しかし、そもそも初心者の方がメタを使って目の前に勝つことは、長期的にみれば学習上好ましいとは言えない面がるのは事実です。

 確かに、「メタりかた」であったり、「環境を想定することを勉強する」といった、「学べた後から見れば」学習として役立つこと、知っておかなければいけないことを応用するべきことは多いです。私がこうやって偉そうに書いていけるのも、「基本を理解したうえでメタについて考えられる」から「確かにメタを使おうとすると色々な知識を使うことがわかる」ので、「正しくメタを考えられるようになれるなら学べることも多い」となるからであって、要するに「振り返れば」という話です。

 しかし「これから学ぶ」という視点でみると、どうしてもそういった学習面を置き去りにして強引な特化を使用しての目の前にばかり集中してしまい、先ほどから述べているような初心者の方が避けにくい落とし穴にはまった時に抜け出しにくくなります。
 そいういった勝ち方、あるいは負け方を初心者のうちに繰り返してしまうと、続けられたとしても、過程の勉強のことよりイージーウィンをの成否だけで結果が決まるだけの試合を延々繰り返してしまう危険のほうが高いのです。
 なぜなら、そもそもメタポケモンを使いたくなった経緯からして、初心者ほどメタポケモンに頼ったうえで負けた際にこう思いがちだからです。
 「相手が対策していたから負けた。運が悪かった。」
 「対策してない相手に勝てるならそれでいい。連続して対策してない相手にあたるといいな」
 もしかしたら立ち回りだけでもなんとかできたかもしれないものを、なまじっか事実として対策していない相手にはそれで勝ててしまいがちだったり、初心者ほど対策していない方が多いために、結局同じパターンを繰り返してしまい、「負けない方法もちゃんとあった」ことを学べなくなってしまいがちなのです。

 そもそも、メタを正しく使うために勉強するというのは、普通にプレイングを勉強するということですから、学習を進めている途中で不十分だから勝てないけど目の前を勝つためににメタを使うことに頼り始めたら、人間それを続けたくなる方が当たり前だからですね。

 なので、気持ちが許す限りはこう思うべきです。
 「今はまだ多少負けるのは仕方ないんだから、色々やってみよう」と。 
 例えば有名どころのポケモン相手でも自分が思ってもみない負け方をしたら控えておくとかをして引き出しを広げておくだけでも絶対に学習にはいいですよ。

 大丈夫です、もしげんなりしてきたら、コライドンを使って超火力を叩き込む作業をしていれば、半分かそれよりちょっと少ないくらいは勝てますし、マスボに上がることはできるでしょう。
 ただ、個人的には特にSVではマスボ級に求められる水準に微妙さを感じています。そもそもレンタルパーティーシステムなどで準備のハードルが下がり、受けが勝ちにくいために超火力の力業の押し切りを繰り返していればマッチング次第では連勝も難しくないため、いろいろな技術を身に着ける前にマスボ級に上がれてしまうことが不可能ではありませんし、伝説環境なら猶更でしょう。
 なので、あくまで私の見解にすぎませんが、特に伝説環境では目標地点をマスボに置くのはやめたほうがいいのではないかと思います。おそらくその目標地点は、現実的には今までほど価値あるハードルではなくなってしまっていると思いますので・・・。

〇まとめ

 ということでまとめてみたいと思います。
・初心者の使う「メタ」とベテランの使う「メタ」の目的は同じではない
・初心者が特化メタを使ってしまうと引き出しが少ないために動きが固定化されすぎてしまう。
・ある程度慣れてくれば、特化メタを使わなくても十分たたかえることも多い
・ある程度の応用範囲があるパーティー構成を組むのが重要なのは変わらない
・特化メタが刺さるか刺さらないかだけを繰り返しても勉強にならない。将来勝てるようになるために、ある程度今勝てなくても仕方がないと思うべき

 いかがでしたでしょうか。
 まあもう少し様子を見てみないとわからないわけですが、スペックの低い特化メタみたいなポケモンを使っている方をたびたび見かけ、そもそもそれだけでパーティーのパワーが落ちているのが明らかだったりしたので、今回こういった記事を書きました。
 まあ現実的に、コライドンを使っている時にソウブレイズを出されるパーティーにあたっても普通に勝ててしまいましたし、使い方にもよるでしょうが、正直何とでもなるものなのです。

 伝説環境が初めての方、復帰された方などもいらっしゃると思います。
 少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

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