SVランクマ レギュレーションGとHに関する私見
先日から複数回、ポケモンに関する記事を書かせていただいています。
〇 ランクマッチで勝ちたいなら「ダメージ計算」をできるようにしよう!|へる (note.com)
〇「初手出し負けリスク」からプレイングで重要なことを学ぼう|へる (note.com)
〇なぜ飛行ポケモンに対して「じしん」を打てるのか|へる (note.com)
〇やたら細かい努力値の振り方ができるためにはどうすればいいのか|へる (note.com)
〇「ダメージ感覚」を身に着けて効率的に上手くなろう|へる (note.com)
〇なぜ初心者は「過去にだけ流行した型」を使うべきではないのか|へる (note.com)
〇「新しい型を積極的に作る必要があるプレイヤー」と「そうすべきでない初心者」は何が違うのか|へる (note.com)
〇ポケモン対戦初心者が絶対に抱えてはいけない「悪い癖」を知ろう|へる (note.com)
〇どんな人が「ポケモンで対戦環境を気にしない」せいで上達しにくいのか?|へる (note.com)
〇ポケモン対戦の初心者が自分のプレイングの間違いに気づく方法とは?|へる (note.com)
〇初心者が絶対に触りつづけるべきではないポケモンやパーティーはなにか?|へる (note.com)
〇ポケモン対戦の「リスクケア」とはつまりなんなのか|へる (note.com)
〇ポケモンのランクマッチでは、「十分に勝てていない」パーティーを使い続けないようにしよう|へる (note.com)
〇どうして初心者は対戦相手に自分の構築がバレていることに気づけないのか|へる (note.com)
〇ポケモン対戦の「選出読み」はどうやってできるようになり、そもそもなぜできる必要があるのか|へる (note.com)
〇なぜ初心者ほど特化メタを使って負けがちなのか(ポケモン伝説環境対応)|へる (note.com)
〇ポケモン対戦における「一撃技の弱さ」「一撃技を連打される弱さ」を認識し、プレイングの質を上げよう!|へる (note.com)
〇ポケモンのランクマッチはどういう場なのか|へる (note.com)
〇ポケモン対戦でどうして初心者は「客観的に謎の判断ミス」で負けてしまうのか|へる (note.com)
〇「ゴチルゼル」からポケモン対戦で重要なことを学ぼう!|へる (note.com)
○どうして「プレイングの破綻」を放置するプレイヤーは上達しようがないのか|へる (note.com)
○SVランクマッチで2か月たってもレート1600台に普通に乗り続けられない方に知ってほしいこと|へる (note.com)
○私がザシアンを「自分が使う」意義が最後までわからなかったワケ|へる (note.com)
多くなってきましたのでいくつか削っていますが、もしご興味があれば私の記事履歴をご覧いただけますと幸いです。
なお、あまり詳しくないのですが、「マガジン」という機能で記事をまとめられるらしかったので、一部まとめてみました。よろしければご利用ください。マガジンへの追加を忘れている場合もありますが・・・。タイトルは変えていませんが一応4月の記事まで対応しています。
その他初心者の方に役立つかもしれない私の記事(202402)|へる|note
ポケモン対戦初心者が知っておくべきこと編(202402)|へる|note
ポケモン対戦初心者がすべきでないこと編(202402)|へる|note
*後日補記
この記事に関連して、後日このような記事も書いています。
もしご興味がありましたらご覧ください。
次のレギュレーションが発表されましたが、現在レギュレーションGのランクマをやっている最中とはいえ、ネットを見ていて、おそらくこれはこのタイミングしか書けなそうだなと感じたので、臨時で記事を一つ書くこととしました。
それがこのレギュレーションはよいものなのか?という趣旨の話です。
まずこれから書くことはあくまで「客観的な視点でみたもの」であるという前提の話ですが、お読みいただいている方からすれば書き手の主観も念頭に置いて読みたいたぐいの話だと思うので、主観を提示すると。
レギュレーションGはレギュレーションFよりマシだがクソルールだと思います。
レギュレーションHは少なくともレギュレーションGよりよいルールだ、と思いますし、過去最高ルールになってもおかしくないと思います。
しつこいですが以下の話はその主観からはある程度切り離して書いているつもりですので、そのつもりでお読みください。
○「対戦競技」 という視点で見た時に望ましいのはどういう環境なのかを一度定義する
これからの話をする上で必要なので、まず最初に正直に告白しますが。
私は主観面では圧倒的強烈過激強硬超絶ダブルバトルアンチです。
普段から「ダブルバトルをポケモンと扱わないでほしい」と言うレベルで、私よりダブルバトルが嫌いなプレイヤーに出会ったことはありません。だから私の記事でいう「ポケモン対戦」というのは全てシングルバトルです。
勿論「好きかどうかという主観」は個人が自由に持つものですから、当然ダブルバトルが大大大好きな方のことをどうこう言う気はありませんし、そんな権利もありません。ただ、私とは多分仲よくポケモンをできないと思います。
さて、なぜ、そんなことおもろくないことを最初に言うかというと。
それは私ほどの圧倒的強烈過激強硬超絶ダブルバトルアンチであっても、「公式リアル大会がダブルールで行われているのは無理もない」と思っているからです。
私がダブルバトルを嫌う最大の理由は「ゲームの仕様上(現実的環境展開の話ではない)」は、「一度強引に有利をとったほうが有利になり続けるデザイン」だからです。簡単に言うと、「2対2」 より「2対1」の方が当然仕様上有利になりますが、これは先に有利状況を作ったほうが有利を確定させるということで、現実的にどこまで捲れる環境かはともかく、ゲームの基礎仕様として「有利な側がより有利を押し付けられる」、つまり「先に押し付けた側が有利になる仕様」なのです。
これが理論上対戦にどう作用するかというと、「ダブルバトルは派手な仕掛け合いが発生し、有利をとった側がそのまま押し切りやすいので、TODにもなりにくい」はずなのです。
私自身は一切ダブルはしませんので詳しくありませんが、ざっとネットで調べた限りでも、現実にほぼTODは起きないようです。いやまあ仕様上そりゃそうなんですけど。
この「派手な仕掛け合いが発生し、有利をとった側がそのまま押し切りやすいので、TODにもなりにくい」性質が、競技シーンにおいて、「観客に見栄えもするし、大会として成立させやすいし、より多数の人が見ていて楽しいと感じやすくなる」ように働きます。
だからダブルが公式大会のメインなのはやむを得ないと思うのです。
だって、「公式大会決勝戦!ママンボウでクイックターンした後グライオンでTODして勝ち!」って、あまりに映えないし虚しいですよね。競技大会の決勝戦として。
そしてこの話がなににつながるかというと、単純により多くの人聞が競技として楽しいと思う環境というのは、要するにそういう環境だということなのです。だから公式大会がそのルールで行われるわけで。
つまり、
「お互いが最後までちゃんと攻め合い」
「謎なちゃぶ台返しみたいなのが(皆無ではないにしろ)起きすぎず」
「手持ちポケモンが全部倒れて終了する」
環境であるということです。
私個人としてはそれよりも「攻守が均衡して幅広く戦える環境である」ことが「競技としてのバランス調整として正しい」と思っています。攻守が均衡するからこそTODが起きる状況になりうるわけで、TODが良いルールとは全く思いませんが、TODが起きえない仕様はただのバランス調整ミスだと思っています。
だからこの考え方に賛同は一切できませんが、とはいえ一定の理解は示さざるを得ません。
この考え方をこの後「ダブルバトル理論」と表記し、今後これをベースに考えていきます。
○そもそも新規参入を害悪や受けが強すぎる環境では阻みやすいことも「ダブルバトル理論」を裏付けする
先に申し上げますが、私個人は受けループ大好きマンです(一撃技を入れた受けループは受けループではなくただの迷惑パーティだと思っていますが)。
エルフーンも大好きです。しかし客観的には受けループやエルフーンのようなポケモンは、初心者を楽しませない方向に明らかに働くことも理解しています。
受け崩しゃ害悪崩しは一定以上の技術が必要となるので、本当に対戦を始めたての方はまず突破することができないのですが、そのうえでなにが起きるのかというと、試合時間中延々同じことを遅延された上で繰り返し、無駄に時間を消費したうえで負けることになります。これを面白いと感じる人間が全体の中で異質なのはわざわざ説明するまでもありません。
それに対して、お互いがバンパン殴り合っていれば、負けた側も対戦した感を持てるので、さすがに気の持ちょうとしてマシなわけですが、これが先ほどのダブルバトルの話をわざわざしたとおりです。
つまり、あくまで全体多数の利益という面でいえば、「受けるより殴る方が強い環境の方が面白いと感じる人が多い」 ことは客観的に明らかなのです。
細かい話は色々おいておきますが、レギュレーションFとGで最も環境に影響を与えたのは、「伝説の使用が可」になったことと、「サーフゴーが空気化」したことです。
私は古い世代の人間なので、そもそもランクマッチで禁伝を使えることが好ましくない人なのですが、そういった本当に主観的な話をしてもしょうがないので、ここから書くのはもう少し客観的な話です。
この2点の要素は「害悪系・受け系の風向き」について完全に逆ベクトルの効果を本来発揮する要素ですが、現実は例えばひたすら受けに行くパーティーは環境に耐えられなくなり数を減らしました。
要するにメタポケがいなくても、ガン殴り性能が上がれば不快系は減るということです。これはある意味当然の話で、害悪系は基礎性能が高くないから害悪プレイになる、あるいは害悪プレイをする用の個体だから基礎性能が低いわけで、力業で吹き飛ばされる最低値が上昇すればその分排除されます。
サーフゴーを好ましく思うかは様々でしょうが、サーフゴ一、最低値を下げた状態では存在しうる各種多様な害悪系へ初心者でも一定程度対応できるようにすることで、最低値を下げた状態でも殴り合いに環境を促したり、初心者の不快感を和らげるためには必要悪といえるのかもしれません。
そもそもポケモン対戦の歴史としても、いばみが弱体等を含め、「不快感の低減」 に力を注いで来られていることがわかります。そりゃ何百戦もする想定の環境で毎試合ひたすら不快感を感じるものが流行るはずはありません。客観的に正しい判断なのは明らかです。
この観点からも、「客観的な競技上の良環境とはなにか」検討する上で、ダブルバトル理論を裏付けられるといえます。
○ランクマで使えるポケモンの種族値最低ラインを下げるほど害悪が増えてしまう
いわゆる種族値の低いポケモンでも戦える環境にするということは、要するに「攻める側が弱くなる」ということです。そうでなければ種族値が低いポケモンは吹き飛ぶだけですから。そうなると、種族値が低いから害悪戦術に頼るポケモンがより使いやすくなってしまいます。
すると傾向としてはダブルバトル理論とは逆行するわけですから、「一部のそういうのが好きな人」を除き、「競技として面白いと感じにくい環境」に向かうことになります。
つまり、いわゆるカジュアル方面の発想、「この相棒を使いたい」とか、そもそも勝ち負けより趣味に走りたい方面の発想、「受けループを使いたい」とか(Svはテラスタルの仕様上より多く勝ちに行き成果を得るなら受けループを使うのは客観的に正しい選択ではないのでこの表現をしています)。そういった「ただの主観面重視方向での発想」でいえば、TOD最高!だったり俺はウツボットを使える最高!になるはずですが、客観的にみた競技性を整備するうえではプラス要因とはならないのです。
そして、「競技としてよい環境の整備」という視点で考えた時は、私の、あるいはあなたの個人主観には沿わなかったとしても、意見としては聞いたうえで、それが必要ならそれは私ゃあなたのわがままであると切り捨てるべきです。だから、そういったことを考えなくてよいカジュアルバトルのような別の場があることも意味が出てきます。
一概に決めつける気はありませんが、1戦にどれだけ時間がかかってもいい方は、「多くの対戦数潜って成果を目指すランクマッチとして望んでいる」のではなく、「たまに楽しく対戦できればいいしポケモン対戦で好きなもので遊びたい」と思っているだけな傾向が強いと思っています。
毎試合試合時間いっぱい使い切る試合を100戦単位でやれるのは、かなりコアな層な上に大量に時間がある方だけなので当然ですが。1試合3分違うだけでも100戦やれば5時間分変わりますし、100戦以上を想定しない方がランクマッチで上の順位を目指していくのはほとんどの方には物理的に不可能で、しょうからね。
だからそういった方は、カジュアルパトルやフレンドパトルといった、「競技としての環境の整備の必要がない場所」で好きに楽しんでいただくのでよいとなるわけです。
勿論個人の主義主張をすること自体は誰にも否定される理由はないのですが、逆に個人の主義主張を全て肯定する理由もないですから。
○レギュレーションGはよい環境なのか
さて、ここまでであくまで競技環境の整備としてみた時にダフやルバトル理論には一定の正当性があることが伝わればよいと思うのですが、このダブルバトル理論に基づいて考えた時、レギュレーションGはどうだったのでしょうか。
シングルの宿命としてTOD自体は発生するとして、まず、害悪系の絶対数自体は前述のように、火力過多のために減少しました。ホームの情報云々以上に、ランクマのマスボの競技レート水準にとどまっているプレイヤーでみれば、間違いなく減少しています。また、そこまでいかずとも、ミライドン効果もあるでしょうがあくびガチグマのような強引な数値受けも比較的減少したため、この点はダブルバトル理論的には加点要素でしょう。
ただ、ちゃぶ台返し的な要素は残念ながら「かみ合い」が圧倒的に増したと言わざるを得ません。
これは別に必ずしも「運ゲー」ということが言いたいのではないですよ。
要するに「見れない範囲が広がりすぎて対応しきれない」的な意味です。
伝説個体のパワーが他とかけ離れているため、例えば黒パドを使っていたら意味不明ノーマルテラスで黒パドが落とされて、プレイングとしても構築論としても絶対正しかった側が圧倒的不利になることすらあるのがわかりやすいと思います。
前にも謎テラス問題はあったという方もいるでしょうが、その程度が違います。
マッチングを乱数といっていいのかはわかりませんが、ぶっちゃけ不利伝説を引き続けて勝ち続けるのは容易ではなく、だからこそ環境読みが重要だとしても、実際にマッチングする相手がレアものだろうがあたったらどうしようもないので、そういったじゃんけん要素も剣盾以上にあると思います。
また、完全にプレイングを放棄したのか、脳死ででんじは即押しゲーみたいなのに頼る人にもあたりますが、確かに、これは初心者の方には上手く伝わらないかもしれませんが、ここまでの環境の謎びっくりテラスや1ターン麻庫は、腕の差があればある程度までは立ち回りでなんとかなる範囲でしたが、レギュGでは無理なことも増えましたが、最上位勢が1桁順位を争う中ならともかく、私のように4桁上らへんのレート帯で運ゲしてたところで、いったいなにが得られるんでしょうね・・・。
よって、これは明らかな減点要素と言っていいと思います。
なので、少なくとも客観的にみればG というルールが通算で、見た時に上位に来るようなルールで、あることを肯定するのは難しいのではないでしょうか。
○レギュレーションHはよい環境なのか
今度発表されたレギュレーションHですが、SNS上ではこういう見解を比較的よく見かけました。
・神ルールで、ある(伝説がいなくなったことで使えるポケモンが増える路線が多い)
・カイリューサフゴガチグマが強すぎるだけ
私個人の懸念点としてはアカツキガチグマはいても水ラオスがいないために、変な害悪受けのようなものが大量発生してしまうと、環境としてプラスにならない気がします。
カイリューのアンコールのような防止策もあるのである程度は大丈夫だとは思いますが。
だからこそ、この2点において前者にとっては「多くのポケモンが使えるようになれば競技的によいルールとは限らないのではないか」、後者としては「ハパカミとパオジアンがいなければカイリューサフゴガチグマをどうにかできる方法は明らかに増えるので、それはやってみないとわからないのではないか」と思っています。
ただ、そもそもの話として、「カイリューサフゴガチグマが本当にぬけて強かった」として、それが別に競技環境として絶対悪いとは限らないのではないでしょうか。前述のように、例えばエルフーン!グライオン!攻撃が弱すぎてなんでもできるぜ!より競技環境として客観的に好ましいはずです。
まあこれは客観的な視点として言って許されると思うのですが、おそらくランクマでは伝説を使いたい層より使いたくない層の方が実数は多そうだということではないでしょうか。それが「神ルール」という反応が多い理由なのかとSNSを眺める限りは思いました。
実際、伝説ポケモンの攻め性能は圧倒的過ぎる・・・というかそうでないとルギアといった不快系伝説が強くなりすぎるので・・・とは思いますので、この反応は自然と思いますが、
伝説を使いたい方が競技志向がないとも思わないので、理想を言えば伝説が使えるランクマと使えないランクマの2つを用意すればいい気はしますね、可能かはおいておいて。
少なくとも客観的にみれば、ダブルバトル理論で、いえばアカツキガチグマが一定の牽制を行いながらG よりは環境全体の火力をおとしたと考えると、レギュFよりはよい環境となることが見込まれるのではないでしょうか。
多少これは主観もまざってしまいますが、サーフゴーとアカツキガチグマまで禁止してしまうと害悪系が多くなりすぎそうだし、アカツキガチグがいるならカイリューを禁止してしまうとそれもそれで、パワーバランスが崩れるので、競技環境の整備として努力したラインを設定したと考えられると思います。
ダブルバトル理論でいうなら、例えば結果として「チョッキガチグマ最強リになるようなら競技環境としては正しいでしょうし、「あくびガチグマ最強!」になるならルール設定が不十分だったことになると推論できますね。
○終わりに
この記事の根幹としては、「良環境かどうか」は「個人主観として面白いか」とは違う視点の話で論じる必要があり、特定個人が面白いかどうかは(大きく)関係ない客観的に考えられるもの、というところがあります。
ルールを設定する運営側としては、競技としての成立や競技プレイヤーの人数確保といった視点、で、ルールを考えるべきであり、競技の参加者である私としては、競技全体の繁栄を私個人の主観より優先しろとは当然思わず競技上良環境であることを望むだけです。
ただ、それはそれとして。個人の主観を運営が取り入れるべきとは言い切れないものの、主観を述べることや、さらに言えば客観的な根拠づけの上で主張することが間違っているわけでもありません。
なにかしらルールに関する主張があるようなら、過度なわがままでな
い範囲で要望を送ってみたりするのは皆様の権利だとは思います。
実際来月になってどんな反応が増えるのかは楽しみなところですが、皆様にとってよりよいルールであることを願います。