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文系の数学 重要事項完全習得編

古本屋で見つけたので買ってみた。
動画チャンネルで紹介されており、本屋で立ち読みしても、なかなか良さげだったが、息子は理系だし使わないだろうと買っていなかったが、安かったので買ってみた。

少しやってみた感想は、何よりも解説がいい。例題の解説は、単なる解法の説明だけでなく、そのテーマの本質的な説明や注意すべき点、陥りやすいミスにまで触れられ、例題を解いて解説を熟読すれば、隙がなく応用の効く知識が身につくだろう(この本は解説まで読まないと良さが活かせない)。
問題数は、ⅠAⅡBで例題152題と少ない(基礎問題精講の半分くらい)が、どれも入試の典型問題で、即効性が期待できる(網羅度が高くないというのなら、後で青チャートで補えば足りる話だ。)。問題のレベルは、典型でひねりがなかったり誘導があったりして、取り組みやすくはなっているが(青チャートのコンパス3くらいがボリュームゾーンか)、ちょっとひねったり誘導をなくせば、本格的な問題に化けそうなものも含まれている(113は球に内接する円柱の体積の最大値を求める問題だが、平成31年京大入試の第5問は、球に内接する四角錐の体積の最大値を求める問題で、誘導がなく、ちょっと断りが必要なだけで考え方はまったく同じだ)。例題をこなせるようになれば、(30年前の感覚では)全統記述で文系なら偏差値65はいくだろう。

本書の難点を言うならば、例題は、問題のすぐあとが解答となっているところで、青チャートや基礎問題精講のように解答の前に指針を記載する形式であれば、ヒントは小出しにして自力で解けるかを確認するという利用方法もできるのにと思う。
また、120題ある演習問題の位置付けがよく分からないところだ。一対一に対応している訳でなく、分からなければ、どの例題に返ればいいのかよく分からない。例題で解法を学んで演習で試すという利用方法ではなく、卒業試験のような位置付けなのだろう。とはいえ、演習問題の解説も、最初に指針が示されて丁寧で、なかなか良さげだ。

息子には、学校で使っているシニア数学演習を使って網羅的に勉強をしてもらおうと考えていたが、定期テスト範囲はともかく、積み残している部分は、本書で代えるのでもいいかと思うようになってきた。

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