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39歳のハローワーク③2年目の転機と日記抄
前回、39歳のハローワーク1年目で『継続』を発見した37歳の私。今回は38歳で始めた新しいアルバイトでの新たな人生の発見について(これこそが39ハロワ最大の収穫)書き始めてみたいと思う。
腰掛け仕事で始めたアルバイト
『39ハロワ』を始めて1年が過ぎようとしていた頃、私はしばらくの間の腰掛け仕事として新しくアルバイトを始めたのだった。そこは以前からずっと好きでたまーにお茶を飲みに行っていたカフェだった。
まず大前提をいうけれど、好きなお店で働くというのは絶対にやめた方がいい。中身を知るとがっかりすることは間違いない。これは私の人生経験でちゃーんとわかっていた。けれど私はまたやってしまったのだった。つくづく懲りないやつだなと自分でも思う。
そのお店に求人が出たのをインスタで知った時、時間的な条件がぴったりだったこと、仕事内容はカフェのお菓子を作るだけでホールに出る必要がなかったこと、長年お店のインスタを見ていてもわりと従業員の定着率が良さそうだと思ったのが決め手だった。
ちなみに私は結婚する前にパティシエをしていたので、お菓子を作る仕事はまぁ『できること』の範囲内ではあった。
面接に行くとその場で採用が決定した。面接時にも「ホールには出たくありません、私には無理です」とオーナーにしっかり伝えた。
当時、長年そのお店で働いていたパティシエさんが育休に入るための代打みたいな感じで入ったので、働くのはせいぜい1〜2年かなという算段だった。
パート主婦仲間との出会い
私はお店がモーニング営業をしている時間帯の2〜3時間だけ入ることになり、当時産休を控えた現パティシエのミクさん(仮名)から仕事の引き継ぎを受けることになった。
朝の時間帯なので他の主婦パートさんが一緒に入って仕込みやモーニングのホール業務をしていた。
主婦メンバーは(以下全員仮名でお届けします)オーナーの奥さんであるチナミさんを筆頭に、現パティシエで産休を控えたミクさん、お店のベテランで新婚のユミちゃん、私より半月前に入ったばかりのサオリちゃんがいた。
産休を控えたミクさんはお店のオープン時から働いていることもあって、オーナー夫妻からは絶大な信頼を得ていた。
後で詳しく書くけれど、このメンバーとの出会いこそが私の人生に新しい発見をもたらしてくれたのだった。
いつの間にか身についていた『スルースキル』
お店に入ってすぐ思ったのはやっぱり『がっかり』だった。おしゃれに見えるカフェも裏はひどく汚れていて、道具もぼろぼろだった。バックヤードが汚いというのは、ほとんどすべての飲食店に当てはまることでさほど驚かないけれど、このお店はそこら辺のお店よりもずっと汚くてぼろぼろだったし、不衛生さとか、仕事の無駄さもすごく目立って、その衝撃が大きかった。しかし私もこの歳になって、こういう場面でのスルースキルをいつの間にか身につけていたらしい。
二十代の私だったら色々と勝手に業務改善に乗り出し、周りから疎まれていただろうが、とにかく今回は心の中で「うわっ」と思っても、口に出さずスルーすることにした。腰掛け仕事として割り切ることができるようになっていたのだ。
2年目の日記から
こうして39ハロワの2年目は、美術モデルとカフェのアルバイトをゆるくこなして過ぎていった。日記帳を見返してもほとんど空欄だが、たまに書いてあることを抜粋すると、こうだ。
2022/4/30(土)
健全な人は、サボり方まで健全。
「絶望」 カフカ、変身
まわりの人すべてが自分のじゃまをしていると思っていても、
邪魔をしているのは自分自身。
2022/5/23(月)
何回も何回もおなじ失敗をくりかえして、
何故わからないんだろうか?
→フロは早く入る!!!
2022/10/10 (月)
YouTubeで又吉さんと山田五郎さんとのコラボ回をみる。「結婚しては、仙人の暮らし(=好きなものに囲まれる暮らし)は出来んぞ」という言葉が胸に刺さる。また、『通(かよ)いの仙人』というやり方もあると五郎さん。
2022/10/24(月)
おじいちゃんの誕生日。今年はもういない。
2022/10/26(水)
(イラストのみ。シティーハンターの冴羽獠を水彩画で)
2022/11/5 (土)
私のなかの概念のほとんどは、今まで見たり聞いたりしたものでできていて、自分で感じたことではない。たとえば結婚は『ふかふかした、あったかい幸せ』(ドラマ水曜日の情事より)。冬は寒いというのも、時間は守らねばならないということも、実感よりは外から植えつけられたもので、自分で発見したことといえば、ドーナツの味はぼんやりしたものだとか、そのくらいのこと。
・・・・・・
日記抄おしまい。
というわけで、アルバイトで見つけた『人生の新しい発見』は長くなるので次回へ。