レイキとチャネリングと前世療法〜平凡な主婦だった前世のお話

前回お話した断酒の時期、私はレイキの施術とアチューメントを受けていました。
きっかけは10年来の手足のしびれをなんとかしたいという気持ちでした。
整形外科でレントゲンを撮り、ヘルニアの診断を受けたのですが、医者にかかれば休日は1日潰れるし、保険のきかない鍼灸や整体は費用がかさむ。初期費用はかかっても、自分でメンテナンスできるようにならないものかと考えていたのです。
断酒の成功とレイキの関連性はわかりません。私に施術とアチューメントを担当してくれた方は、レイキの効果としたかったようですが、たとえそうであっても証明できないのはいかんともしがたいのです。
なので、話を複雑にもしたくなかったので、前回はレイキのお話はしませんでした。
で、今回のお話ですが、メインはレイキではありません。
私がレイキを受けたところは個人ではなく、レイキに限らずスピリチュアルなサービスを提供する企業でした。そして、私が受けたレイキのコースは修了後に、チャネリングと前世療法の無料体験がサービスでつくものでした。
チャネリングも前世療法も未経験でしたが、聞きかじり程度の知識はありました。

まずはチャネリングから。
何でも質問して下さいと言われたものの、本当の悩みを相談するのは気が引けました。望まない未来を宣言されればつらいし、望む未来を告げられば、その選択肢に囚われてしまう気がしたからです。
仕事や家族のことで、あたりさわりのない回答を引き出すような質問の仕方をして、チャネリングは終わりました。仕事について当時描いていた数年後の未来予想図について尋ねてみたのですが、「そうなっている姿は見えない」と答えられたのを覚えています。確かに今現在、当時思い描いていた未来とは、ずいぶんとかけ離れたところにいるのは事実です。

次に前世療法の体験です。
リクライニングチェアに座り、全身の力を抜いて、呼吸を整えます。誘導によって催眠状態に入り、私はこのときはじめて、自分の前世を見ることになりました。

※※※

最初に見えたのは、麦畑を眺める、茶色の髪の少女でした。
絶対前世は日本か中国だろうと思っていたのですが、東欧のイメージでした。
少女の他に人影はありません。
広い麦畑のむこうに、太陽が見えました。夕日なのか朝日なのかはわかりませんでしたが、「きれいだな」と見入っていました。

催眠状態にあるなかでも、セラピストの声ははっきりと認識できますし、私は顕在意識を通して、見えるイメージを説明することができました。

さらに誘導されて、少女は成長します。

大人になった私は台所にいました。結婚をして、子どもにもめぐまれたようです。小さな子どもたちは成長し、やがて自立して家をでてゆきます。

「おとなになって自立してゆく。わかってはいたのです。でも、でも・・・」

ここで私の感情は爆発しました。

「さみしい・・・」

私の目から、涙があふれました。前世の私のイメージが泣いたのではなく、今の私の身体から涙と感情が溢れ出したのです。

ひとしきり泣いたあと、場面は晩年へと移りました。

暖かい部屋で編み物をする年老いた私と、静かに新聞を読む夫。
とても満ち足りた、幸せな時間でした。
やがて自宅のベッドで、家族に看取られて、私は一生を終えました。

その後、魂の存在となり、死後の世界へと誘導されました。

白い世界で私を迎えてくれたのは、ギリシャ彫刻みたいな、真っ白な、大きなおじいさんでした。

「それはあなたにとって、どんな存在ですか?」とセラピストに問われて、私は「父」と答えました。もちろん、実父とはかけ離れたビジュアルでしたし、神様的な意味合いの「父」でした。そしてその前に立つ私の魂は、なぜか子どものように小さく、口調も幼く感じました。

何か話しかけて下さいとセラピストに言われて、私は

「幸せですか?」

と尋ねました。

途端、再び涙が溢れ出しました。

「おこられちゃった」

泣きながら、私は話していました。

「もっと自分を大切にしなさいって」

愛情に溢れた叱責を受けた子どものように、嬉しさと涙が止まりませんでした。

※※※

解催眠のあと、涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃでしたが、気持ちはなぜだかすっきりしていました。

あとから聞いた話なのですが、誘導催眠で初めて前世を見る場合、今の自分に割と近い、当たり障りの少ないものを見ることが多いそうです。
このときに見たのは、貧しくはない程度の、平凡で幸せな田舎の女性の一生でした。
体験だったので、特にカウンセリングなどは行わなかったのですが、前世療法の面白いところは、時間が立つにつれて、自分の中で前世の意味を整理したり、気付きに至ったりすることです。
実際にこのあと、私自身の思い込みなどが、子どもの自立を妨げていないかなどと考え、自分の行動を振り返ることになりました。一足飛びに子どもとの関係が良くなったわけではありませんが、何かのきっかけにはなったのだと思います。

※※※

その後、私は本格的に前世療法と向き合い、学ぶこととなってゆきます。
その中で、1度のセッションで見違えるような変容を遂げるクライエントもいましたが、私自身は何度かのセッションで、少しずつ、ひとつひとつ課題をクリアしてきました。

これから、そのひとつひとつをお話できればと思っております。

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