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バイオリンを習い始めたら見えた世界

2021年12月から、バイオリンを習い始めた。
という話は、以前記事にしたことがある。

あれから2ヶ月ほど経った。

実際に習い始めてみたら、見える景色が変わった。
今日は、バイオリンを習い始めて2ヶ月の私が、どんな世界を見ているのかについて、シェアしてみたいと思う。

バイオリニストの見た目じゃ分からない姿勢

私は、何か習い事をしたり、教えてもらったりする時に、教えてくれる人がどこに意識を向けて、どんな体(または頭)の使い方をしているのか、隅から隅まで観察する。
そういう学び方が好きだし、実際、そうやってよーーーく観察している方が、上達が早いから、自分にとってストレスが少ないやり方なんだと思う。
こういうところが、職人気質って言われるんだろうか。笑

だけど、バイオリンに関しては、ちょいと疑問が多かった。

たとえば、左手の親指の置き所。
なんでもいいから、バイオリン弾きの画像や動画を見てみて欲しいんだけど、バイオリンを持ってる方の手の親指の置き所って、「えっと、それは握ってる訳ではなさそうなんですけど、どういう根拠があってそのあたりに置いてるんでしょうか?w」って思ってた。
実際に自分がバイオリンを構えて、いざ弾いてみようとした時、弾きたい弦によって、指が届きにくかったりするから、親指の場所を固定すると弾きにくいし、かといって、この場所からあんまり動いてるのもみたことない気がする…。とまあ、1人でパニック。
これを読んで、「この人何言ってるんだ?」って頭に「?」が並んだ人、正解。笑

結論から言うと、親指の置き所って、人によって違うらしい。大事なのは、親指の場所じゃなくて、弾きやすいところまで肘を持ってくること。
細かく観察しようとすることとは別に、なんの意図があってその姿勢なのか。という視点を学んだ。

とってもいい先生で、私が気になってる下手っぴなポイントを伝えると、直すべきところをピンポイントで教えてくれる。
大事な点をしっかり押さえて、あとはコツを掴ませる。っていうスタイルで、すごくわかりやすい。

抑揚の付け方って技術

バイオリンを弾くってことは、すなわち曲を演奏するっていうことだから、曲を仕上げることを考えると、音楽的に弾くことを学ぶ必要がある。

私がずっと習ってきたピアノなら、ある程度もう弾き方も知っているし、練習方法だって分かるから、弾きたいように抑揚をつけて弾くのも、特段意識して考えなくても出来てしまう。

ところが、バイオリンに関しては素人だから、抑揚をつけようにも技術が追いついていかない。だし、技術を補うための知識も乏しいから、とりあえず弾けるように練習していくので精一杯。ちょっとずつ弾けるようになってる感があるのは、初心者の特権なので、嬉しくもあるんだけど、せっかくなら音楽的に気持ちよく弾きたいと思ってしまう。

そこで先生登場。笑
そしてやっぱりピンポイント。笑

大事な音っていうのが、フレーズごとにある。
要は、その大事な音に向かって抑揚をつける。
もちろん、ビブラートをかければ、それっぽくエモくなったりするけど、私の場合、ボーイングが大事な気がした。
1音1音を大切に、1音ごとに弓の速さを変えたり、弦に乗せる弓の重さ(圧)を変えたりする。移弦するなら、弓が弦に当たる角度も変える。バイオリニストが、こうしたすごく繊細な弓使いをして弾いているんだなんて、多分、習わなければ一生分からなかった。
繊細なだけに、コントロールするには頭も使う。弓のスピード配分をしないと、足りなくなったり、音量的に「そうじゃない」感が出てしまったりするから、1音1音冷静に弓をコントロールする必要があるんだ、って知った。

気持ちやセンスでイケる部分もあるけど、こうやってスキルを磨いていく必要がある部分、両方必要なのが、楽器。これが面白さでもあると思う。

音楽で拡がる人との繋がり

私は純粋に音楽が大好きだ。
あんまり上手じゃないかもしれないけど、それでもやっぱり音楽が好きだ。

上手じゃないことを悲観的になって、今まで音楽をもっとみんなでやりたいと、口にしてきてなかった。
それに、人生何事も無駄じゃないって、人生の先輩たちは口を揃えて言ってて、「いつか点と点がつながる時が来る」とかよく言われてきたけど、私の中で、ずーっと続けてきた音楽だけが、ずーーーっと点のまま残り続けて、何にも繋がっていかない感じが、「私ってなんで音楽続けてるんだろう?」っていう、自己疑心に繋がってすらいた。

色んな想いがあって、子どもオーケストラをやりたい!やってみよう!って思った訳だけど、実際にまず自分がバイオリンを習い始めたり、オケを作りたい!って言い始めてから、音楽つながりの誘いが少しずつ増えてきた。

私、学生の頃からずっと言ってることがあって、「クラシック音楽が好きな人に、悪い人はいない」って言ってるんだけど、これは今でも割と信じてる。

実際、バイオリンの先生とは、まだ出会って2ヶ月だけど、私が子どものオーケストラを作りたいっていう話をしたら、すごく親身になって一緒に考えてくれて、小さなところからしか始められないのに、「出来ることがあったら言ってください」と力を貸してくれた。

いきなりオーケストラの人数を集めようと思ったら、至難の業だけど、どこか場所を借りて、室内楽の曲などでアンサンブルから始めるくらいの規模なら、数人生徒がいれば出来るし、

他にも、それこそ児童養護施設やグループホームのようなところに打診して、演奏会を開いて、子どもたちに楽器に興味を持ってもらったり、そういう活動から始めることが出来たら、それだけでも夢がある。

バイオリンの先生に話をしていたら、そういう具体的なアイデアを一緒に考えてくれて、演奏や教えたりする部分で、子どもたちに惜しみなく与えようとしてくれて、実は嬉しくてちょっと泣きそうだった。

経験値は違えど、音楽やオーケストラを体験してきているもの同士、楽器を練習することで癒される感覚や、オーケストラを通して人間性や情緒が育まれることをお互い知っている。だから、100説明しなくても、「それ、わかります」って共感してくれて、そして、子どもたちの心のことも一緒に考えてくれて。
すごくいい先生に出会えたなって、すごーく嬉しい気持ち。

他にも、今通っているヒーリングスクールでは、1年の最後の日にある、アートプロジェクトと呼ばれる「なんでも発表会」で、何か楽器を演奏する人の割合が、圧倒的に増えたのも嬉しい。
今新しく楽器に挑戦中の人とかもいて、その繋がりで、誰でもウェルカムな演奏会に誘ってもらえたりしていて、音楽によって、私自身、幅がどんどん広がっていってるのを感じる。

パズルのラストピースは、もしかしたら音楽だったのかもしれない。
まだまだ旅はこれからだけど、この感覚を共有できる仲間が、大人でも子どもでも増えていったら、すごく幸せだろうな。


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