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白いアランニットの記録 【 ①編み始めるまで 】 | オリジナルアランニットの作り方

羊そのものを感じられる、ぬくもりのある白い毛糸。
まっしろじゃない素朴さの詰まったその糸にさわった瞬間、頭の中に編みたいイメージが広がりました。よし、アランニットを作ろう。春にも着られる軽くて、伝統的な模様のたっぷり入ったやつ。

そうと決まればこのふわっとしたイメージを形にしていくのみ。
柄もシルエットも自分好みのセーターを作っていこうと思います。

今回はそんな自由なオリジナルセーターができるまでを書いてみようと思います。

※思ったままに編んだ、1度きりのセーターの体験談を記事にしているので、パターンとして紹介するにはふさわしくない部分もいくつかあります。あくまでセーター作りの参考としてお読みいただけると嬉しいです。

セーターの全体像を決める

今回編んだアラン模様たっぷりのセーターです。

最初にセーターの全体像をざっくりと決めていきます。
理想のセーターを探してネットを彷徨うもよし、頭に浮かぶイメージを絵にしてみてもよし。ぼんやり想像してみます。

とりあえずこの時点で決めるのは、以下の3点。
・全体のシルエットイメージ
・襟のイメージ
・(なんとなくの)柄イメージ

今回はどっしりたくさん柄を配置しつつ、春にも着られる軽いニットに仕上げたかったので、柄は前面のみ、ジャストサイズなシルエット、襟は詰まった丸首に仕上げることにしました。

毛糸を購入する

cascade yarns ECO MERINO DK 03Ecru 233m / 100g

ここまで決まれば必要な毛糸の量が見えてきます。
シンプルなセーターを作るのに必要な毛糸の量はおよそ1000m。それを基準にどのくらい毛糸が必要なのか予想していきます。

今回の場合、柄が入る分量をプラスで使うので、1000mよりも多めに必要だと思われますが、とりあえず233m/100gの毛糸を500g(1165m)購入しました。

今回の糸はかせ糸なので、かせくり器を使って玉状に巻いています。

今回選んだのはcascade yarnsのECO MERINO DK。染色していない羊毛そのものの風合いを楽しめる糸です。

時々、干し草のかけらが混じっているのを見ると、羊から毛を分けてもらっているんだなあと実感します。日本の基準でははじかれてしまうような、そんなほっこりする空気感も一緒に糸になっているところもなんだかとっても魅力的な糸です。

針を決める

毛糸が手元に揃ったら、いろんな針で試し編みをしていきます。
毛糸のラベルに推奨針も書かれていますが、その範囲に限らず編み目を見て選んでいきます。
早くセーターを編み始めたい気持ちもありますが、これがなんとも楽しい時間。
こうして毛糸に触れながら、具体的なデザインを考えていきます。

ふわっとざっくり太めの針で編むもよし、細い針でぎゅっと目の詰まった暖かいセーターにするもよし、とにかく自分の中できらりと光る編み地を探していきます。今回は柄が際立つよう目が詰まりつつもふんわり感も出た3.5mmメインで編んでいこうと思います。

この段階で柄編みのテストはしませんでしたが、思った通りくっきり柄の浮き上がった仕上がりになりました。

使いたい針が決まったらメリヤス編みのゲージを測ります。(横幅のみでOKです。)今回は横幅20目でした。

※ここでスワッチを編んで、水通しすると確実ですが、今回は省略しました。

目数を決める

ようやく編み地のイメージも固まったところで、目数など詳細を決めていきます。
目数を決めるにはまずcmを決める必要がありますが、編む前に決めるのは2点だけ。
・ボディの幅
・首周りの幅

今回作るセーターは肩から裾まで全く同じ幅。幅の広いセーターなら自然と肩が落ちるイメージになります。

ボディの幅は、ボディの中で一番円周が大きい部分(=バスト)に対してどのくらい余裕が欲しいかで決めていきます。
もし迷ったら好きな服のボディの幅と合わせるのもいいと思います。
今回は軽めの春らしい印象にしたかったので、ゆったりしつつもオーバーサイズにならない、ジャストなサイズ感を目指し45cm幅にしました。(=1周90cm)

胴体の幅が決まったら、目数を出していきます。
メリヤス編みの場合、45cm幅にするには
45cm×(10cmあたり20目)=90目
ということで90目になりますが、後ろ側にもちょっと柄を入れたいので、目数を調整していきます。

背中にはサスペンダーのようなケーブル模様を配置。前側も続けてこの模様を入れていきます。

模様編みの部分はメリヤス編みと比べ、若干横幅が縮みます。
今回背中側の柄はケーブル編み2本のためそこまで縮まないと思いつつ、念のため90目→100目にしました。もしかしたら45cmより大きくなるかもしれないし、小さくなるかもしれないけれどそれはそれでいいや、という判断です。ちなみに前側は総柄になるので、背中側と比べ120%の目数で編んでいきます。(=120目)
これも多分このぐらいになるなーーというぼんやりとした予想です。

これで編んでみて幅が狭くなってしまった時は足すことはできるので、迷った時は、狭めに仕上がるように目数を調整しておくと良いと思います。

↓この記事で目数の決め方や、足りなかった時の継ぎ足しについて書いています。

首周りの幅は、お気に入りのセーターと合わせるか、好きなセーターのパターンの目数を参考にするのがおすすめです。今回は以前作ったセーターの首の詰まりがいい感じだったので、それと近い幅、12cmに設定しました。

ちなみに編む前に首周りの幅を決めたのは、背中側の柄の配置を決めやすくするため。首の幅を考えて、柄を入れる位置を決定していきます。

首回りの幅はこの部分です。

編みながら冒険する

さて、ここまで決まればあとは編むだけ。
この先は編みながらその時閃いた感覚を大切に進めていきます。
模様も袖の幅も何にも決まっていませんが、その都度決めながら編んでいきます。どうなるかわからない不安とワクワクが入り混じり、気分はまさに大冒険です。


長くなりましたが、編み始めるまでの準備はここまで。
次回から編み始めていきます。


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