へんなひと

もう干涸びはじめているのに

ほかは水分をつやつやとたたえていて

本当は泣き出したい気持ちでいっぱいなのに

腹の底で隠している

心臓がもがれそうなほど苦しい時でも

まわりに凪をあたえて

胸を張って誇れるはずなのに

はにかんではぐらかす

似ているの、わたしたち

はやく繭にはいろう

やわらかい糸で紡いでおいた場所で

白くて透明な永遠をうけとろう

それを選ばないあなた

へんなひと

いとしいひと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?