fermataがこれまで囚われていた「固定観念」の話
fermataのタグライン「あなたのタブーがワクワクに変わる日まで」の英語表記を変更しました。
<変更前>
Transforming the taboos women face
into an exciting culture of self-care
<変更後>
Transforming taboos into triumphs
小さなことかもしれません。しかし、私たちにとってこの変更は、深く濃い霧の中を進むような作業でした。
「women=女性」を抜いた背景にある考えと、これを読んでくださっているみなさんへのお願いを書き記します。
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fermataは、「生物学的女性をターゲットにFemtech市場を日本で盛り上げる」ことを目的に、2019年10月から活動してきました。
起業してから半年間、情熱を燃やしながらも、チームが抱え続けてきた違和感がありました。それは「生物学的女性」という言葉です。新型コロナウィルス拡大を機に、予定していたフェムテック全国行脚イベントが全て中止になったことで、わたしたちはあらためて会社のミッションやビジョンに目を向けました。そしてついに、この違和感を無視できなくなり、見直す決意をしたというわけです。
fermataのタグライン「あなたのタブーがワクワクに変わる日まで」が示す「タブー」とは、わたしたち個の中にある「固定観念」のこと。社会運動によって構造上のタブーが取りのぞかれても、わたしたち一人一人が固定観念を抱えている限りこの世からタブーは消えない、という考えです。
例えば生理に関するタブー。
世の中はすでに、たくさんの生理用品で溢れています。ナプキン、タンポン、月経カップ、吸水性ショーツ。生理そのものをコントロールする、ピルやミレーナも。
それでも、わたしたち一人一人の中に「生理なんだから布団を汚すのは仕方ない」「蒸れてかゆいけど生理だから我慢する」というあきらめに似た固定観念がある限り、どんな素晴らしい選択肢もわたしたちの味方にはなりません。
わたしたちfermataは、Femtechのプロダクトやサービスを紹介しながら、一人一人の固定観念を解きほぐしていけるような場所をつくっていきたいと思っています。
その上で果たして、fermataが「生物学女性」というターゲットを掲げる必要はあるのでしょうか?
わたしたちは社として「生物学的女性」という言葉を使うことで、女性・男性という二項対立が存在するかのような固定観念に囚われてしまっていたのです。せっかく、わたしたちの性やジェンダーはもっと多元的だ、ということが分かり始めたすばらしい時代に生きているのに。
もちろん、ご紹介するサービスや、取り扱う各研究のターゲットが「生物学女性」であるために、この表記を使用することは今後もあるでしょう。しかし出来る限り、「生理がある人」「子宮を持つ人」「性自認が女性である人」といったような、機能や事象に着目した表現をするよう、努力していきたいと考えています。
わたしたちが応援し、紹介する国内外のFemtechプロダクトやサービスが変わるわけではありません。しかし、例えばFemtechという言葉がいつか時代遅れとなり、女性のウェルネスに関するプロダクトやサービスがもの珍しくなくなったとしても、fermataのチャレンジは終わりません。個々の中にタブーがある限り、一つずつ丁寧に、わたしたちは解きほぐして回ります。
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そしてまた、わたしたちfermataメンバーも、自身の抱える固定観念を解放するべく、手を取り合いながら道を歩んでいます。ここでひとつ、宣言をさせてください。
わたしたちは「女性として」ではなく「ひろことして」「あみなとして」事業に取り組みます。
ですから、みなさんも「女性として」「男性として」ではなく、「あなた個人として」わたしたちfermataに共感してほしいのです。
fermataを知っていた方はもう一度、初めて知ったという方は今こそぜひ、わたしたちの取り組んでいく事業に賛同し、共に歩んでいただけると嬉しいです。
「わたしたちが何かを成し遂げるとき、それは女性だったからではなく、わたしたちだから成し遂げるのです。」
2020年7月 fermata
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