2022年上半期ライブかんたん感想
はじめに
2022年上半期のライブ感想です。
上半期は17のライブイベントに参加し、47組のミュージシャン達のライブを見てきました。多いな!
どの公演も印象深いです。そんな上半期に参加したライブのかんたんな感想を。参加した直後に書き残してあったものに若干の手直しを加えて公開してます。
1.9 ビバラ コーリング!@ 名古屋 CLUB QUATTRO
新年初ライブはクアトロでビバラコーリング!
埼玉のフェス「VIVA LA ROCK」と東京のサーキットイベント「TOKYO CALLING」のコラボイベント。
ビバラもTOKYO CALLINGも愛知住みの自分としては憧れの関東音楽イベント。なのだけどやはりまあ簡単に行けるものでもなく、特に昨今の情勢ではいつ行けるのか、はたまた行かぬまま...ということも考えられ。
そんな中でビバラとTOKYO CALLINGが手を組んで東名阪のツアーイベントを開くと聞き、一も二もなくチケットを申し込んだ。出演者云々よりも、ビバラやTOKYO CALLINGの雰囲気を少しでも味わえればと思ってチケットを購入した。
イベント2日前に急遽出演予定だった黒子首の出演が取り止めに。そんなドタバタもあり、期待と不安織り交じる中でやってきた名古屋 CLUB QUATTRO。
オープニングアクトは急遽出演が決まったHakubiの片桐。普段のバンドサウンドではなく、アコースティックの弾き語りスタイルでより片桐というボーカリストの声を味わえた3曲。元々出演する予定ではなかったこともあり、ノーマークだったHakubiだけど、Hakubiもじっくり聞いてみよー!と思えたライブだった。
続いてステージに上がったのは小林私。個人的今回のお目当てアーティスト。カバー配信が結構話題で、特にリリースしてるカバーアルバムでは吉澤嘉代子の曲もカバーしててそのアルバムからのカバーにも期待してたけど、自身の曲メインでやってた。荒々しさの中に繊細な面も感じる、人間味抜群の45分だったな〜。MC、俺は結構あの荒唐無稽さは好きなんだけど、どうも会場のテンションが乗り切らずな雰囲気。MCで喋ってたことを聞く限り名古屋でのライブ初だったっぽいし、これに懲りずまた名古屋でライブやってくれ〜という想い。
ラストは日食なつこ。キーボードとドラムという組み合わせでここまで幅広く色鮮やかなライブが出来るのか!と圧巻。国籍も文化も超えてくサウンドと、カッコよく力強いボーカルにときめきっぱなしだった。曲間、前口上から曲に入ってく感じが凄く打首獄門同好会っぽいな〜と思ってたら事務所同じと聞きなるほど〜と膝を打つ。曲もナンセンスさもある感じが打首っぽさあったな〜。
何よりキャンセルになった黒子首の「champon」を3人ともカバーしたのが凄かった。打ち合わせほぼ無しでみんな同じ曲選んだのが結果的に音楽の持つマジック感じたな〜。黒子首の分も!という3人の気概を感じたし、本当に会場に黒子首も居るんじゃないかと思えた。今日1番印象に残ったのが不在であるはずの黒子首という。
ライブ前、そしてライブ後のアフタートークで今回のイベント、そしてビバラのオーガナイザーにして、音楽雑誌「MUSICA」の鹿野さんのお姿を拝見出来たのも嬉しかった〜。いつも読んでる雑誌だからね。アフタートークで話してる感じもなんか雑誌のインタビュー感あって、いつも見れないもの見れてる感じが嬉しかったな。
今年はこんな感じで初めてライブ見るアーティストをいっぱい増やしたいな。そんな1年の始まりに相応しい、音楽のマジック起きまくりな夜でした。
1.24 ヤバイTシャツ屋さん「“Tank-top of the DVD IV” TOUR 2022」@Zepp Nagoya
ヤバイTシャツ屋さんのワンマンライブをZepp Nagoyaで。
ヤバTのライブを見るのは2018年の中津川ソーラー以来。主催ライブは17年のアルバムレコ発アポロベイス以来。ワンマンは初。
本当は翌日のSaucy Dogとの対バン公演を申し込んだつもりだったのが、何故かワンマンが当たってた。めちゃくちゃ間違えておる。開演時間ギリギリに飛び込んだZepp Nagoya。
久々に見たヤバTはノリはあの頃のまま、音楽性やライブの魅せ方はグッと進化してて、RIJFのGRASS STAGEや城ホワンマンをやれるバンドになった貫禄感じまくりだった。
BPM速い曲ガンガンやりつつ、所々ではグッと抑えた曲やっててその緩急はさながらジェットコースター。「君はクアプス」「週10ですき家」みたいなメロウな曲も今回は沢山やってくれて心地良かったな〜。
それこそ6年前くらいにビレバンでしか売ってなかったCDを必死こいて集めてたんだけど、その頃の曲も沢山やってくれて嬉しかったな。「反吐でる」とか「喜志駅周辺なんもない」とか。名古屋に縁のある「きっとパルケエスパーニャ」やってくれたのも嬉しかったな!
ヤバTってサザン感あるな〜と思ったりもした。どっちもバンドの成り立ちはサークルバンドだし。「あつまれ!パーティーピーポー」の生まれ方とか「勝手にシンドバッド」みあるなとか。あとスリーピースバンドってとこにベボベ重ね合わせてみたり。
MCで波田陽区やったり、かいけつゾロリのテーマ曲やったり、めちゃくちゃこの人たちと同じ時代を生きてきたんだな〜と実感した。大学3年の時に知ったはずなのに、なんだか中学高校の頃からずっと知ってるような気持ちになったなぁ。
MCの荒唐無稽さに、大半の楽曲のテーマに常に笑ってしまうんだけど、そんな中での「Give me the Tank-top」には泣けた。全ての音楽ファン、ライブ好きの総意があの曲だと思う。
まだまだヤバTらしいぐちゃぐちゃのライブは難しいかもしれないけど、今はルールめちゃくちゃ守ったライブ続けて、あの頃の日々を少しずつ取り戻していくんだ!って気概しか無かった2時間だった。バンドもスタッフもお客さんも。久々にあんな一体感のあるライブハウスらしいライブ見たよ。本当に音楽業界は大変な中で何とかライブという場所を守るために感染対策しながらライブを開催してる。今こそライブに行ってあげて欲しい。どんなバンドも絶対楽しませてくれるから。
アンコール最後の曲が終わっても名残惜しそうにステージを離れない3人の姿にグッと来たし、客出しSEの「ハートスランプ二人ぼっち」まで最高だった。もっとデカいバンドになるようにこれからも応援してるー!絶対紅白出て欲しい!!
2.12 (夜と)SAMPO 「HADAKA NO SEKAI TOUR ~名古屋編~」@ CLUB UPSET
(夜と)SAMPOの主催ツアーを池下 CLUB UPSETにて。
(夜と)SAMPOは昨年ライターの仕事をする中で知ったバンド。メロディアスでキャッチー、ポップな曲が強く印象に残ったバンド。生で見てみたいなと思っていた中、主催ツアーを開催するとの事で一も二もなくチケットを購入。
対バンに猫を堕ろす、Subway Daydreamが出演。こちらは敢えて事前情報無しでライブを見てみた。
今回出演したどのバンドも女性ボーカル。そしてキャッチーでポップ。そのブッキングに(夜と)SAMPOらしさを覚えつつ、どのバンドもそれぞれの個性をガンガン出してて良かった!
こういうキャパで対バンのライブって普段からそんなに参加しないけど、出演者の人達がフロアに普通にいる感じとかもスゴく新鮮だし久々だったな。打首とかもっと小さいキャパのライブハウスで見てたな〜とか、豊橋のClub knotとかよく行ってたな〜とか思い出したりもして。これくらいのキャパのライブハウスにこれからも通いたいな〜と思った!
今回見たどのバンドももっと売れて欲しい。応援してるし、これからもきっと聞き続けるだろうな〜。特に(夜と)SAMPOはKANA-BOONとかヤバT、ハンブレッダーズを排出したオーディション出身ってこともあって、今後がめちゃくちゃ楽しみなバンド。注目です!
2.15 Base Ball Bear「Tour LIVE IN LIVE ~I HUB YOU(Take)2~」@ Zepp Nagoya
Base Ball Bearの対バンライブ。対バンはthe telephones。
2020年の3月に開催予定だった対バンツアーのリベンジ公演。名古屋は元々UNISON SQUARE GARDENの出演予定がthe telephonesに変更。初電話ズ。UNISONはまた別の機会に見たい。
整理番号が14とキャパに対して異様なくらい良い番号を引き当てた結果、最前ど真ん中での鑑賞。
まずはtelephones。ニューウェーブやダンスロックを貴重としたDISCO!!なサウンドに、始まりから終わりまでずっと踊り続けて跳ね続けてしまった。ノブさんの荒唐無稽なパフォーマンスにめちゃくちゃ元気もらったな〜。「urban disco」ではベボベ小出さんが登場してギタープレイ。この時の小出さんの顔ったらまあ普段のワンマンじゃ見れない笑顔で、対バンマジックめちゃくちゃ起きてるー!!と嬉しくなったりもして。
後攻のBase Ball Bearは盤石なライブを展開。2年前よりも更にスキルアップしたスリーピースサウンドが瑞々しくもうねるように鳴ってて圧巻。telephonesに触発されたのか、途中グッとダンスミュージックに寄ってったり、グルーヴィな展開もあったりして堪んなかった。telephonesで跳ね続けてたのにベボベでも殆ど跳ね続けてしまった。座席の位置が本当に関根さんの目の前で畏れ多さも抱きながら、何の隔たりも無いまっさらな3人をそれぞれ順番にじっくり見たりもして。贅沢な時間だったなぁ。
思えばZepp NagoyaでBase Ball Bearを見るのは8年振りで、その頃を懐かしんだりもして。
アンコールはtelephonesの石毛さんも加わった4人編成での「changes」。久しぶりにギター2本のベボベを見たけど、やっぱり最高。スリーピースのソリッドなサウンドもめちゃくちゃ好きだけど、4人編成の贅沢なギターサウンドもやっぱり良いな〜。石毛さんとベボベの共演は6年前の日比谷ノンフィクションⅤ振り。その日比谷は僕の人生ベストライブのひとつなのだけど、その日の再現を見てるようで嬉しかった。あの頃は6年先の未来でライブハウスでは声も出せず客同士の間隔も空けるなんて思いもしなかったけど、そんな中でもtelephonesもBase Ball Bearもめちゃくちゃ最高なライブしてる。その事実にグッと来るし、救われる。
2時間半ずっと跳ね続けてたらライブの終わり際にはふくらはぎがこむら返り起こしたけど、それもひっくるめてやっぱり音楽はクソ最高だなー!!って胸がいっぱいになった夜でした。ライブタイトルの「LIVE IN LIVE」が示す通り、音楽もライブもやっぱり人生に欠かせない存在だな!と思った。この幸せだけは何人たりとも邪魔させたくないよ。
2.20 ラブリーサマーちゃん「THE THIRD SUMMER OF LOVELY SUMMER SONIC Tour」名古屋BOTTOM LINE
ラブサマちゃんのワンマンライブをBOTTOM LINEにて。
昨年のApple Vinegar Music Awardでも大賞を獲ったラブリーサマーちゃん。その大賞作品である「THE THIRD SUMMER OF LOVE」は骨太でフレッシュなギターロックがゴリゴリ鳴ってるめちゃ良なアルバムなのだけど、ライブも負けず劣らず骨太なロックサウンドがゴリゴリに歪み鳴った2時間弱だった!
ワンマンライブで珍しい二部で構成されたライブ。前半は「THE THIRD SUMMER OF LOVE」の全曲再現で、アルバムの順に曲が進んでく。アルバムがこれだけカッコイイから、ライブももちろん最高で。ロックかましてんなー!って感じ。後半はチルっぽいムードから始まりつつ、ラストは歪みまくったサウンドが強烈にオルタナティブな空間を作り上げててゾクゾクした。
彼氏に作ってもらったドリンクなんだーとハニカミつつ飲んだり、喉の不調を話しつつもそれを感じさせない歌声を響かせたり、ラブサマちゃんは底抜けに「可愛くてかっこいいピチピチロックギャル」だった!!
アルバム、聞いてはいたけどやっぱり現物欲しくなって思わず会場でCDを買ってしまった。それだけ心を揺さぶられるライブだった。また見たい!
3.13 ASIAN KUNG-FU GENERATION 「25th Anniversary Tour 2021 Special Concert "More Than a Quarter-Century"」@ パシフィコ横浜 国立大ホール
アジカンの25周年記念スペシャルコンサートを横浜にて。
アジカンはこれまで2度ほどライブを見てる。2014年の大阪城ホールのリクエステージと2019年のナナイロエレクトリック。どちらも印象深いライブである一方で、ワンマンは見た事がなくて。
昨年秋にやってたツアーも行きたかったくらいだけど、諸々上手く合わず参加出来ず。だからある種念願叶う形での参加となったパシフィコ横浜。
序盤から「Re:Re:」「アフターダーク」と聞きたかった曲がバンバン聞けてテンション高まったな〜!特に「ループ&ループ」「リライト」「ソラニン」「君という花」とアジカンを代表する曲が4連発で来た時は嬉しい以上にビビった。贅沢だし、この先どんなライブになるのよ!?と。
中盤からはアジカンのメンバーだけじゃなくてゲストを招いての楽曲披露。フジファブリックの金澤ダイスケや羊文学の塩塚モエカ、Homecomingsの畳野、ROTH BART BARONと豪華なゲストがどんどん出て来る様は圧巻。特に塩塚モエカとの「触れたい 確かめたい」はめちゃくちゃグッと来た。フジファブリックはともかく、羊文学もHomecomingsもROTH BART BARONもアジカンをリアルタイムで聞いて今に至ってる世代だろうけど、そういう下の世代とも肩を並べて共にステージに立つアジカンの懐のデカさを感じる瞬間だった。
本編最後はストリングスと共に「海岸通り」。普段は見れない編成での芯に迫る演奏に心をかきむしられたような気持ちになった。音楽でしか感じえない感覚に包まれた、スゴく美しい瞬間が今でも焼き付いてる。
アンコールは4人だけでの演奏。「遥か彼方」は熱っぽくドライブする4人の演奏のバックに、コロナ禍以前のライブ映像が映し出されて不覚にも涙しそうになってしまった。いつかあの景色が戻ってくる日を信じて疑っていないし、そのために自分が出来ることはなんだろうなって常に考えてる。例えその日が遥か彼方だったとしても、アクセルを踏み込み続けたいなと思うし、それはきっと間違ってないんだなって思わせてくれる4人の熱演だった。
今回ステー上に席が設けられてて、そこの席には白い服を着た人達が座っていて、そこにプロジェクションマッピング的な映像演出が施されるというとても面白いルックのライブステージになっていて。マッピングを卒研テーマにしてた自分としてはこのライブ見れたのも偶然とは思えなかったりして。その辺も含めて見て良かったなって思えたライブ。アジカンというバンドが紡いできた歴史の重みと、今を感じる祝祭空間でした。
3.14 Cody・Lee(李)「Cody・Lee(李) IN LIQUIDROOM 2018.08.20~2021.03.14」@ 恵比寿リキッドルーム
恵比寿リキッドルームにてCody・Lee(李)のワンマンライブ。
去年からずっと気になってたCody・Lee(李)のライブを遂に見れる!という事で恵比寿へ。
様々なルーツを想起させるポップなサウンドに滲み出す日々の営みが印象的なバンド、Cody・Lee(李)。
タイトルからもキャリア総括的なライブになることは想像してたけど、想像以上にCody・Lee(李)の全部出しみたいなライブになってた。滲む生活感と豊かな音楽性がくすぐったさと心地良さを演出してくれる2時間。チルっぽく気持ち良いサウンドもあれば、歪んだギターが強烈に鳴る曲もあるし、異国情緒すら漂う曲もあって。引き出しの多いバンドだと思う。
去年のベストトラックの1つである「異星人と熱帯夜」が聞けたのが嬉しかったなあ。めちゃくちゃ良い曲なんで是非たくさんの人に聞いて欲しい。
多分1番フジファブリックから影響受けてるんだろうなぁと思いつつ、その影響も感じつつ、ちゃんと差別化も出来てるよなと思いつつ。フジファブリックくらい、あるいはそれよりも更に大きなバンドにこれからなって欲しい。
アンコールではなんとメジャーデビュー決定のお知らせ。メジャーデビュー決定告知って初めて生で見た。嬉しい。映像収録入ってたし、メジャーデビュー盤にはまだ収録内容の詳細は明らかになってないけどBlu-ray入ってるらしいし、これは期待してしまうね。楽しみだ。
ライブを見たリキッドルームは僕のベストムービー「モテキ」で、主人公の幸世とみゆきとるみ子が女王蜂やナキミソのライブを見た場所で。あの映画自体妙にリアル、というか現実にある場所やメディア、ミュージシャンがガンガン出てくる映画だってこともあって、開演待ってる間は「ここで幸世たちはライブ見てたんだな〜」と不思議な気持ちに駆らながら開演を待ってました。今回東京のライブハウスに初めて行ったんだけど、それがそういうリキッドルームって場所だったのになんだか妙な縁を感じたりもして。映画や小説や漫画や音楽にたくさん触れれば触れるほど、新しい視点が生まれてそういう場所や縁が増えてくから、やっぱりカルチャーは最高だなって思ったな。
前日のアジカンから合わせて、関東にこれだけ長い時間滞在したのはコロナ禍以降初めてだったけど、やっぱり横浜も東京も好きだなって思った。ずっと同じ場所にいるとやっぱり気付かないうちに閉塞感感じてんだなとか思ったりもした。東京や横浜にいる間はスゴく気持ちが晴れやかだった気がする。普段はあんまり読んでない文庫本3冊も買ったりしたのはその証明だったりするかもしれない。
3.26 銀杏BOYZ「『アコースティック・ライブツアー2022 「僕たちは世界に帰ることができない☆」』」Zepp Nagoya
銀杏BOYZのアコースティックツアーをZepp Nagoyaにて。初銀杏BOYZ。
きっとチケットも争奪戦の中で、4列目ど真ん中という幸運な場所で銀杏BOYZの音楽を堪能。
普段のノイジーでディストーションのかかった音像とは明らかに異なるアコースティック編成のライブ。しかし峯田和伸の熱量と愛らしさはそのままで、初期衝動が爆発したその勢いを保ち続けて今なお走り続けている銀杏BOYZの熱と青臭さを感じて仕方なかった2時間だった。
基本的には着席だったから、普段のライブとは全然違うんだろうし、編成もアコースティック。そういう特殊な環境だからこそ元々の楽曲が持ってるスイートなメロディとか、歌詞の切実な言葉のひとつひとつとか、そういう見失いがちな、だけど確実に銀杏BOYZの音楽性をより強固にしている要素がより実体を持って胸に突き刺さってくる感覚があった。
あの曲もこの曲も聞けて嬉しかったし、なんか色んなことを思い出した。高校3年、卒業の直前によく銀杏BOYZの曲を聞いてて、特に時期もあって「青春時代」が妙に刺さってたなぁとか。あるいはよく聞くくりぃむしちゅーのオールナイトニッポンのエンディングが彼らの曲だったなぁとか。高校時代の先輩がめちゃくちゃ銀杏好きだったなぁとか。そういう些細な、でも人生に欠かせない瞬間を思い出させてくれる音楽は素敵だよね。
ちょっと見てみたいなって行ってみたけと、もっと色々曲聴いてみようとも思えた。演出もグッと来るものばかりでスゲえ良かった。いつかはぐっちゃぐちゃのライブハウスでみんなと叫び散らしながら拳振り上げる彼のライブを見てみたい。
4.2 Awesome City Club「Awesome Talks One Man Show 2022」Zepp Nagoya
Awesome City ClubのワンマンをZepp Nagoyaにて。
ACCのワンマンを見るのは18年のダイアモンドホール以来4年振り。
この4年で彼らを取り巻く状況は随分変化した。メンバーの相次ぐ脱退、そしてコロナ禍。そんな逆境の中で生まれた「勿忘」という特大のヒット曲と紅白出場を初めとしたブレイク。
そんな言葉通り酸いも甘いも経験してきたACCのライブは4年前と比べても目を見張るほどスケールアップしていた。
自分たちの音楽への自信とか、前回と比べて明らかに増したんだろうなってのをひしひし感じるパフォーマンス。特にPORINの歌は本当に良かった。切なさとか艶みたいな彼女のボーカルの魅力が、生で聴いて見る事でより実感できた。
聞いていて気持ち良いシティポップっていう彼らの軸はそのままに、より音楽性を拡張しているなと思える瞬間も沢山あった。ハードロックっぽい曲やってみたり。そうやってどんどんやれること増やしてったらもっと面白いグループ、バンドになると思うな。
一方でまだまだこれからここは伸びるな、きっと伸ばせるなって部分も沢山あった。それは決してネガティブな意味ではなく、むしろこれからさらに経験を重ねることで良くなるはずという意味で。だからむしろこれからのAwesome City Clubに注目してるし、みんな注目して欲しい。
5.7 SUNDAY FOLK PROMOTION × NAGOYA ReNY limited Re-Birth vol.3 @名古屋 ReNY limited
名古屋のイベンター、サンデーフォークプロモーションと栄のライブハウス、名古屋ReNY Limitedのコラボイベントに参加。計4組の熱いライブを見てきました。
1組目はCody・Lee(李)。メジャーデビューが決まり今最も勢いのあるポップバンドがまさかの1組目。メジャデが決まった勢いと様々なルーツから培われたポップセンスをビシビシ感じる30分弱だった。3月のLIQUIDROOM以来だったけど、新曲も披露してくれて3月とはまたひとつモードが変わった感じがあったライブだったな。繰り返される生活という営みのBGMにピッタリな彼らの音楽、もっと評価されたら嬉しい。次は7月のワンマンライブで。
2組目はマハラージャン。きっ、気持ち良い〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!って感じのファンクでソウルでメロウな洒落サウンドで踊り尽くした!名前とかビジュアルとか曲タイトルからは想像出来ないくらいクールかつ熱いライブだった! サポートキーボードの方、どっかで見たことあるけどどこだっけ...?とずっとライブ中考えてたんだけど、終わったあと調べたら昨年のポルノグラフィティのツアーのサポートもされてた皆川真人さんだった!なるほど通りで...といった感じ。ライブのチケット取った時はノーマークだったけど、見れて良かった!次はもっときちんと勉強してからライブ見たいなー!!
3組目はまだまだ未知のバンド、ENFANTS。音源はYouTubeにアップロードされた1本だけ、今日がバンドとして2度目のライブ。ライブ2度目とは思えないほどの風格。青と赤で固定された照明の中で、ギラギラしたロックサウンドを叩きつけるように演奏。売れたいという気持ちがグイグイ前に出たMCも好感持てる。化ける予感をヒシヒシ感じたな〜。今後に注目のバンド。
ラストは本日のお目当て、ニガミ17才。完全に今日のベストアクトだった!各メンバーの技術に裏打ちされた複雑なビートをそれぞれが完全に乗りこなしながら、ナンセンスな世界観で会場を完璧に掌握。全編クライマックスと言っていいほどだったけど、特に最後の長尺のセッションはとても音楽理論的で痺れまくった!本当に最高のライブだった!
終わったあとニガミの物販並んでたらニガミのシンセサイザーやってるあくびさんが立ってらっしゃったので少しだけお話させて頂いた。と言ってもほぼ一方的に拙い言葉で感想を伝えただけだったけど、ご本人とお話できてめちゃくちゃ嬉しかったー!新メンバーのドラマー、ヨコピーもめちゃくちゃいいキャラしてた。彼の存在でよりニガミ17才は新しいステージに進んでく気がする。また近いうちに見たいぞ!!
5.8 DOPING PANDA「∞ THE REUNION TOUR」@ Zepp Nagoya
ドーパンの再結成ツアーの名古屋公演をZepp Nagoyaにて。
DOPING PANDAの存在を知ったのは6年前の春、ドーパンのギターボーカルであるフルカワユタカがBase Ball Bearのサポートギターをやってくれた時。ビッグマウスなフルカワさんのキャラクターに最初は面食らってたけど、スゴく後輩想いの優しい人なんだなってスグに好きになった。
フルカワさんを知って、ドーパンを知って、フェスでフルカワさんのソロライブを見たりもして。でもドーパンは当時既に解散していたからドーパンとしての演奏を見ることは絶対に出来ないと思ってた。
今年の春、DOPING PANDA再結成が発表された時はめちゃくちゃ驚いたし、喜んだ。DOPING PANDAとしての演奏を、ライブを見れるのかー!と。
期待に胸ふくらませながら足を運んだZepp Nagoya。そこには2時間ずっと夢中になれるダンスロックが鳴り響いてた。ドーパンの代表曲連発な復活ライブ!!って感じと、ニューアルバムの最新モードなドーパンって感じのふたつの感覚のあるライブ。
1曲目から最後の最後まで殆どずっとと言って良いくらい踊らせる曲が沢山。楽曲がシームレスに続いていく感じとか、まさにダンスロックだなと思ったり。特に終盤の「無限大ダンスタイム」の怒涛のキラーチューン連発な感じとか、ミラーボールギラッギラのレーザービュンビュンな感じとか本当に堪んなかったな〜。ダンスロックとはコレだ!!っていうのをバチバチ見せつけられてる感じ。
サカナクションとかthe telephonesとかKANA-BOONとか、最近だと夜の本気ダンスとかフレデリックとか、ダンスロックを鳴らしてるバンドは沢山いるけど、そういうバンドのルーツのひとつにDOPING PANDAは間違いなく居るんだなと改めて強く感じたライブだった。
お客さんの年齢層としてはやはり少し上な感じがして、ドーパンが青春のひとつだった人達が集まってるんだなと思ってこっちもワクワクしたし、その一方で自分のような初ドーパンな人たちも沢山居てそれもまた嬉しくなったりして。
フルカワさんは相変わらずビックマウスだしベースのタロティはのんびりしてたし、ドラムのハヤトさんはチャラそうだったけど、その絶妙なバランスがDOPING PANDAなんだなと思ったし、多分当時より今の方が良い関係性なんだなとも思った。
ただ一過性の復活じゃなくて、これからもガシガシやってくれそうな感じがビシビシ伝わってきたライブだった!次はもっと騒げる環境でライブ見たいな〜
5.10 カネコアヤノ「カネコアヤノ 単独演奏会 2022 春」ビレッジホール
カネコアヤノの弾き語りツアーのセミファイナル。
カネコアヤノを知ったのはなんだったか、とにかく気付いたら知ってためちゃめちゃスゲーミュージシャン、シンガーって感じで。いつかライブを見てみたいなとずっと思ってたんだけど、このタイミングでえーいとチケットを申し込み。
歌謡フォークとオルタナティブロックを掛け合わせたような繊細さと強烈さが光る1時間半。
特筆すべきは彼女の声。一度聞いたら忘れられない印象的な歌声と、それが活きる歌謡然としたメロディ。ライブは音源よりも一層芯のある歌声になっていて、それがより真に迫ってくるような感覚。
MC無し、大掛かりな演出無し、ノンストップで1時間半というのも彼女らしいな〜と思ったり。唯一歌以外で聞いた言葉はライブ最後の曲が終わった後の「ありがとうございました」だったもんな。攻めてる。
「爛漫」「抱擁」「燦々」が聞けて嬉しかったな〜。生活に寄り添う詞世界に自分の日常を重ね合わせたり、逆に俯瞰してみたり。色んな楽しみ方がある歌詞だなぁと思ったりもして。
今までの型にハマらない、なのにどこか懐かしさを感じる、唯一無二の個性を持ったカネコアヤノ。オルタナティブでノスタルジック、故にアーティスティックな夜だった。次はバンドセットのライブが見たい!
Mellow Youth「Flash Night」Release Tour @ 池下 CLUB UPSET
Mellow Youthのレコ発ツアー名古屋公演。対バンは黒子首。
1月に参加した「ビバラ!コーリング」の時に、本来であれば出演予定だった黒子首が急遽出演キャンセルに。その時に予定通り出演したシンガーたちが皆黒子首の「champon」をカバーして、その印象が強く残ってた黒子首。
以来、黒子首をちょくちょく聞いていたこともあって、名古屋でライブをやると聞いて一も二もなくチケットを購入。対バンのMellow Youthは今回のライブを機に知ったバンド。ライブ前に全力で予習。
先行は黒子首。ライブで確信したけど、本当に俺好みなバンド。様々な音楽ジャンルを横断しつつ、ポップスでまとめあげるサウンドにめちゃくちゃ好きー!となってしまった。「時間を溶かしてお願いダーリン」のキュートポップスから、「チーム子ども」の打ち込みっぽいサウンド、「前日譚」の青春フォークに至るまで、音楽性が幅広いから全く飽きさせない。自分が本当に好きなミュージシャンはそういう多様な音楽性を持ってる人が多いんだけど、その中でも黒子首は特に俺のフェイバリットシンガーのひとり、吉澤嘉代子を彷彿させるなと思ったなぁ。
そしてMellow Youth。シティポップ然とした色気のある、文字通りメロウな音楽性で酔ってしまいそうなライブ!主催ライブでレコ発ツアーだから本人たちの熱量はもちろんバチバチ。もちろんオシャレなんだけど、熱量もビシビシ感じるパフォーマンスで自分たちの音楽に賭ける気概を感じたな〜。ギター2本でツインボーカルっていう彼らの編成も、音の厚みを感じて、スリーピースの黒子首との対比させてみたりして面白かったり。Mellow YouthのサウンドはホンダのCMとかで使われても違和感ないって言うかむしろめちゃくちゃハマると思う!
ポップな黒子首、メロディアスなMellow Youth。総じてどこまでも気持ち良い夜になって最高でした!どっちもこれからもっともっとデカいバンドになると思う!その時が楽しみ!
5.15 Base Ball Bear「日比谷ノンフィクションⅨ」日比谷野外大音楽堂
Base Ball Bear3年振り、恒例の野音公演。最も好きな会場で最も好きなギターロックバンドを見る。
3年振りに野音でベボベを見れたこと、フルキャパなことに感慨深くなっていたらバンドメンバーも同じ思いだったみたい。
ライブ前半は恋や愛を歌う爽やかなBase Ball Bearが炸裂。1個目のセクションは恋に破れたり過去を回帰するビターな曲、「そんなに好きじゃなかった」や「(LIKE A)TRANSFER GIRL」が多かったのに対して、2個目のセクションは恋に溺れる甘い楽曲「Cross Words」や「SHIMAITAI」が展開。ツアーの一環では無い単発公演ということもあって、なんの曲が来るか予想がつかなかったけど、こんな曲やあんな曲が!というサプライズ以上にセクション毎に意図が見える構成にグッと来たりもして。
後半はサプライズゲスト4連発という超贅沢な時間。声優の花澤香菜とコラボ曲「恋する感覚」、ラッパーのvalkneeと「生活PRISM」、ラッパーの呂布と「歌ってるんだBaby」、そして呂布と福岡晃子...の代わりに橋本絵莉子で「クチビル・ディテクティヴ」。毎回サプライズを仕込んでくる野音公演だからゲスト来るんじゃないー?なんて始まる前に話してたけど、ここまで贅沢にゲストが出てくれるとは。
花澤香菜の「恋する感覚」はいつも一緒にベボベ野音に参加している友人がベボベにハマってくれたキッカケの曲で、彼と初めて野音に参加した時は別のボーカルで歌唱されてたんだけど、あれから6年経って今本人登場はなんだか伏線回収みがあったなと。valkneeも昨年のアルバムでめちゃくちゃ聞きたかった曲だったけどツアーの地方公演では流石にやってくれなくて、今回改めて聞けて良かった。呂布は野音公演に何度となく出てくれてて、「クチビル〜」もやるはず!と思ってたら本来のボーカルである福岡晃子がスケジュール合わず...ということで同じチャットモンチーの橋本絵莉子をゲストに招く斜め上の展開(笑)原曲とはまた違った曲に仕上がってとてもライブ的だったなぁ。
本編最後は今日のライブを総括するような「レモンスカッシュ感覚」。『一生求む感覚 そう例えばラブ 例えばポップ 第六感でときめいて』という歌詞は、愛や恋を歌った前半と、たくさんのコラボゲストが飛び出した後半を彷彿とさせた。まさしくラブ&ポップなライブだったんだなと。檸檬色のが光線が、暗くなった野音の空を切り裂くように伸びていて、この気持ちを一生胸に生きたいなと思った。
アンコール。神妙なテンションで小出祐介が話し出して「まさか解散...?活動休止...?」思ったら、11月の日本武道館公演決定のお知らせ。茶目っ気のある発表に胸を撫で下ろしつつも、武道館決定に思わず泣いてしまいそうになった。もうBase Ball Bearは武道館のステージには経つことは無いと思っていた。勝手に。日本武道館という日本音楽史の中でも特別な場所でBase Ball Bearが見れる事は堪らなく嬉しい。
個人的にも武道館は今までの人生で唯一サザンオールスターズを見ただけで、2度目がBase Ball Bearになるのはスゴく自分としても感慨深いものがある。武道館も野音も大切な場所だから大切なミュージシャンにしか捧げたくなくて。Base Ball Bearは自分にとって紛れもない大切な存在。2度目を捧げるのにこんなにぴったりなバンドはない。もう今から11月まで楽しみで仕方ない。
最後はステージの撮影可、スマホのライトが照らされる中で「Stairway Generation」。金テープも飛び出して。総じてそういうことするタイプじゃないベボベが今までやってこなかったことをバンバンやっててそれもなんだか泣けちゃったな。
Base Ball Bearのライブには沢山参加してきたけど、今回のライブはいつにも増して情報量多くて、いつにも増してサプライズだらけの2時間半だった。でもそのサプライズや情報量はライブの本質ではなくて、その中心にいるBase Ball Bearが紛れもなく最高だし、ロックバンドは最高で。11月の武道館はもっとスゴい景色が見れるはず。その日を心待ちに!!
5.28 森、道、市場 2022 day2
愛知県蒲郡で開催される音楽フェス「森、道、市場」に参加。
フェス自体は1昨年の「FUNDAY PARK FESTIVAL」以来だけど、複数ステージあるフェスは3年前の「ROCK IN JAPAN」以来かも。いよいよ音楽フェスも復活してきたなと感慨に耽りながら向かったラグーナビーチ。
初日は礼賛→OKAMOTO'S→サニーディ・サービス→cinema staff→佐藤千亜妃→ゲスの極み乙女。→藤井隆 on the パソコン音楽クラブ→KIRINJIの流れで。
礼賛は川谷絵音の新バンド。フロントにはお笑いコンビラランドのサーヤ。川谷絵音節の効いたメロディに丁寧に韻を踏むラップは新機軸。MCはまだちょっと肩に力が入ってるサーヤの喋りとゆるゆる話す川谷が対照的。久しぶりに川谷を"あのネタ"でイジる展開もあって笑ってしまった。ラップという表現方法はひとつのブームになってるし、礼賛でもガシガシライブ回って欲しい。
2組目はOKAMOTO'S。オールド感のあるロックンロールはシンプルなカッコ良さ。ボーカルのオカモトショウの色気にグッと来たな〜。色々見逃してしまったので次はもっとゆっくり見たい。
3組目はサニーディ・サービス。遠巻きにユルユル見てたけど、それがピッタリな心地好いスリーピースサウンド。「サマー・ソルジャー」のロケーションとの親和性ったら無かった。風に吹かれながら聞いたあの瞬間は最高にチルってたな〜。
4組目はcinema staff。クールさの中に確かに感じる強い情熱は、夜の帳を切り裂く一筋の閃光のよう。残響系な彼らの音像はチルいこのフェスの中でも異色なようで、しっかりハマってたのはこのフェスの懐の深さか。
そして佐藤千亜妃。一昨年のYON FES、昨年のFUNDAY PARK FESTIVALと2度見るチャンスがあったにも関わらず、YON FESは中止となり、FUNDAY PARKは佐藤千亜妃自身が濃厚接触となったことで出演中止に。3回目の正直で念願叶った形。ポップでチルい開放感のある彼女のソロ楽曲はきのこ帝国とはまた違った魅力に溢れてて。むしろ彼女のソロ曲から入った自分としてはこの開放感が癖になる。「Lovin'You」と「Summer Gate」が身聞けて嬉しかったなー!!
6組目はゲスの極み乙女。何気に初ゲス極。
殆ど最後の方からしか見れなかったけど、「キラーボール」「ぶらっくパレード」が聞けてアガったな〜。やっぱり良いバンドだな〜ととても実感した。10年代4つ打ちの流れでブレイクしたバンドだけど、その流れに囚われずしっかり技巧派というか。色々あって人気が落ち着いちゃったりもしたけど、デカいステージの似合うバンドよね。次はもっとじっくり見たい。
7組目は藤井隆 on the パソコン音楽クラブ。パソコン音楽クラブのDJプレイもさながら、やはり1番は藤井隆。この日の最注目アクト。藤井隆を生で見れると思ってなかったし、「ナンダカンダ」を生で聞けるとも思ってなかった。めちゃくちゃ幸せ空間だったし、あのアイドル性とマルチっぷりにグッと来たな〜。
ラストはKIRINJI。夜の浜辺でゆったりと聞くKIRINJIは最高の一言。気持ち良さでいっぱいになりつつこの日は締めた。
この日の食事はダブルチーズバーガー、ホワイトカレー、フォー。ダブルチーズバーガーはめちゃくちゃ肉厚でジューシーで病みつきになりそう。ホワイトカレーは唐揚げとのセットで満足感高め。暑い夜に食べるフォーは最高。何食っても美味い。
5.29 森、道、市場 2022 Day3
森、道、市場 最終日。
前日の疲れを引き摺りながらも豊橋のホテルから蒲郡へ。
朝イチで汁なしラーメンを食べつつ、1組目はBBHF。元Galileo Galileiの尾崎兄弟のバンド。神秘性と爽やかさでいっぱいのステージは朝イチで聞くのに相応しい心地良さ。Galileo Galilei直撃世代ということもあって、尾崎雄貴のボーカルは聞くだけで懐かしさで胸が溢れる。「ハマナスの花」とか高校入学前に鬼リピートしてたな、とか思い出したりして。
ステーキ丼をガッツリ食べたあと、2組目はSPECIAL OTHERS。リズミカルなビートを基調としたインストがメインのバンド。昼下がりに聞くにはあまりにもぴったりなサウンドスケープ。横で見てた小学校低学年くらいの男の子が音にノリながら時折寝そべったりしてて、その所作がめちゃくちゃ玄人のフェス参加者って感じで笑っちゃったんだけど、やっぱり音楽は世代を超えれるんだなとめちゃくちゃ嬉しくもなって。そんな時間を生み出してくれたスペアザにも感謝しかない。
途中でマーケットをブラブラ。森、道、市場はライブだけじゃなくてその名の通り「市場」も面白いフェス。ご飯ものはもちろん、それ以外にも面白いお店が沢山。革小物の店を覗いてみたり、古本を買ってみたりした。フェス会場で古本買うことある?笑 めちゃくちゃ貴重な体験だったし、思い出になった。
マーケットを見つつ思い出野郎Aチームをチラリと。分厚いホーンセクションと野太いボーカルが会場中に響いてるってだけでアガるし、それに体合わせて揺らしてるだけでもう音楽的。細けえ事はいいんだよ!踊ろう!みたいなマインドを短い時間ながらめちゃくちゃアクトだったなあ。
また海辺のエリアに戻ってストレイテナー。ナナイロエレクトリック以来2度目だけど、この日のテナーで特筆すべきは「シーグラス」。海が目前にあるステージで聞く「シーグラス」は特別過ぎた。普段とは違う場所だからこそ起こるマジックが完全に炸裂してた。
Yogee New Wavesを遠巻きに見ながら魯肉飯を食べていたら(マジで美味すぎた)GRAPEVINEを殆ど見れずショック。からのNUMBER GIRL。コロナ直前のワンマン以来2度目のNUMBER GIRL。2度目だけどやっぱり物凄いパワーと熱量のあるバンド。サウンドチェックの時、ボーカルの向井さんが一発ギターをストロークしただけで完全に向井秀徳の音になっていて鳥肌立った。4人の演奏が始まった瞬間、見えない集中線(漫画のあれ)がぶわわわーー!!!とステージから飛び出してきたような気持ちになった。そんなバンド、後にも先にも彼らしかいない。あの日、気付いたら俺は何となく夏だった。
息つく暇もなくchelmico。最後のライブ。いわゆるB系だったり、ダーティなヒップホップはそんなに聞かないけど、Creepy NutsやRHYMESTER、DAOKOといったちょっとポップス寄りだったり、精神性がヒップホップのど真ん中とは違ったヒップホップグループやMCは割と聞くんだけど、chelmicoもそれだ!となった。めちゃくちゃ聞いてて気持ちが良い。曲からもMCからも彼女達からは全方向へ対してのリスペクトの気持ちをスーパー感じた。振り付けがある曲も振り付けをレクチャーしつつ、やんなくてもいいよ!分かんなかったら身体適当に揺らしてればOK!みたいな。その姿勢めちゃくちゃ良い。すごく心が暖かくなるステージだった。
最後はEGO-WRAPPIN'の演奏を聞きながらローストビーフ丼で締め。ライブもご飯も最高。ライブもご飯も「何食っても美味い」状態。
この「森、道、市場」は昨年主催の方が亡くなられて、時勢も相まって存続が危ぶまれたフェス。そんな二重にも三重にも困難な中で開催してくれたことに参加者として感謝しかない。
確かにアーティストのラインナップは若干玄人向けな節があるけど、フェス自体のコンセプトの面白みとかを総合するとフェスに行ったことない人でも楽しめるフェスになってると思う。極端な事言えば別にライブ見なくても楽しいフェス。ライブももちろん最高なんだけど、それの並列にマーケットやキャンプもある感じ。サウナ入れたり古本買えたりするフェスなんて他に無いもの。遊園地も乗れちゃうしね。とにかく選択肢がライブだけじゃなくて沢山ある。お近くにお住いの方はぜひ来年参加してみて欲しい。会場で乾杯しましょう!
会場はバチバチの僕の地元。というか隣街。地元でこんなにも解放的で美しく豪華で美味しいフェスが開催されている事は本当に誇り。これからも長く長く続いて欲しいフェスティバル。どうか来年も青空の下、蒲郡の地で気持ち良い音楽が鳴り響きますように。
6.5 SAKAE SP-RING 2022
3年振りに開催のサカスプに初参加。
栄一帯(栄、新栄、矢場町)のライブハウスを使って行われるサーキットイベント。2日間合わせて300組以上のバンド、アーティストが出演する、東海地区最大のサーキットフェス。選びきれないバンド、アーティストに目移りしながら10組のライブを見てきました。
1組目はDIAMOND HALLでchelmico。「森、道、市場」のライブがすこぶる良かったので急遽サカスプでも見てみることに。「森道」でも思ったけど、やっぱり対人や対モノ、コトに対する大きなリスペクトを感じるステージ。「森道」と比べるとよりチルい、よりしっとりとしたセットリストでまた違った一面を見た気がする。すっかりファン。次はワンマン行ってみよかな。この「ワンマン行ってみよかな」と思えるのがフェスやサーキットのいいとこ。
2組目はReNY Limitedで三阪咲。1年半前にお仕事で配信ライブのレポを書かせていただいたのだけど、生ライブは初。トロピカルなハウス調の曲はReNY Limitedの雰囲気にもピッタリ。時折覗かせるアダルトな一面は1年半前には無かった要素でドキッとした。高校を卒業したばかりとは思えない貫禄すら感じるライブ。MCは大阪出身って感じの、上沼恵美子大先生を彷彿とさせる喋りでその感じも貫禄あった!
3組目はDIAMOND HALLでI Dot't Like Mondays.。洒脱なサウンドで前から注目してたけど、そのサウンドを乗りこなすイケイケなライブ。サウンドだけじゃなくて所作とかファッションもひっくるめてイケイケ(イケイケって死語ですか?)だった。人気出るわなぁ。
4組目はCIRCUSでevening cinema。暑い栄をクールダウンさせるようなシティポップでありつつも、熱量はしっかりと感じさせるライブ。初名古屋ライブだったみたいだけど、これからも是非来て欲しいな〜!
5組目はCLUB QUATTROにてポップしなないで。かめがいあやこの七色のボーカリゼーションに圧倒。YUKIや大森靖子など、様々なルーツを想起させるボーカルでありながら、それを曲中に様々使い分ける様は圧巻。キーボードとドラムというミニマムな構成を感じさせない、圧倒的なPOP空間を作り出したポしなのライブ、めちゃ楽しかったー!
そのままQUATTROでNakamuraEmi。サウンドチェックの段階で往年〜最新のJ-POPをカバー。「今夜はブギーバック」「涙のキッス」「勿忘」「エイリアンズ」「若者のすべて」「君に夢中」...他にも沢山。アコースティックギターによる伴奏は一定のリズムとメロディを刻んでいるのに、コロコロと曲が変わっていく展開に高まりまくった。本編は彼女のキャリア総ざらいなベスト盤的なセットリスト。どの曲も力強い彼女の奥底から放つパワーみたいなものを強烈に感じた30分。いつ見てもNakamuraEmiのライブは元気を貰える。
そして3連続QUATTROでThe 2。ドラムの歌川さんが産休(本当におめでとうございます!)につき、代打はtricot吉田さん。豪華かつ絶対に間違いのないサポートに驚きつつ、今日イチの轟音とバンドサウンドに盛り上がらない訳が無い30分。山口一郎がプロデュースした「恋のジャーナル」は勿論高まったし、1曲目の「ルシファー」にやられた。
ご飯休憩を挟んでDIAMOND HALLで藤原さくら。他に聞いた事のないような彼女の声は圧倒的に聴く者を惹き付ける。楽曲は彼女の声を最大限に味わうためにあると言っても良いと思う。特に「Soup」からの「君は天然色」に完全にヤラれてしまった。「君は天然色」をライブで聞けたって事実も嬉しかった。ハーモニカとギターのシンプルな編成も彼女の声に映える。良い物見た!
13年のアミュフェス以来9年振りに、Live & Lounge VioでRihwa。会場の雰囲気も相まってか、彼女のホームタウンである北海道の大地がそうさせたのか、妙に流浪の歌人感があって凄く良かった。9年前よりも明らかにスケールアップした歌声と、シンプルにギターを掻き鳴らすスタイルでこれからも長く続けて欲しい。
ラストはDIAMOND HALLで雨のパレード。水の中に潜ると聞こえる水の音。雨パレのサウンドはその音を目指してんのかなってくらい"包まれる音"だった。そこに曲によって爽やかさとかアンセム感を足してってるような。あんなに豊潤な音を3人で作ってるのか...と畏怖すら感じた30分。
そんな感じで計10組のライブを鑑賞。充実感スゲー。「森、道、市場」も思ったけど、これだけ沢山のミュージシャンを一日で見れる幸せを感じずにはいられない。3年振りの開催、本当におめでとうございました。そしてありがとうございました!