2021年下半期ライブかんたん感想
はじめに
お久しぶりです。ライターのふじもとです。
noteを書くのは昨年の夏振りになります。
あけましておめでとうございます。
すっかり遅くなりましたが、昨年のまとめとして下半期に参加したライブのかんたんな感想のようなものを。参加した直後に書き残してあったものに若干の手直しを加えて公開してます。
10.8 桑田佳祐「BIG MOUTH,NO GUTS!!」@広島グリーンアリーナ
広島にて桑田佳祐ソロツアー。ソロは4年振り、サザンも含めれば2年振りの桑田さん。
ステージからほど近いスタンド前例ということもあり、とても接近して桑田さんのお姿を拝見出来ました。
ライブ中にもご本人が言及されてたけど、もう年齢的には高齢者である桑田さんが、こうして全国を回って(しかもこの時期に!)歌を歌ってくれる。それだけで感謝しかないのだけど。
ライブの内容もこの時勢の中で勇気と元気を貰える2時間半のエンターテインメント。ニューアルバムもそうだったけど、それはきっとシンプルに良い曲を聴かせよう、それこそがファンに勇気や元気を与えるんだっていう桑田さんの時勢を踏まえた思いがきっとあるんだろうなぁと思ったりもして。
「それ行けベイビー!!」「君への手紙」「炎の聖歌隊[Choir]」までの流れで泣いてしまい、「どん底のブルース」で鳥肌が立ち、「Smile~晴れ渡る空のように~」から「Soulコブラツイスト~魂の悶絶」でまた泣いてしまった。これやってくれるの!嬉しいー!!な曲も沢山。DNAに深く刻まれた桑田佳祐の音楽が自分の細胞の端々まで巡ってるような気持ち(?)
MCで言えば後輩のミュージシャンへの言及も沢山あって嬉しかったな〜!広島ということもあって事務所の後輩であるポルノとか、髭男やYOASOBIや藤井風のことを悔しさすら滲ませながら褒められていて。そうやって僕らと同世代のアーティストのこともちゃんと気にかけてくれることが嬉しいし、そういう若いミュージシャンに嫉妬してしまう。桑田さんに褒められているのが羨ましいし、土俵は違えどいつか自分もそんな風になれたらいいなと夢見てしまう。
もうかれこれ15年は一途に桑田さんの音楽を聴き続けてるけど、16年目もその先もずっと聴き続けるだろうなと改めて確信した日になった。やっぱり世界で唯一尊敬する人でありミュージシャンです。
10.9 SUPER BEAVER「都会のラクダSP ~愛の大砲、二夜連続~」@名古屋ガイシホール
広島から愛知へ帰ってきたその足で向かったガイシホールでSUPER BEAVERのアリーナワンマン。初ビーバー。2日連続のライブを楽しんできました。
ライブハウスを主戦場にしてる彼ららしいエモーショナルでダイナミックなロックサウンドと、英詞を殆ど使わない日本語を大切にした聞く人を鼓舞する歌詞に胸を打たれっぱなし。
MCでもライブハウスから来ました!と何度となく話して、UPSETやQUATTROと名古屋のライブハウスの名前を言ってくれたり、ライブハウスを大切にしてる想いが溢れてて嬉しくなった。MCだけじゃなく、映像演出や舞台装置はアリーナらしい壮大なものばかりな一方で、4人の肉体的な演奏だけで1時間半弱展開していく様はあくまでもライブハウスから来たSUPER BEAVERらしさに溢れてた。
お客さんの熱量も高くて良かったなー!この2年で見たどんなライブよりも大きいハンドクラップが鳴ってた。最高。
聴きたい曲も聞けて嬉しかった!また見たい!
10.17 Creepy Nuts One Man Tour 2021「Case」@名古屋国際会議場 センチュリーホール
Creepy Nutsのワンマンライブを名古屋センチュリーホールにて。
念願の初Creepy Nuts。本当なら1年半前のイベントで見る機会はあったのに、コロナの影響で中止に。その後もお仕事で担当した配信イベントでは幾度となく見てたものの、生のライブはやっとこさ。念願叶ったり。
思えば見る予定だった「あの日」から1年半でCreepy Nutsは見違える程にブレイクを果たした。ウチの母親、当時は名前も知らなかったような気がするけど、今はもうCreepy Nutsと言えばそれだけであーとなる。分かりやすい指標。元々あの時点でR-指定もDJ松永もそれぞれMCバトルとDJプレイでひとつの頂点を極めていたけど、オールナイトニッポンや菅田将暉との共演、なによりも松永の閉会式出演が決定的にこのグループを今の立ち位置まで押し上げた感は間違いなくあるよな~。
そんなCreepy Nutsのライブは思っていた以上に泥臭くて、生々しい人間らしさがバツグンのライブでした。
日本一のMCのフロウやリリックと、世界一のDJのターンテーブル捌きは言わずもがな超絶テクだし、サウンドもシンプルなギターロック調のものからシティポップ、ミディアムバラードに至るまで様々なのだけど、曲の内容やMCから共通して見えるのはふたりの人間らしさで。人生の苦難や葛藤、それも極々彼ら自身の個人的な物事も多い、そんなリリックを時には滑るように、時には力強くトラックに乗せるR-指定にグッと来る。どれだけ年齢を重ねても可能性は閉じないと説く姿には、まだまだ叶えたい事が沢山ある自分には特に刺さった。
特に1番印象に残ったのが、終盤のMCで言葉を操るラッパーという職業を生業にするものとしての覚悟をR-指定が語ったMC。自分にとっては本当に他人事でなく、一語一句聞き漏らさまいとどんな人の話よりも真剣に聞いてしまった。最近色々思うことがあったんだけど、その答えを掴んだ気がする。自分も今ライターなんて自分のことを定義しながら言葉を色々使いながら文章を作ってる以上、R-指定が今日話してたことは、今日会場に居た誰よりも胸に残さなきゃいけないと思った。
あと印象的だったのがライト、照明の使い方で。ふたりしか居ないCreepy Nuts、しかもそのうちひとりはDJブースに常に居なきゃいけないとなると、なかなかステージに動きが作り出しにくいんだろうけど、その分も印象的なライティングでカバーしてたような気がする。PA卓の真裏の席だったから、PAさんの指の動きにも思わず注目してしまった。役得。
Creepy Nutsに惹かれてしまう理由。それはふたりの泥臭い人間らしさ、それも「助演男優賞」みたいな曲を歌ってる彼らに共鳴してしまうからかもしれない。
次に見るときはもっと自由にライブを楽しめるようになっていたらいいな。
10.26 マカロニえんぴつ「マカロックツアー Vol.12 ~生き止まらないように走るんだゾ!篇~」@Zepp Nagoya
マカロニえんぴつのワンマンライブに参加。Zepp Nagoyaは2020年2月振り。
今最も勢いのあるバンドの1組であるマカロニえんぴつ。去年はこんなにMステにガンガン出るバンドになるとは思ってなかったのだけど。
その音楽性は実は複雑、というよりはとってもいい意味で掴めない!もちろん軸は生々しいロックサウンドが織り成すポップスという印象なんだけど、それも単なるポップスという枠には収まらない幅広さ。そこに遊び心やこっちが思いもよらない展開をガンガン詰め込んでくるし、そんな中でもメロディは良いしでどんどん惹き込まれる。
そんな一筋縄でいかないサウンドで表現するのは、簡単に言葉に出来ない微妙な、しかしハッキリ僕たちの心の中にある感情。
いつだったか、何かの本か、誰かのインタビューかで、「愛してる」を如何に「愛してる」という言葉を使わずに表現するのが音楽、って誰かが言ってたんだけど、そういう意味でボーカルのはっとりの詞はまさしくそういう直接的な言葉を使わずに表現する音楽性なんだなぁと思ったり。
色んな邦楽ミュージシャンがリファレンスとして彼らの音楽性に影響しているんだろうし、それを感じることが出来たのも音楽ファンとしてはそれも堪らなかった!
王道だけど癖もあるしポップだけどロックだし。マカロニえんぴつの魅力ってそんな簡単に掴めないとこなのかもしれないと思えた良き夜でした! 今回聞けなかった曲を聞きにまた見に行きたい!
11.28 ポルノグラフィティ 「17th Live Circuit 『続・ポルノグラフィティ』」@アイプラザ豊橋
ポルノグラフィティのライブツアーを豊橋で。
このツアーを開催するという発表があった日、発表されたツアー会場一覧の中に豊橋の文字があってぶったまげたことを今でも覚えてる。ポルノが豊橋に、自分の地元に来るのか...と。
中学生の頃、僕が好きな三大ミュージシャンはサザンオールスターズ、Perfume、そしてポルノグラフィティだった。CDはケースがバッキバキになるまで聞いたし、初めて参加したライブもポルノだった。中学生の頃どこでも自転車で出かけてたあの頃の風景の傍らには常にポルノの音楽があった。
あの頃から15年近く経って、その中学生時代…だけでなく、なんなら人生の大半を過ごした地でポルノのライブを見れたのはスゴく不思議な気持ちだった。会場そのものにも、会場の周りにも数え切れない程の思い出とか記憶があるような場所でポルノのライブ見てるのが本当に不思議で。昭仁さんが何度も「豊橋」って言ってるのも違和感しかなくて。でもこの光景を当時の自分が見たらきっと泣いて喜ぶだろうな〜とも思ったりして。あの頃の自分に戻ったような、あるいはあの頃の自分と一緒にライブを見てるような。そんなに気持ちになったライブでした。
昭仁さんは俺の知ってるどんなボーカリストよりも強靭な喉で、他の誰よりも歌が上手いボーカリスト。宇多田ヒカルと昭仁さんが双璧。喉からCD音源とか言うけど、下手したら音源を超えてくる。そのボーカル力(りょく)の凄みに恐ろしさすら感じる。晴一さんは晴一さんならではのギタープレイ(重心を背後に掛けて若干仰け反りながら膝を曲げてバッキングを弾く姿がとっても素敵)がやっぱりめちゃくちゃカッコよくて、俺が1番憧れるギターヒーローって実は晴一さんだったんだなと気づいたりもして。
セットリストもあの頃の自分がきっと喜ぶだろうなって曲をたくさんやってくれて嬉しかったな!そういう曲が始まる度に声上げそうになって、堪えるので精一杯だった。
って、こっちはエモエモモードで見てたけど、むしろそのタイトル通り「続」な、今のモード、今のポルノをバチバチ見せつけるライブだったのは間違いなくて。4年前くらいからポルノは確変入った感あったけど、ますます凄いバンドになっていくんだなという気持ち。これからもキャリアとかメディアとか気にせず本人たちがカッコイイと思うことをガンガンやって欲しい。
いつも決まってライブの終わりに昭仁さんが僕たちに言ってくれる「胸張っていけ!自信持っていけ!」が普段以上に響いた。コロナでぐちゃぐちゃの今の世界でも、胸張って自信持って生きてけぱきっと大丈夫な気がして。
相変わらず声が出せないライブだったけど、そんなの関係なく身体も心も熱くなった夜でした!また絶対豊橋来て欲しい!
11.29 Base Ball Bear「Tour DIARY KEY」@名古屋 DIAMOND HALL
2021年2度目、そして恐らく最後のBase Ball Bearを恒例の名古屋ダイホにて。
新作「DIARY KEY」はコロナ禍を経たBase Ball Bearがコロナ禍で描くべき物を描いた傑作だった。Base Ball Bearが常に描いてきた「死」というテーマに今だからこそグッとフォーカスしてみせるアルバムは、音楽は常に時代の映し鏡だということを示していた。
一方で、Base Ball Bearは今年結成20周年。常にロックシーンの先を行き、批評的な視点と幅広い音楽をギターロックに落とし込む彼らの手腕は唯一無二で、他のどんなバンドとも違う存在感を放ち続けてる。
そんな彼らの今回のツアーは、アルバム「DIARY KEY」の世界と結成20年のバンドの歩みをオーバーラップさせる濃密な物に仕上がっていた!
本来であれば、アルバムの世界を描き、拡張するようなセットリストも、あるいは結成20年のアニバーサリー的なセットリストも、それだけで十分成立するんだけど、このご時世とタイミングもあり、渾然一体となったセットリストに。結果的にそれがBase Ball Bearが常に描いてきた、そして今回の「DIARY KEY」で最も重要な「死」をより色濃く魅せていた気がする。
つまり、あの曲も、この曲も、その空気、その匂いがするじゃないか、と。
「死」があるから「生」があるように、「死」を描くことは「生」を描くことと同義で。改めてしっかり生きなきゃ、生きてまたDIAMOND HALLでBase Ball Bearと何度だって会わなきゃなと痛いほど感じた2時間でした。
単純な選曲もそうだけど、セットリストの組み方が今回これまでよりも変則的な気がして、より大人なBase Ball Bearって感じも◎でした。
爆音で音を浴びれる生は良い。いや、生が良い!特にBase Ball Bearのライブは、ライブハウスならではのこの感覚は、配信なんかじゃ魅力伝わんないよ...!って思ったな。
前から2列目というとっても良い席だったこともあり、堀くんとも関根さんとも何度も目が合った気がする。来年には椅子じゃなくてオールスタンディングで、声も出せるようになって、DIAMOND HALLでベボベのライブ見れたらいいな。
11.30 NakamuraEmi「Momi Release Tour 2021」@名古屋 ReNY limited
名古屋 ReNY limitedでNakamuraEmiのアルバムツアー。
NakamuraEmiを初めて見たのは2018年の中津川SOLAR BUDOUKAN。そんなに事前知識無く見たライブの衝撃は今もありありと覚えてる。小柄な姿からは想像出来ない程パワフルな歌声、殆どビートだけのサウンド、言葉を詰め込んだリリック。なんじゃこりゃ!とその日からすっかり虜。特に「かかってこいよ」は何度リピートしたか分からないほど。
いつかワンマンライブ見たいなぁと思いながらズルズルしてたら今に至ってしまった。念願の初ワンマン。会場も初めて訪れる名古屋ReNY limited。
様々な職業を転々としながら活動してきたキャリアと、ルーツがJ-POPとヒップホップという彼女のプロフィールはかなり異色。と同時に、ハッキリそれが彼女の武器なのだと今日のライブで納得しました。
キャリアを通して酸いも甘いも知り尽くした彼女だから書ける芯を食いつつもそれを全て暖かさに還元する詞≒リリックと、ポップスのような「歌」と、ヒップホップ的な「フロウ」を巧みに行き交うスタイルは唯一無二。他他のどんな場所でも見たことの無いスタイルが人の心を掴んでいるのだと。
何よりも音楽、ファン、関係者、全てに誠実に在ろうとするNakamuraEmiの姿が印象深く。機材トラブルで本来の音を作り出せなかった瞬間、流すのではなく1度止めてやり直したり、曲の度に頭を思いっきり下げる姿は、僕が今まで見てきたどんなミュージシャンよりも誠実だった。
コロナ禍を経て制作されたアルバム「Momi」はこの時代を的確に捉え、彼女の時代に対してすらも誠実で在ろうとする姿がリスナーも鼓舞して勇気づける。
隣の席のファンの方がライブ中何度も目に溜めた涙をハンカチで拭かれていて、それが全てだなと思う。その人そのハンカチ落としてってたけど...(係の方に届けました)。それだけ胸を打つステージだった。間違いなく。
また近いうちに見たいな!ReNY limitedもとても素敵なライブハウスでした!Twitterフォローしてもらったんでこれからも通います。
12.1 Official髭男dism「ONE-MAN TOUR 2021-2022 -Editorial-」@大阪城ホール
Official髭男dismのワンマンライブを大阪城ホールで。
コロナ禍が始まった2020年の2月に元々参加する予定だったライブが延期を重ね、2年越しの邂逅。
2021年で最も国民に愛されるJ-POPバンドの真髄を見せ、J-POPシーンに風穴を開けた髭男の音楽性は伊達じゃない事を証明してくれた最高のライブでした!
様々なルーツを持ちながら、そのすべてをポップスに還元する様は圧巻。特にブラックミュージックの要素はやはり大きく、低音の唸り方とかホーンの鳴り方とかポップスライブのそれとは全然違くて本当にカッコイイ。あと音量も普通のポップスのライブじゃありえないくらいデカい。音デカすぎて調子悪くなるかと思うくらい。J-POPでありながら、ポップスだけがルーツでないことが彼らを彼らたらしめてて、低音もホーンも音量のデカさもポップスがルーツじゃないことが理由なのだと。
ステージングもスゴい。超巨大なセットだけど決して複雑な演出や映像効果は多用せず、ここぞと言う時に切り札的に使って、あとはシンプルに音楽だけを届けようとする演出。ライトの使い方とかゴージャスだけどシンプルというスゴく高尚なことしてるなって印象。切り札的に使う演出や映像も、ここぞと言う時だからこそとても印象に残る。特にステージを覆うLEDとか圧巻だったなー。
セットリストもヒット曲塗れで超楽しい。あれもこれも知ってる!ってなる事の凄み。この短期間にこれだけヒット曲作り出してる髭男ってやっぱもうそれだけでスゲェって感心した。もうミスチルとかサザンと肩並べる国民的バンドよ。余裕で。
大阪城ホール3DAYSなんて、ポップバンドの頂点みたいなもんなんだけど、まだまだ上に成長すると高らかに宣言してておいおいどこまで行くんだと思ったけど、こんなステージ見せられたらどこまでも行くんだろうなとも思った。何万人前にしてる姿がありありと目に浮かぶ。これからの音楽シーンを背負う覚悟と矜持に満ちたライブでした。
今回、席がとっても良くて、アリーナなのにちょっとしたライブハウスの最後尾くらいの近さ、それも真正面で見ることが出来た。2年前からチケットを用意してくれて、なおかつこれだけ良席を引き当ててくれた中学時代からの友人に感謝。
あと個人的に4夜連続ライブというのを結果的にやりまして、この日が最終日でしたが。それぞれのポップスをそれぞれ最高に鳴らしてて、やっぱりポップスが一番好きだなと思った4日間でした。そんな毎日ライブ見て頭おかしくなるかなとか思ってたけど、全然。超楽しかったです。これからも沢山ポップスのライブを見たいです。
12.5 桑田佳祐「BIG MOUTH,NO GUTS!!」名古屋・日本ガイシホール
桑田佳祐ソロツアーの愛知公演。
10月の広島以来、2021年年2度目の桑田さん。
元々参加する予定はなかったのが行けることとなり、チケットも直前で手にすることができたので急遽の参加。...の割にはスタンド2列目で、ステージも結構近めの割と良い席でビックリ。そもそもアリーナで桑田佳祐を見れるだけでも貴重な気がしている。
このご時世に年に2度も桑田佳祐のライブを見れることが出来るのはとても幸運な事だと噛み締めつつ、前回を踏まえた上でステージの様々な進化を楽しんだ2時間半でした。
前回は頭3曲でめちゃくちゃ泣いたけど、今回1番泣けたのは8曲目の「NAGOYA LADY BLUES ~名古屋 レディ・ブルース~ 」。広島の段階で「これは名古屋で聞きたかったな」と思っていたので念願叶った思い。桑田さんが自分の地元について歌ってくれていると思うだけで嬉しくてなけてしまって。と思ってたらその曲の最後にドアラが出てきてくれた。これは名古屋だけのサプライズらしい。そんなサプライズも含めて嬉しかったなぁ。
今回のセットリストは、というよりもはや桑田さんに限らずどんなミュージシャンのライブもだけど、この激動の時代をどうやって捉えて、どうやって表現して還元するのか、ミュージシャンは否応なく試されてるし、むしろ自然とライブに如実に現れてくる。コロナ禍でライブする以上それは必然で。やっぱり桑田佳祐は今年見た他のミュージシャンの誰よりも的確に時代を捉えて、セットリストに明確に反映して、時代の生々しさすらも音楽に演出に内包して見せてた。奇跡の一本松も、ワクチン接種会場も、新国立競技場もライブの映像演出に取り入れることができるアーティストはそういないけど、桑田佳祐はそれが出来る。なぜなら桑田さん自身が誰よりも時代を写すのが音楽だと考えているからなんだろうと思うと胸が熱くなる。「Smile ~晴れ渡る空のように~」と「Soulコブラツイスト~魂の悶絶~」の2曲は特に演出、そして歌詞において、この2021年の空気を如実に反映していたと思う。やっぱり今回のライブのキモはここだった。
広島に続いて、後輩ミュージシャンへの言及がやっぱり嬉しい。僕が4日前にライブを見てきたOfficial髭男dismの曲達を、それこそ4日前にまさにやってた曲を桑田さんが「本当に素晴らしい、僕には真似出来ない」と話してたのがすっごく嬉しかった。あと昨日今日と桑田さんと同じタイミングで愛知でライブしてて(と、桑田さん自身もご存知だった!)、僕自身1年前に今日と同じ場所、ガイシホールでライブを見たKing Gnuも素晴らしい(「白目」...じゃなくて「白日」とボケてた。ベタなの好きよね…笑)とお話されてたのも嬉しかったな〜。同世代のミュージシャンが桑田佳祐に褒められてると思うと幾ら土俵は違ってもやっぱ負けてらんねぇなと思うし、自分なりにその負けらんねぇ気持ちで11月の桑田さんのエッセイの書評は書いたつもり。これからも負けねぇぞという気持ち。
そして広島に引き続き、やっぱり桑田佳祐に元気と勇気を貰いっぱなしの2時間半でした。音楽が持ってる力ももちろん、桑田佳祐という人が幾つになってもパワフルでい続けてくれることが僕の力になる。今回のライブで年齢のことを仰ったりしていたけど、やっぱり20年後もライブしてて欲しいし、実際全然やってそうじゃない?と思うくらいには今日の桑田さんはパワフルだった。あと演奏中の動きや表情がチャーミングだったのも印象的!一瞬小学生みたいな笑顔しててそんな顔出来るんだ!と妙にドキッとした。
次はいつ桑田さん見れるのかな。近いうちに会いたい。
12.12 サカナクション『SAKANAQUARIUM 『アダプト』ARENA TOUR』@Aichi Sky Expo
サカナクションのアリーナツアー愛知公演。
初サカナクションライブ。Sky Expoは昨年のフォーリミ振り。一昨年のナナイロ以来、毎年この時期にSky Expoでロックバンドのライブを見るのが定番になってる。
サカナクションは本当に常に表現に対して挑戦を繰り返してるバンドってイメージで、特に印象的なのは昨年のオンラインライブ「光 ONLINE」。まだオンラインライブ自体が定着するかしないかの頃に、あそこまで完成度が高くてオンラインライブである理由が明確にあるライブをやったサカナクションはもうどうしたってスゲぇバンドで。
一方でダンスミュージックを鳴らして徹底的にオーディエンスを踊らせるバンド、というのもイメージとしてあって。特にライブハウスなんかでやってる映像見るとお客さんの跳ねっぷりとか踊りっぷりが凄いのね。いつかここに混ざってみたいなと思いながらいつも映像を見てたんだけど。
その前々から持ってたイメージ通り、どころか思ってた以上の勢いで、徹底的に新しい表現を突き詰めるサカナクションと、徹底的にオーディエンスを踊らせるサカナクション、その2つのサカナクションを濃密に感じまくったライブでした。
今回のツアーのコンセプトは11月に開催したオンラインライブを観客の前でも同様に披露する、というもの。そしてその内容は3月にリリースされるアルバム曲の初披露。オンラインライブで既に披露した内容をリアルライブでそっくりそのままやるというのも驚くのだけど、オンラインライブならではの演出すらもリアルライブで展開するというのが今回のキモ。
僕は今回敢えて先にオンラインライブを見ずに参加したのだけど、オンラインライブでやった事をリアルライブでどう再現するか、ステージや演出の至る場面で工夫を感じてなるほどなと思った。
僕はオンラインライブは生のライブの代替にはならないと思ってる。けど、最初っからそれありきでいるのもなんか違うなとも思う。オンラインライブにはオンラインライブならではの魅力があるのは間違いないし、それが生のライブに還元されたら確かに面白いと思う。それをこの規模感で挑戦して実験するサカナクションというバンドの新しい表現に対する執着心の凄さを感じた。その試みが上手いかどうかは結構賛否両論ありそうだなと見ていても思ったけど、挑戦することそのものが圧倒的に尊い。
そんな実験的な前半に対して、後半は徹底的にオーディエンスを踊らせるダンスミュージックバンドとしてのサカナクションが展開。8曲ぐらいずっと踊りっぱなしのかなり強烈なセトリなんだけどそれがもう超楽しい。ダンスミュージックでありつつ、歌謡曲っぽい要素もふんだんに取り入れられたサウンドは日本人好み。お客さんもみんなで踊るベタな演出も含め、その緩急にやられちゃう。多分向こう2年で1番踊った。
演出も良い!もちろんオンラインライブから繋がる前衛的な演出も良いんだけど、ライティングとか頭上1m位のスレスレをレーザーがビュンビュン飛ぶのとかそういう単純だけどダンスミュージックには欠かせない演出も最高。あの楽曲でそれやられたらぶち上がるに決まってる。
サカナクションのライブは音がいいって知ってたけど、本当に凄い。独自のシステム使って、スピーカーもめちゃくちゃ数入れてるんだけど、それがよく分かる。なんかもう音の粒立ちが違う気がするもんね。音の圧も凄くてサカナクションってちゃんとオルタナティブバンドでもあるよなって納得したりもした。
7年前にRADWIMPS見に行った時、隣になったおじさんと話が盛り上がって、その時にサカナクションのライブは良いよ、絶対行った方が良いよって言ってたんだけど、7年越しに遂に行けた。あの時のおじさん、俺ついにサカナクション見たよ!(?)
山口さんが最後のMCで「変わらずに変わり続けます」的な事言ってて、ああ、やっぱりサカナクションとBase Ball Bearって根本は似てんだなって思った。ベボベも常に「変わり続けてる」バンドだから。サカナとベボベ、対バンしたり、一緒に曲作ったり、ラジオ出たりしてた山口さんと小出さんだけど、サカナクションがドカーンって売れちゃって、ツーショット見る機会ももう7年くらい無いけど、またいつかなんかの機会に共演とかして欲しいなって思った。対バンとか見たいよ!!
とっても楽しかった!これからも表現に挑戦的でいて欲しいし、踊りにライブ行きたい!次の機会を楽しみに!
12.19 MERRY ROCK PARADE@ポートメッセなごや
ポートメッセなごやにて初メリロ。
東海圏で最も大きなフェスTREASURE系譜のフェス。この系譜ってかなりヘビーな音像のバンドがメインなこともあって、今までなかなか縁がなかったんだけど遂に参加。
TOTALFAT→Vaundy→SHISHAMO→マキシマム ザ ホルモン→マカロニえんぴつ→東京初期衝動→10-FEET→フレデリック→w.o.d→SiMという流れで鑑賞。
今回のメリロは前方エリアを抽選制にしてて、僕はSHISHAMOとホルモンで前方に。
SHISHAMOはaikoから影響を受けているであろうガールズポップに加えて、綺麗事じゃなく芯を喰いつつそれでも明日に希望を持とうと歌うアンセム的な楽曲が心地好い。紅白にも出た「明日も」をあそこまで間近に見ることが出来て嬉しかったし、それと対になる「明日はない」が良かった!
マキシマム ザ ホルモンはRIJF2019振りだけど、あの時は遠巻きに見てたって感じだったからリベンジ。とはいえまだまだガイドライン下でのライブが故に、ホルモンらしいモッシュもサークルも起きないライブ。故に自分のような初心者にも見やすいライブになっててここはありがたかった。ホルモンみたいなバンドをあれだけ接近して、なおかつ他の観客との距離を保った状態で見ることが出来たのは凄くレアだったんじゃないかと。ゴリゴリなのに超絶エンタメという唯一無二さ。普段はしない...というか人生でほぼやった事のないヘドバンをガチでやった。「ヘドバンは腰から」と、昔友人に聞いたヘドバンのコツが凄く活かされた。「What’s up people?!」「ぶっ生き返す!!」が聞けて超満足。
フレデリックで超踊ってSiMでまたヘドバンして...今まで見たことないバンドを沢山見た1日で、今年の締めに相応しい祝祭感と音楽ならではのワクワクに満ちてた。
ご飯も美味しかったな〜牛すじカレー冬野菜ピザが特に最高!
来年はもっと自由さを取り戻した状態で参加出来たらいいな。その日のために明日からまた生活を続けようと思う。
そして僕的にこれが2021年のライブ納め。2021年も沢山ライブが見れて良かった。202年もも沢山ライブに参加出来たらいいなー!!
2021年上半期のかんそう集はこちらから。
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