【中欧ヨーロッパ旅行】大失恋を経て、逃げという名の旅にでる(なんて美しきブダペストよ!)
2017年明け、私は大失恋をする。
というかそれ以前にしていた。2016年の年末から、私の失恋は明白であった。まあ今から思えば大失恋でもなんでもないのだけれど、当時の私にとってそれは紛れもなく大失恋だった(紛れのない大失恋)。
それはハタチになったばかりの私の、バッドバースデープレゼントともいえる失恋だった。
その彼とは、バイト先が同じだった。
なんだかよくわからない感じで始まり、そもそも始まってるのかよくわからない感じで続き、なんだったら続いているのかさえわからないままで終わった。
終わったというか、始まってすらいなかったのかもしれない。というか80パーセント、そうだったんだろうな。
当時の私は耐えきれなくて、いま(当時)、ここにいる自分というものに我慢ができなくて、バイト中はそのことしか考えられなくて、あまりに自分が惨めでイヤだった。
なんで今わたし、ここにいんの?
離れよう、と思った。
この大失恋を機に、私は逃避行として海外旅行を企てたのである。
行き先は、中欧ヨーロッパ。
ハンガリー、スロヴァキア、チェコ、オーストリアの4カ国
をめぐる学生ツアーへ、ひとり参加することにした。
ハンガリー、ブダペストへ行く
夜に到着したブダペスト。
ドナウ川の美しさに興奮覚めやらず、写真を撮りまくる。
夏になるとこの川を船で楽しめるみたい。
くさり橋が荘厳。グリーン色した自由橋もかっこよくて素敵。前日の夜にみたときもキレイでライトアップに胸高鳴った。ブダペストは昔、ブダ側とペスト側にドナウ川をはさんで分かれていたらしく、くさり橋はこのふたつを結んだ最初の橋だという。昔のひとってすごいよね、橋ぐらいであんなこんな素敵な造りをさせちゃうんだもん、まさにこれこそ栄光の架橋。拍手喝采。天晴。
この日は近くのスーパーに行ってお水とヨーグルトを購入しておわり。スプーンがついていなかった。
次の日は観光。「マーチャーシュ教会」へ行く。
初めてのヨーロッパにて、初めての教会。もうわくわくしかなかった。なにこの塔、なにこの造り。なんて素敵な装飾なんだろう!細やかなところまで凝っていて、そのひとつひとつの形にいちいち惚れ惚れ。中へも入れて、壁模様だとかステンドガラスとか王冠とか、どれもこれも新鮮。なんでこんな、うねったデザインの装飾ってどきどきしちゃうんだろう、アールヌーボーだいすき!としょっぱなから血糖値が上がる。楽しい。
「聖イシュトバーン大聖堂」は時間の関係上中に入れなかったけど、これも壮大でほんとに素敵な造り。高さが96メートルあるドームはこの数字(96)に意味があると言っていた。たしか西暦の年数で、なにかの記念年だった。
「英雄広場」はとてつもなく広くて、日本にこんな広い場所なんてあったらすぐビルやらなんやら建てられちまうぜなんて思った。中央には英雄たちの記念碑像がずらりっと並ぶ。
一番高い柱のてっぺんにいるのは大天使ガブリエル。彼だけはハンガリー人ではないらしい。真ん中の柱からすこし後ろにある、英雄広場を囲むような扇の柱のうえにある大きな4つの像は、右から、「知恵」「平和」「戦争」「労働」を示すそれぞれの象徴像。一番右の「知恵」をあらわす像は、手にゴールドの地球儀をもっている。
こういう像だって、それぞれ意味があって、昔のハナシというか神話のようなものからこれらが造られたってことを考えたらおもしろくて仕方ない。
「中央市場」はハンガリーで一番大きく人気なマルシェ。
野菜、ソーセージを中心にこれまたグルグルとまわりまわるのに足取りるんるんで買い物。ハンガリーはパプリカが名産らしい。どこのがいいのか分からなくて結局買えずじまい。うう、とにかくなんでもいいから買えばよかった…。完全にビジュアル重視で買ったかわいいチョコレートと、おすすめのフォアグラの缶詰を購入。
お昼ご飯は、ハンガリー名物の「グヤーシュ」を。トマトベースの煮込みスープ。小さく細目状の野菜とお肉がはいっていました。
デザートは、シナモンのような味がついているアップルパイ。全然さくっとしていない、ふにゃりとしたアップルパイは、これは日本だったら好き嫌い分かれそうだなあという感じだけど、私はこれはこれで美味しかった。
サクサクしたアップルパイもふにゃふにゃしたアップルパイもどんとこい、である。甘いものに関してはほとんど見境がないともいえるのですけど。
「センテンドレ」はかわいらしい小さな町。
派手派手しさがなく全体的にこじんまりとしながら洒落て趣のある建物ばかり。カフェのなかにいた子供がかわいかったなあ。17時くらいになってくるともうお店を閉めちゃうところがほとんどだった。うう、残念でならない…。
ブダペストに戻って、夕食。フォークロアディナーショーを堪能。ハンガリーの伝統衣装を着た女のひとが「カー」と「キャー」の間のような奇声をあげて、いや歌声?を叫びながら、踊っていました。それを観ながらご飯。
泊まったホテルがとても素晴らしかった。朝の景色は寒い日のほうが映える。