【魔法にかけられて】現代を生きる大人のためのプリンセスストーリー #私のスタンディングオベーション
子供の頃に憧れた、プリンセス。
今だってなりたくないわけじゃないけど、日々仕事や家事に忙殺されて余裕もない。(何かを見てそれなりに感動して、それなりに涙することもあるけれど、すぐ元通りの)冷めた自分で、淡々と人生をこなしていく毎日の連続。
プリンセスにはなれないよ・・・そう思う大人の方へ、懐かしのおとぎ話を読むのもいいけれど、ぜひこの映画をお勧めします。大人が笑えるプリンセスストーリー。
やらなくちゃいけないことは変わらないし、パートナーは白馬にだって乗らないけど、そんな日常に笑顔が増えるかもしれません。
#私のスタンディングオベーション は、ミュージカル好きな人達が、それぞれに”思わずスタンディングオベーションしたくなった、大好きなミュージカル作品”について、自由に書いたミュージカル紹介エッセイです。
扱うのは、日本で舞台化した作品・日本にはまだやってきていない作品、映画のみの作品、アニメで有名になった作品など様々。単なる批評や紹介ではなく、個人のエピソードも交えた一種の愛を語っていただきます。
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ただの「実写版のプリンセス」と思うことなかれ
(あらすじ)
おとぎ話の中で暮らす心優しいジゼル。夢に見たエドワード王子との結婚式の日、魔女に騙されて恐ろしい世界、現代のニューヨークへ追放されてしまう!動物と話し、ところ構わず歌って踊るジゼルを助けたのは、現実主義でバツイチの弁護士ロバート。二人はお互いを知るうちに惹かれ合っていくが、ジゼルを追いかけてエドワード王子や悪い魔女ナリッサまで現れてニューヨークの街は大パニックに・・・!
私はこの映画が公開されたとき、14歳。もうプリンセス映画なんて興味もなかったけれど、45歳を超えた母に“笑えるよ!”と勧められたのがきっかけで観ることになりました。
ストーリーは、現代・大都会・超現実の実写のNYと、おとぎ話の人物たちとの対比の連続です。そのどれもがニヒルな笑いを交えて描かれています。
朝起きたら、ロバート家の花柄のカーテンが主人公「ジゼル」のドレスになっていたり、おしゃべりなリスのピップがNYでは鳴き声しか出せなかったり。ほかにも古典的なプリンセスストーリーを面白おかしくオマージュしたシーンも盛りだくさんです。
中でも私がオススメするのは「Happy Working Song(歌ってお仕事)」。「ジゼル」が散らかった部屋をお掃除するシーンですが、やり方はプリンセス流!歌で一緒にお掃除してくれるお友達を集めます。ですが、NYで集まったメンバーは土鳩、ドブネズミ、ハエ、G・・・!?
びっくりしつつもすぐ友達になり楽しく歌い踊るドレス姿のプリンセスと、周りの動物の絵面とのギャップが最高です。
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そして一番胸が熱くなるのは、やはりクライマックスの舞踏会シーン。
一言でいうと、衣装が逆なんです。それまでのジゼルはロマンチックなドレス姿でしたが、仲良くなったロバートの娘・モーガンと選んだのは飾りが一つもないモダンでタイトなドレス。一方、ロバートは1700年代のような古典的な衣装を着ています。
格好が逆になったことで、二人の間の惹かれ合う目線や気持ちが、より引き立ちます。どこにいても何を着ていても大切にしたい真実の愛と素直になる勇気が出ずそこから目を背けようとする切なさに、思わず涙が…。
アラン・メンケンが贈る、至極のミュージカルナンバー!
『魔法にかけられて』は、実は名曲ぞろいのミュージカルなんです。
作曲は『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『アラジン』でアカデミー賞を獲得した、ミュージカル音楽界の巨匠アラン・メンケンが担当。キャッチーな曲が多いこともあり、実は色々なところで使用されています。日本でもよくバラエティー番組の商品紹介で「True Love’s Kiss」が流れていたり、CMでは「That’s How You Know」が使われていたり。
皆さんも一度は耳にしたことがあるはず!
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ハッピー・ラブストーリーの中に、少し複雑でニヒルなジョークや笑いが満載の『魔法にかけられて』。
大人による、大人のためのプリンセスストーリーです。
■ ちょっと疲れた大人のあなた
■ 子供の頃プリンセスが好きだった人
■ ハッピーなミュージカルソングが好きな人
SHOKO
歩くより先に歌って踊り、
クラシックバレエの門をたたく。
サングラスと香水が好きで、
いかつく見られるのが悩み。
一人暮らしで自炊したら痩せました。
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